鼎談記事パーソルHD・日本IBM・NI+Cが語る ITOps実践論

パーソルHD事例に学ぶ - IT運用保守BPR*とコスト削減を両立させるには?
増え続けるクラウドコスト、人手に頼った運用の限界-。パーソルホールディングス株式会社は、いかにして「8時間の障害調査を2時間に」「インシデント対応工数を2〜3割削減」「約10%のクラウドコスト削減」という成果を実現したのか?
本記事は、パーソルホールディングス、日本アイ・ビー・エム、NTTインテグレーションの3者が、IBM® Instana Observabilityによる障害対応・状況把握・情報共有の変革の“リアル”を徹底解析。単なるツール導入に終わらせない、「運用保守BPR」につなげる視点を解説します。
*BPR(Business Process Re-engineering):業務プロセスを抜本的に見直し、効率化や品質向上、価値創出につなげる取り組み
鼎談動画
IBM Instanaで
IT運用保守はどう変わる?
3者が、IT運用保守 変革の“リアル”を語り合います。
詳細は、ぜひ動画でご確認ください。
登壇者紹介
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NTTインテグレーション株式会社
データ&アナリティクス事業本部
データプラットフォーム部
リーディングエキスパートIBM Champions
森 正臣
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パーソルホールディングス株式会社
グループWork Style本部
ビジネスITアーキテクト部
シニアコンサルタントIBM Champions
菅井 俊 氏
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日本アイ・ビー・エム株式会社
テクノロジー事業本部
オートメーション・
プラットフォーム事業部
製品統括部
製品統括堤 康広 氏
この記事で分かること
- DX推進の裏側で、IT運用保守にどのような負荷が生じているのか
- IBM Instanaが、障害対応・状況把握・情報共有をどう変えるのか
- IT運用高度化とコスト削減を両立するための考え方
- ツール導入を運用保守BPRにつなげるための視点

社内検討用のeBOOKもご用意しました。
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課題|DXの進展で、IT運用保守の負荷が高まっていた
拡大するIT環境に運用が追いつかない
パーソルホールディングス株式会社(以下、パーソルHD)の菅井氏は、当時の課題感をこう語ります。
「この数年でDXへの投資が進み、短期間でシステム数は1.5倍、クラウドサービスの利用量は2倍に増加。その一方、サーバー数やアプリケーション数の把握、障害時の状況確認が属人的で、従来の運用体制への限界が見え始めていました。DXを進めると、ユーザー部門の利便性が高まる一方、裏側で運用保守を担うITの負荷は必ず増えます。そこに手を打たないと、運用保守コストがかさみ、DXへの投資そのものが難しくなると感じていました。」
これを受けて、NTTインテグレーション(以下、NI+C)の森は、人手に頼る運用の限界を語ります。
「システムが増えたからといって、運用担当者も同じように増やすことは現実的ではありません。DX推進、クラウド利用が広がるほど管理対象は分散し、障害時の原因切り分けも複雑になる。従来は人の手でなんとか回せていた運用も、もはや追いつかなくなっています。」
「根性で乗り切るIT運用」の限界
日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)堤氏は、こう指摘します。
「ビジネスはもう、ITなしでは成り立たない。一方、その管理手法は旧来のままで、現場に大きな負担がかかっている。これは業界を問わず、多くのお客様に共通する課題。これまでの『根性で乗り切るIT運用』では、もう到底回らない。見える化や情報整理を合理化しないと、現場が疲弊し、DXそのものが頓挫してしまう。」
DXを継続するためには、それを支えるIT運用保守も変わる必要があります。

選定|IBM Instanaは、障害対応をどう変えるのか
ログ解析と専門家の経験に依存する従来の障害対応
障害対応において、人手に頼る運用が続いている企業は少なくありません。パーソルHDの菅井氏は、IBM Instanaに感じたメリットを、こう話します。
「これまでの障害対応では、ログデータを集めてExcelなどでグラフ化して、ベテランが解析する必要がありました。IBM Instanaは、こういった長年手作業で頑張っていた部分が瞬時に可視化され、人は判断だけをすればよくなる。そこが素晴らしいと感じました。」
“調べるための作業”に時間をかけるのではなく、見えている事実をもとに判断に時間をかけられる。
この変化が、IBM Instanaへの期待でした。
IBM Instanaとは?
IBM Instanaは、アプリケーションやインフラの状態をリアルタイムに可視化し、障害原因の把握や性能問題の調査を支援するオブザーバビリティ・ソリューションです。
リクエストから応答までの処理の流れをトレースし、インフラ、アプリケーション、データベースなどを横断して状況を把握できるため、障害や遅延の原因箇所を確認しやすくなります。
また、URL共有によって、関係者が同じ画面・同じ事実を確認できる点も特徴。スクリーンショットや報告書ではなく、「いま見ている情報」を関係者間で共有できるため、障害対応における情報共有および原因切り分けを大きく効率化します。
主なポイント
- アプリケーション、インフラ、データベースなどを横断して可視化
- リクエストから応答までの処理の流れをトレース
- 障害や遅延の原因箇所を把握しやすくする
- URLを共有することで、関係者が同じ画面・同じ事実を確認
- 通常と異なる挙動を捉えるスマートアラート(自動アラート)機能

「同じ事実」を見て判断できる可観測性への期待
IBM Instanaの価値は、従来は見えにくかったシステム内部の挙動を、トレースによって把握しやすくする点にあります。NI+Cの森は、その重要性をこう語ります。
「IBM Instanaは、リクエストから応答までの見えなかった部分をトレースで可視化できます。これまでスペシャリストの解析を待たなければ分からなかった部分が見えるようになる。その可観測性(オブザーバビリティ)*が、お客様にもっとも驚かれるところです。」
*可観測性(オブザーバビリティ):システム内部で何が起きているかを把握・推測すること
この可観測性は、原因調査の効率化だけでなく関係者間の情報共有にもつながると、日本IBMの堤氏は語ります。
「IBM Instanaを使うことで、いまどこで何が起きているかを、全員が同じ画面で事実として共有できます。もう関係者が集まり、ログを突き合わせながら何時間もかけて原因を探る必要はなくなります。」

本記事は鼎談動画のダイジェストです。
より詳細は本編動画をご覧ください
成果|障害調査8時間が2時間に。状況把握と情報共有はこう変わる
IBM Instanaの活用により、障害対応に明確な変化があったと、菅井氏は語ります。
「人が調べると8時間かかっても分からなかった障害が、IBM Instanaを入れると、同じ担当者が2時間で同じ結論までたどり着けました。原因が見えたことで、速やかに対応に移れます。」
NI+Cの森は、従来の障害対応との違いをこう説明します。
「システムが遅い時、従来はまずインフラが疑われ、インフラ担当が調べてからアプリ調査に進む流れがありました。IBM Instanaなら、原因がインフラなのか、Webサーバーなのか、ロジックなのか、データベースなのかが一目瞭然。ダウンタイムの削減にもつながります。」
「URL共有」が、報告・認識合わせの時間を減らす
菅井氏は、IBM Instanaの「URL共有」が、障害対応時の情報共有を大きく変えたと語ります。
「IBM Instanaは、URLを共有することで、社員もパートナーも、インフラ担当もアプリ担当も、開発者も企画者も全員が同じ画面を見て、それぞれの視点で分析できます。報告や認識合わせに時間をかけず、解決に向けての議論が進められます。」
NI+C森もこの機能が、導入企業から高く評価されるポイントと語ります。
「これまでは性能情報を取得してExcelでグラフ化、インフラ側に問題があるかないかをレポートしてから、次の調査へ進む労力が必要でした。IBM Instanaなら、見ている画面のURLを共有するだけで、どの時間帯のどのサーバーを見ているかまで相手に伝わる。説明や報告、認識合わせにかかっていた時間を減らせる点は、多くのお客様から評価いただいています。」
日本IBMの堤氏は、この機能は組織の動き方も変えると指摘します。
「URL 1つで、誰も覆しようのない事実を共有できる。これにより、これまでの組織の垣根を超えて、一緒に問題解決する動きへ変わっていきます。」

若手や経験の浅いメンバーも、数字をもとに議論できる
IBM Instanaの効果は、障害対応のスピードだけにとどまりません。同じ情報を見ながら議論できるようになることで、経験の浅いメンバーも、数字やグラフをもとに状況を理解しやすくなります。日本IBMの堤氏は、この点を次のように表現します。
「このツールを使うと、新入社員など経験の浅い方でも、システムを数字で語れるようになります。これは大きな意味があります。」
菅井氏も、インシデント調査を一部の担当者に閉じないことが重要と語ります。
「インシデント調査は誰か1人の仕事ではなく、皆で調べられるようにすることが大切です。状況がグラフで表示されるので、いつもと違う違和感に気づきやすく、リンクを投げるだけで先輩にエスカレーションすることも可能です。それは若い人や経験がない人の教育という面でも大きい。人材教育としても効果的です。」
インシデント対応工数2〜3割削減へ
障害対応の変化は、対応工数の削減にもつながっています。菅井氏は、IBM Instanaによる効果を次のように語ります。
「IBM Instanaの効果は、インフラ担当だけでなく、アプリ担当側の工数削減にも効いてきます。これまでインフラ側が調べていたことを、アプリ側でも見られるようになることで、調査や切り分けにかかる工数を減らせる。インシデント対応工数も2〜3割削減できる見込みです。」

さらにクラウドコスト最適化にも効果
一方、社内で運用高度化への投資を進めるには、経営に説明しやすい投資対効果も必要です。菅井氏は、IBM Instanaに加えて運用自動最適化ツールによるクラウドコスト削減効果をあわせて説明したことが、上申のポイントと語ります。
「経営に上げるには、『障害対応が楽になる』だけでは弱い。そこで、運用自動最適化ツールによるクラウドコスト削減効果とセットで説明しました。コストが下がり、運用工数も下がり、品質も上がる。その全体像を示すことが重要です。」
同社はクラウド利用料の最適化により、次年度で約10%の削減効果も見据えます。
「クラウドサービスのどのプランに変えたらいいのか。これまでは数時間かけて調べ、許可を取り、承認をもらって手順書を作る。1つあたり約6.5時間、100件だと600時間を超える工数がかかっていました。このツールなら、そうした業務プロセスを大きく効率化できます。結果として、次年度はクラウド利用料を約10%削減したうえで運用コストも削減できると分かりました。」
日本IBMの堤氏は運用自動最適化ツールの価値を、こう説明します。
「変化の早いクラウド環境で人が都度、最適なメニュー構成を判断し続けるのは現実的に難しい。このツールは直近3か月間のワークロードの状態を見て、AIが最適解を出し続けます。下げるべきリソースは下げ、必要なところは上げる。だからこそコスト削減だけでなく、安定運用にも貢献します。」
その上で堤氏は、運用高度化とコスト削減は両立できると語ります。
「確かにツール導入のコストはかかりますが、それによってIT運用が大きく高度化します。人に依存した運用から、データをもとに状況を把握し、即座に行動できる運用へ変わる。その結果、ワークロード削減やクラウドコスト削減にもつながります。」
NI+Cの森は、こうした効果を自社環境で確かめる方法として、PoCの重要性を挙げます。
「パーソルHD様の効果が、そのまますべてのお客様にあてはまるかは分かりません。だからこそ、PoC*で早く試していただくことが重要です。そうすれば、コスト削減効果や、人手をどれくらい減らせるか、プロセスがどう変わるかが見えてきます。」
*PoC(プルーフ・オブ・コンセプト):導入前に実際の環境でツールの効果や実現性を検証すること

本記事は鼎談動画のダイジェストです。
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まとめ|本質はツール導入ではなく、運用保守BPR
IBM Instanaの価値は、単に障害対応を速くすることだけではありません。可視化された事実をもとに、関係者が同じ前提で判断し、運用の進め方そのものを変えていくことにあります。
パーソルHDの菅井氏は、IBM Instanaの価値を、こう語ります。
「私はIBM Instanaを単なるツール導入ではなく、IT運用保守プロセスの変革、BPR*だと捉えています。IT運用保守担当者を受け身の作業者から、判断する側へ引き上げる価値があります。」
*BPR(Business Process Re-engineering):業務プロセスを抜本的に見直し、効率化や品質向上、価値創出につなげる取り組み
日本IBMの堤氏は、企業のDXを支えるIT部門側の、変革の重要性を語ります。
「企業のDXとIT部門のDXは表裏一体です。IT部門がついていけなければ、企業が進めるDXも頓挫してしまう。経営層にも、IT部門が今後どう変わっていくべきかを考えていただきたいです。」
業務部門の利便性を高めるDXの裏側で増え続けるシステムをどう把握し、障害時にどう判断し、誰が見ても同じ事実にたどり着ける状態をどうつくるか。IBM Instanaの活用は、その出発点になります。
IBM Instanaが、属人的な調査や経験則に頼っていた運用を、可視化されたデータをもとにチームで判断する運用へ変革する。その点に、今回の鼎談で語られた「運用保守BPR」の本質があります。

お問い合わせ|まずは課題整理とPoCから第一歩を
「導入とPoCは1~2か月もあれば、効果が実感できます。何から手をつければよいか、どれくらい効果が出るのか分からない場合は、まずワークショップで課題を整理し、その後PoCで、早く試していただくことが重要です。」(NI+C森)
NI+Cは、IBM Instanaの活用を、次のステップで支援します。
- ①ワークショップ 現状の運用課題、障害対応のボトルネック、可視化すべき対象を整理します
- ②PoC IBM Instanaを実際の環境で試し、障害対応や情報共有、工数削減への効果を確認します
- ③定着・内製化支援 導入後の定着および、内製化を目指した伴走支援を提供します
「IBM Instanaは導入するだけでなく、実際に活用いただき、効果を実感いただくことがスタートラインです。当社の伴走支援は、お客様の内製化を目指し、当社の知見やスキルをトランスファーさせていただきます。」(NI+C森)
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IBM Instanaで実現する
運用保守BPR実践ガイド
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