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マーケティング導入事例

株式会社マツモトキヨシホールディングス(現:株式会社マツキヨココカラ&カンパニー)

“先生”を派遣して手厚く分析業務を支援 マーケティング自動化までの道筋を伴走

取材日:2018年6月

株式会社マツモトキヨシホールディングス(以下、マツモトキヨシ)は、新たな分析・マーケティング環境を導入。リアル店舗やオンラインストア、およびその他の顧客タッチポイントでのコミュニケーションに基づき、最適な顧客体験を提供する枠組みを整えた。

オムニチャネルで優れた顧客体験を

マツモトキヨシは、ドラッグストアおよび調剤薬局を全国展開する都市型ドラッグストアチェーンの草分け的存在だ。グループ店舗は全国に1,600を超え、オンラインストアも伸びている。タイ王国など海外展開も加速させ成長を続けている。

同社のビジネスは、多数のファンによって支えられている。「マツキヨポイント」は広く顧客に受け容れられ、より多くのポイントが貯まる「メンバーズクレジットカード」も好評だ。こうして、同社は自前で分析できる広範な顧客関連データを保有することになった。

そして現在、顧客と接するチャネルの多様化により、顧客データを包括的に可視化することが必要になってきた。顧客はオフライン店舗だけでなく、オンラインストアでも購買行動を行う。スマートフォン向け公式アプリやSNSなど、コミュニケーション手段も多様化した。これらの複数チャネルをまたいで、顧客に最適な提案を行うオムニチャネル戦略の必要性が高まってきたのだ。

採用の決め手は安心感

そこで同社は複数の選択肢の中から、NI+Cの提案を採用。データ抽出、変換・加工ツール「IBM InfoSphere Information Server(DataStage) 」と高速データウェアハウス「IBM PureData System for Analytics」、統計分析ソフトウェア「IBM SPSS Modeler/IBM SPSS Collaboration

and Deployment Services(以下、SPSS)」を組み合わせた仕組みを導入することになった。

実はこのとき、RFP(提案依頼書)にはそれ以上の項目が書かれていた。

マーケティング自動化ツールを使って、分析結果に基づいて自動的に顧客とコミュニケーションを取るところまでが“必要なシステム”の範囲として明記されていたのだ。

それにストップをかけたのがNI+Cだった。まずは検証済みの分析モデルがなければ自動化には至らない。そこで、NI+Cは、プロジェクトのフェーズを切り分けることを提案した。1次フェーズは、分析を自由に行えるようにするところまで。分析環境を整えて、まずは複数のモデルを作成する。同時に教育・研修を行い、社内で使いこなせるところまでサポートする。検証済みのモデルが完成すれば、2次フェーズとしてマーケティング自動化のシステムを稼働させるというプランだ。

コストとリスクを最小化すると共に、「クライアントの社内スキルを高めることで、絶対に成功させる」という熱意を持った提案だった。

“先生”が手厚くサポート

2016年6月、システムのセットアップを終えるとNI+Cのオリジナルサービス「伴走サポート」が始まった。クライアント企業の担当者がやりたいことを、「専門家が代行してやる」のではなく、「自らやれるようになるまで付き添ってレクチャーする」取り組みだ。約1年をかけた研修と伴走サポートの期間で、出来上がったモデルは10本弱。分析分野や対象を分けて作ったため、それらを元にモデルを発展させたり、似た分析に流用したりできるようにした。その結果、いまでは80以上のモデルを試し、実際に使えるようになったものも多い。

マツモトキヨシの社員は、親しみを込めてNI+Cのコンサルタントを”先生”と呼ぶ。その緊密な距離感で分析支援は順調に進んだ。

実際に行った分析内容は多岐な分野にわたる。中でも重要な成果を挙げたのは、離反顧客の予備軍をつかめるようになったことだ。たとえば、数か月間購入のない顧客などのわかりやすい例もあるが、来店はしているものの購買量が減っている顧客や来店回数の波の大きな顧客など、実績に基づいて顧客を多面的に分析。重要な要因を特定し、手を打ったことで離反率を8%も改善することができた。

2次フェーズは2017年7月に終え、「IBM Campaign」が稼働。これで環境は整った。まずは分析によって顧客の行動と結果に相関関係があるかどうかをつかむ。そして、結果をより良くするために、人が行動を促すための施策を立案する。施策を実行し、効果が立証されたものは、マーケティング自動化ツールで人の手を介さずに実行できる。そのため、販促担当者は施策立案に多くの時間を割けるようになる。すでに分析モデルを組み込み、顧客へのアクションの自動化も進んでいるという。実際に、顧客離反対策のモデルはすでに自動化されている。

リアル店舗の高い価値

マツモトキヨシでは、今回の取り組みなどによってわかったことがあるという。

それは、店舗の価値だ。オンラインストアで店舗受け取りサービスを利用する顧客の多くが、オンラインで注文した以上の金額を「ついで買い」をしてくれている。オンラインでは検索して目的の商品を注文する。しかし店舗を見渡せば、さまざまな商品が目に飛び込んでくる。顧客のオンラインでの行動と店舗での行動は全く別のものであり、そうした分野も分析によって深く掘り下げていく方向だ。

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