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IBM World of Watson 2016 参加レポート

IBM World of Watson(WoW) 2016 IBMは10月24日~27日、米国ネバダ州ラスベガスにおいて、「IBM World of Watson(WoW) 2016」を開催。
全世界120カ国から約1万7000人が参加する中、昨年に引き続いてNI+Cも参加。
期間中は1,500を超えるセッションや、500ものパートナーによる展示が行われ、多くの具体的な事例が発表されました。
Watsonはいまやスタートアップではなく、実装段階に来ていることを強く感じました。

World of Watson 2016における主な発表は下記ソリューションです。

Watson Commerce
WebSphere Commerceと同じイメージで、ECサイト(コマース)構築・管理を行える。これにWatsonテクノロジ(Watson Order Optimizer)が加わった製品です。
どんなWatsonテクノロジが使われているか、それは、注文状況や市場動向データを活用して、現在の配送センタ数で需要に耐えきれるか、新しい配送センタを開設した時の効果はどうなるかをシミュレーションできる点です。

Watson Marketing
IBM Campaignで出来るキャンペーン実行・管理の手前部分を実現してくれる製品です。
具体的には、キャンペーン実行前のコンテンツ作成、キャンペーンに適したコンテンツの選択をしてくれます。
例えば、20代男性というセグメントにキャンペーンを打つ時に、各コンテンツを使用した際の効果を表示、最適なコンテンツを選択してくれます。

Watson Data Platform
100GB/秒を超える記録的な速度でさまざまな大量のデータをクラウドに取り込み、データをクレンジング、編集、形成して、モデリングを容易にします。

Watson Visual Agent
企業が会話エージェントを簡単に作成して展開できるようにするコグニティブ・テクノロジーです。

初日の基調講演では、東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センターの宮野悟教授が登壇し、癌患者の治療事例について講演されました。
既に新聞やニュースなどでも取り上げられ、ご存知の方も多いかと思いますが、基調講演の中でも非常に注目された事例でしたので、少しだけご紹介します。

IBM World of Watson(WoW) 2016 [ 宮野悟教授 講演概要 ]

宮野氏が研究している癌治療は「ゲノム(全遺伝情報)治療」と呼ばれ、膨大な遺伝子情報から癌を引き起こす突然変異を発見するためには、非常に多くの医学論文を読む必要があるとのこと。

これを紙で印刷すると富士山の高さを超えるものになるそうで、人間がこれだけ膨大な資料を全て読むことは到底できません。
それならば、人間ではないWatsonがこの膨大な情報を読んで解析したらどうだろうと考え、実施に至ります。

癌治療で東大病院に入院していた女性*の治療のための解析を、Watsonはわずか10分間ほどで行い、
その女性は約2カ月後に退院したそうです。(* 女性のゲノム解析は既に終わっていました)

●AI は Augmented Intelligence = 拡張機能

Watsonの指すAIは人工知能(Artificial Intelligence)ではなく、拡張機能(Augmented Intelligence)だとIBMは明言しています。

宮野教授の事例においても、判断するのは医者である人間で、Watsonの判断で治療が行われることはありません。
Watsonは人間では掌握しきれない膨大な情報をインプットし、繰り返し使われることでナレッジを蓄積していきます。
Watsonが人間の業務を拡張する手助けをしてくれる存在となることが、今後ますます期待されています。

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