『教えてヒロさん!』番外編 2025年 年頭のご挨拶レポート
投稿者:藤野裕司

寒さ厳しい折、いかがお過ごしでしょうか。
藤野は、今年も元気にお仕事を続けさせていただいております。
昨年6月にこの会社に転職し、ようやく自身のミッションにも慣れ、エネルギー全開で新年を迎えることができました。
みなさまにおかれましても、さらなるご健勝ならびにご多幸を心よりお祈り申し上げます。
どうかお付き合いのほど、よろしくお願いします。
今回は、長年藤野が注力し、昨今みなさまが非常に大きな関心をお持ちの、「Web APIによる自律分散型データインテグレーション」が、経営にどのような影響を及ぼすかを、簡単にまとめてみました。
また、このデータインテグレーションについての詳しい内容は、TechBlog本編をご参照いただけますと幸いです。
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『教えてヒロさん!』~ 藤野裕司のEDI・データインテグレーション追っかけ塾 ~
自律分散型データインテグレーションとは
まずは、「自律分散型データインテグレーション」を少し振り返ってみましょう。
国が提唱する、 Society5.0やOuranos Ecosystem(ウラノスエコシステム)
[ 内閣府のサイトより ]
[ 経済産業省のサイトより ]
これは、企業や業界、国境を越えて、データを共有して活用する新たな付加価値の創出や社会課題の解決がもたらす仕組みであると定義されています。
固定電話のIP網への移行により、EDIの形が変わろうとしています。
それにあわせて、企業間・企業内・クラウドとのデータ連携も新たな形を迎えようとしています。
このあたりにつきまして、今Web APIが大きく注目されているのです。
今回は、ここを中心にお話を進めていきたいと思います。
自律分散とは
ここで、自律分散とはどのようなものかを考えてみます。
「自律」とは、一般には「価値や信条に関して支配や制約を受けずに独り立ちすること」となっています。
これをシステムとして考えると、「個々に独立した機能を尊重し、他の制約を受けずに効果を発揮すること」と考えられます。
「分散」とは、単純に考えると「ものごとがばらばらに存在すること」となりますが、システムではよい意味で使われます。
「自律分散」を分かりやすく表現するなら「すでにある機能や価値ある資源を連携し、有効に活用するシステム」となるでしょう。
つまり、「いいとこ取りをしたコンパクトな仕組み」といえるのではないでしょうか。
そのようなシステム同士をつなぎ合わせると、自律分散型社会となり、国が進めようとしている、Society5.0でありウラノスエコシステム、ひいてはエコシステム経済圏の実現に繋がります。
自律分散はWeb APIで実現
では、具体的にはどのようにしてシステムをつなぐのでしょうか。
そこで注目されているのがWeb APIです。
そのWeb APIを詳しく説明すると、話が複雑になるため、ご興味のある方は、ふじのブログ『教えてヒロさん!』第4回 をご覧ください。
自律分散型社会が求められる理由
さて、そのような自律分散型社会がなぜ求められるようになったのでしょう。
理由の一つとして、従来型の高機能で大規模なシステムは、簡単に作れないうえ、できあがったものを作り変えることも容易ではないため、柔軟な運用が難しい点が挙げられます。
つまり、従来の考え方では、変化の激しい時代にシステムが追い付けないことになります。
そしてもうひとつは、経営が「高精度・高価値な情報」の素早い提示を求めるようになってきたことです。
典型的な例は在庫情報でしょう。
「自社倉庫の在庫は逐次正確に見えるが、委託在庫は月に1度の在庫報告でしか見ることができない。
これでは、正確な生産計画も販売計画も立てられない。
もちろん、綿密なキャッシュフロー管理もできなくなってしまう」
その他、散在するデータの管理粒度の違いから情報精度の低下なども指摘されています。
顧客は常に正確で最新の情報を求めています。データが正確かつタイムリーに提供されれば、誤った判断を回避できるからです。
そのための手段として、あらゆるデータのインテグレーションが求められるようになりました。
データインテグレーションによるタイムリーで正確な情報管理
データインテグレーションとは、個々のアプリケーションやシステムだけで個別にデータを管理するのではなく、自律分散したデータから必要なデータを抜き出し、1か所に集めてそこで統合管理することを指します。
ただし、統合管理をする場所は1か所とは限りません。
企業全体のデータを統合管理する場合もあれば、サービスを利用して関連組織全体を管理することもあります。
それらを集める場所をデータ連携プラットフォームといいます。
データ連携プラットフォームは、単独でもデータインテグレーションできますし、プラットフォーム同士を連携させてより大きなデータインテグレーションを実現することもできます。
データ連携プラットフォームにより、社内システム、企業間システム、クラウド間の連携などを、すべてシームレスに連携することもできるようになります。
データ連携プラットフォーム上でどのようなことができるのか
データ連携プラットフォームは、データの蓄積、変換・編集、集配信、業務連携とそのデータの流れやセキュリティまでを実現し管理します。
また、これまで広く利用されてきたEDIや社内ファイル転送は、ファイルが生成される単位のバッチ処理でしたが、Web APIを使ったデータインテグレーションでは、バッチ単位もリアルタイムの連携も同時実行も可能となります。
このような処理を組み合わせると、これまで実現できなかった詳細な業務データの扱いや問い合わせ応答の対応なども、拠点を考えずに実行できるようになります。
さらに、これらの処理をリアルタイムに実施できるようになります。
こうすることによって、情報管理はこれまで以上に精緻にかつ広範に実現でき、経営には高精度で高価値な情報を素早く提供できるようになるわけです。

このメールは、文字を前提としていますので、図を貼り付けられないのが残念です。。。
実際のシステムがどのようになるかを書き出すと紙面が足りませんので、ご興味がある方は個別に気楽にお問い合わせください。
目指すところはエコシステム経済圏
このような考え方は、世界でも2013年ごろから提唱され始め、日本では、2016年に冒頭に紹介したSociety5.0やウラノスエコシステムにつながっています。
従来は、公衆回線や社内LANによる1対1でのファイルベースでのつながりが中心でしたが、これからはインターネット経由の高速多頻度同時多接続の世界が実現します。

このような世界を、エコシステム経済圏といいます。
ここでいう「エコ」は、「つながる」という意味で使われています。
みなさん、このようななんでも一つに見える世界をそろそろ目指しませんか。
ちなみに、弊社ではこの環境を「IRIS Connect」というサービスですでにご提供させていただいております。
ご興味があればご覧いただけると幸いです。
それでは、最後に藤野のもろもろ・・・
いよいよ本レポートも終わりに近づいてきました。
あともう少しです。。。
藤野は、所属企業が替わっても、今まで通りのコンサルを続けさせていただいております。
なにしろ、このお仕事が楽しくて仕方ありません。
今年、70歳の古希を迎えますが、まだまだ衰えておりません。
みなさまからは、親しみを込めて「NI+Cのヨーダ」とお呼びいただいております。
これも、わが社の仲間やみなさまのおかげです。
なにか必要な情報があればできるかぎりご提供したいと思っています。
このブログをきっかけに、また新しいお付き合いが始まることを願ってやみません。
長いレポートを最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
非常にご好評をいただいており、20年近く時代に即した情報を発信し続けてきました。
よろしくお願いします。
どうもありがとうございました。
(藤野裕司)