株式会社ポーラ
Treasure Dataを活用した巨大プロジェクトを的確なサポート体制で初期から支える
株式会社ポーラ(以下、ポーラ)は、顧客に対して、従来販売チャネルごとに行なってきたコミュニケー ションから、 「POLAブランド」として継続的かつ高品質な顧客体験を提供することを目指した全社的なコミュニケー ション改革を実行するにあたり、全部門を横断したマーケティング戦略を主幹するCRM推進部を設置。各所に散在していたデー タを集約し、それをマーケティング施策に活かすためのデー タ集約/加工の中心地として、Nl+Cのサポー トのもと、Treasure DataのCDPを活用している。
POLAブランドとしてお客様をおもてなしするために
ポーラは、「最上のものを一人ひとりにあったお手入れとともに直接お手渡ししたい」を創業の思いとする化粧品メーカーだ。高度なカウンセリン グ技術と美容技術を持つスペシャリストによる委託販売事業が主力。同時に力を入れてきた百貨店コーナーやセミセルフ店での対面販売に加 え、近年では時間を選ばずに買い物をしたいと望む顧客が増えたことか ら、ECにも力を入れるようになり、オンラインストア事業も大きく伸びて いる。
こうして、ポーラの顧客は、自分の都合に合わせて、最適なチャネルを選んで必要な商品を購入できるようになった。一方、顧客とのコミュニケーションという視点では構造改革を迫られることになった。多くの顧客が複数のチャネルを使うようになれば、各チャネルの相乗効果が、組織全 体の成長へと結びつくことになる。つまり、すべてのチャネルは最適顧客体験を提供する場として機能することが求められるようになる。
以前は、販売チャネル別に顧客管理およびマーケティング施策立案・実行を行ってきた。その良いところは残した上で、1つのポーラとして、チャネルのまたぎも含む全てのシーンでの顧客の行動を把握し、一貫性のあるコミュニケーションを行えるようにする。そのために不可欠な仕組みとして、チャネル横断型の顧客分析は喫緊の課題になった。
既存のデータウェアハウスは、経営分析に利用するためのデータはすべてそろっており、統計的に有意であるかどうかを含めた精緻な分析を可能にする基盤だ。対して、今回必要になったのは、高度な分析能力ではなく、情報を集約して可視化し、再利用しやすくする仕組みだった。さらに、顧客の行動をリアルタイムに把握するためには、オンラインストアのアクセスログなどさまざまなデータが必要になる。それら既存のデータウェアハウスに入っていないものを含め、すべてのデータを1か所に集める。
集めた後には、それらを利用することになる。現場はそれぞれの業務に最適な視点での分析を求める。マーケティングの実行にあたっては、MA (Marketing Automation)ツ ールが必要になる。そのほか、目的に合わせてさまざまなツ ールを活用したい。データを集めた上で、それぞれのツ ー ルが求めるデータを用意し、引き渡すための土台になってくれる仕組みを求めていたのだ。
Treasure Dataを選んだ理由
システムの選定にあたり、ポーラは複数の候補の中から、最終的にNl+Cの提案したTreasure Dataを採用。Treasure Dataはブラウザ 上のGUIを通してすべての情報を可視化できるため、現場のユ ーザー にIT知識を要求しないソリューションだ。画面操作のわかりやすさ、外部サ ービスやシステムとの接続のしやすさ、他社の活用事例が豊富であることなどを評価した。
Treasure Dataは稼働 した が、それで終わりではない。ニーズに合わせてデー タの中心も姿を変えていく必要があり、やりたい施策が出てくれば、次々に新しいシステム用のデー タマー トを作る必要がある。
同様に、さまざまなベンダーのかかわる別のシステムとの連携は進んでい
る。中でも、現場で広く使われているのが可視化・分析ツールのTableauだ。現場の声に耳を傾けながら、その肌感覚が実際に正しいのかどうかを
検証するために、大いに役立っているという 。ITやデー タについての専門性を持たなくても、業務に対する知見 があれば自分の知りたい条件で、定量的な情報 から現実を把握することができるためだ。これは、現場の声を補強する情報 になることもあれば、そうでないこともある。後者の場合は、現場にさらなる意見を求めることで、新たな気づきが生まれる。
いまでも、チャネル や施策ごとに、別の角度からデー タを眺めたいというニー ズが次々と出てき ている。複雑な処理 が必要な場合はCRM推進部がサポー トするが、現場側で解決できることも増えてきた。それが出来るのは、Treasure Data側でデー タを万全の状態で維持し続けられているからだ。