投稿者:篠崎

IBM Cloud Satellite環境の構築を行いました。
IBM Cloud Satelliteをご検討中の方々の参考になれば幸いです。

IBM Cloud Satellite とは

IBM Cloud Satellite とは

IBM Cloud Satelliteは分散クラウド(*)を管理するためにIBMが提供しているソリューションです。 IBM Cloud Satelliteはオンプレミス環境やクラウド環境、エッジ環境(営業所や工場)などの様々な環境で利用できます。

様々な環境に用意したサーバー上にIBM Cloud Satelliteを通じて容易にOpenShiftの導入を行うことができます。

IBM Cloud Satellite上ではお客様アプリやIBM Cloudサービスを稼働させることができます。オンプレミス環境やクラウド環境、エッジ環境(営業所や工場など)を組み合わせた環境でも利用が可能です。単一の画面からすべての環境の一元管理ができます。

(*)パブリッククラウドで提供されるサービスをオンプレミスやパブリッククラウド環境といった異なる物理的な場所で分散稼働させるためのアーキテクチャーのことです。

IBM Cloud Satellite01.jpg

IBM Cloud Satelliteの活用

IBM Cloud Satelliteを利用すると下記のようなシーンで活用することができます。

  • オンプレミス環境にあるデータをIBM Cloudサービス(*)を利用し分析・活用
    セキュリティ上、クラウドにデータを移行することができない場合でも、オンプレミス環境でのIBM Cloud Satellite利用により オンプレミス環境にあるデータをクラウドへ移行することなく、マネージドサービスを利用し分析・活用することができます。

  • オンプレミス環境で稼働しているアプリのスケールアウトをクラウドに展開
    IBM Cloud Satelliteを利用することで、様々な環境に自社アプリケーションを配置することができるようになります。
    この特徴を活かしオンプレミス環境で稼働するWEBアプリケーションをサーバーへのアクセスが集中する場面でクラウド環境へスケールアウトすることでリソースを分散しコストの最適化することができます。

  • OpenShift環境やアプリケーションのバージョン管理をIBM Cloud Satelliteにて一元管理 様々なロケーションにOpenshift環境を構築し、環境ごとにミドルウェアやアプリケーションが稼働する場合、Openshiftクラスターのバージョン管理やアプリケーションのバージョン管理を環境ごとに管理する必要があります。
    このような環境でIBM Cloud Satelliteを利用することにより単一の管理画面から各ロケーションのOpenshiftクラスターやアプリケーションのバージョン管理を行うことができます。

(*)以下のようなクラウドサービスをIBM Cloud SatelliteのOpenShift上で利用することができます。 今後のロードマップにて追加のサービス提供が予定されています。

・IBM Cloud Paks
・IBM Cloud Databases
・IBM Edge Application Manager
・IBM Cloud Catalogのソフトウェアとミドルウェア
・Red Hat Marketplaceのソフトウェア

IBM Cloud Satellite アーキテクチャー

IBM Cloud Satellite02.jpg

【IBM Cloud region】

  • Satellite Link tunnel server
    ロケーションを出入りする通信の中継。
    Satellite LocationにあるSatellite Link Connecterへのセキュアな TLS接続を作成。

  • Satellite Config
    Satellite Locationのクラスター間でアプリケーションのバージョンを一貫してデプロイ、ロールアウトするために使用できる継続的デリバリーツール。

【Satellite Location】

  • Satellite Link Connector
    Satellite Locationと IBM Cloud の間で行われるすべての通信の主要ゲートウェイ。

  • Satellite Host
    Satellite Locationに存在するマシン。

参考:IBM Cloud Satellite アーキテクチャー
参考:IBM Cloud Satellite コンポーネント

IBM Cloud Satellite検証環境の構成

IBM Cloud Satelliteのホスト要件や導入方法などの、環境構築について記載いたします。
今回はIBM Cloud Satelliteの構築のうち、OpenShiftの導入までを記載いたします。

ホスト要件

IBM Cloud Satelliteを利用するにあたり、準備が必要な環境としては以下になります。
Red Hat Enterprise Linux 7が導入された物理/仮想サーバー 6台

1台のあたりのサーバースペックは以下の通りです。
CPU:4コア以上
メモリ:16GB以上
OS領域とは別の100GB以上の追加ディスク

詳細なホスト要件は以下をご確認ください。
参考:IBM Cloud Satellite ホスト要件

検証環境の構成

検証環境ではNTTコミュニケーションズが提供するパブリッククラウドのEnterprise Cloud(ECL)上にIaaS環境を作成しました。 IBM Cloud Satellite03.jpg

導入ステップ

IBM Cloud Satelliteを構成して、OpenShiftを導入するまでのステップは以下の通りです。

  1. ロケーション作成
  2. ロケーションへのホスト接続
  3. コントロールプレーンのセットアップ
  4. OpenShiftクラスター作成

IBM Cloud ポータル画面から上記のほとんどの作業を行うことができるため、OpenShiftのスキルがない方でも簡単にOpenshiftクラスタ-を導入することができます。

1.ロケーションの作成

IBM Cloudにログイン後、カタログよりIBM Cloud Satelliteを選択します。 IBM Cloud Satellite04.png

IBM Cloud Satelliteの画面が表示されるので「Satelliteロケーションの作成」を選択します。 IBM Cloud Satellite05.png

テンプレートの参照画面からIBM Cloud Satelliteを導入するサーバーの環境を選択します。 IBM Cloud Satellite06.png

2.ロケーションへのホスト接続

新規ロケーションのセットアップ画面が表示されます。
「ようこそ」の画面から「次へ」をクリックし、「自身のロケーションへのホストの接続」へ進みます。
IBM Cloud Satellite07.png

画面下にある「スクリプトの生成」をクリックします。 IBM Cloud Satellite08.png

PCにスクリプトがダウンロードされるためIBM Cloud Satelliteを利用する6台のサーバーでスクリプトを実行しホストを追加します。 「ホスト」よりSatellite Locationにホストが追加されていることを確認できます。 IBM Cloud Satellite09.png

3.コントロールプレーンのセットアップ

ホストを追加後、「コントロール・プレーンの構成」より「ホストの割り当て」をクリックしMasterNodeに割り当てるサーバーを選択します。 IBM Cloud Satellite10.png IBM Cloud Satellite11.png

「ホスト」よりMasterNodeに割り当てるサーバーの可用性が割り当て済みと表示されていることを確認します。

「ロケーションのファイナライズ」より「クラスターの作成」を選択します。 IBM Cloud Satellite12.png

4.OpenShiftクラスター作成

OpenShift クラスターの作成に進みます。OpenShiftのバージョンを選択します。 IBM Cloud Satellite13.png

「OCPライセンス」と「インフラストラクチャー」を選択します。
Satellite環境にOpenShiftクラスターを作成するため「Satellite」を選択します。
IBM Cloud Satellite14.png

必要情報を入力後、「クラスターの作成」をクリックしクラスターが作成されるのを待ちます。 クラスターの状況はIBM Cloudポータル画面から確認することができます。 IBM Cloud Satellite15.png

以上でIBM Cloud Satellite環境へのOpenshift導入は完了です。

まとめ

私自身はOpenShiftの構築経験はありませんが、サーバーが6台あれば、IBM Cloud Satellite上にOpenShiftクラスターを作成することができました。

IBM Cloud Satelliteへ追加するホストのSELinuxの設定にミスがあったことや、RedHatのリポジトリへのアクセスに失敗しrh-python36がインストールできないトラブルがありました。

IBM Cloud Satelliteの導入はIBM Cloudポータル画面からほとんどの作業を行うことができるため、Red Hat Enterprise Linuxの設定後、素早く容易にOpenShift環境を作成することが出来ると思いました。

次回は、IBM Cloud Satellite上で実際にサービスを動かすところをご紹介出来ればと思います。

*本ブログに記載の会社名、商品名、サービス名は各社の商標または登録商標です。

【参考】

[IBM Cloud Satellite アーキテクチャー]
https://cloud.ibm.com/docs/satellite?topic=satellite-about&locale=ja#architecture

[分散クラウド IBM Cloud Satellite]
https://www.ibm.com/jp-ja/cloud/satellite

[IBM Cloud Blog]
Red Hat OpenShift on IBM Cloud が IBM Cloud Satelliteでご利用可能に
https://www.ibm.com/blogs/solutions/jp-ja/red-hat-openshift-on-ibm-cloud-generally-available-on-ibm-cloud-satellite/

[IBM Cloud Satellite コンポーネント]
https://cloud.ibm.com/docs/satellite?topic=satellite-host-reqs