DX開発

高速開発と運用効率化を両立させるには

DXは進めたいが
「人材やスキル不足で何も手がつけられない」企業はどうする?

人材やスキル不足で身動きが取れない情報システム部門を支援するツールとしてローコード/ノーコード開発ツールが注目されている。さまざまな製品やサービスがある中で自社に適したものを見つけるにはどういった点に注意すればいいのか。

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解決可能な課題

高速開発と運用効率化を両立させるには
DXは進めたいが「人材やスキル不足で何も手がつけられない」企業はどうする?

人材やスキル不足で身動きが取れない情報システム部門を支援するツールとしてローコード/ノーコード開発ツールが注目されている。さまざまな製品やサービスがある中で自社に適したものを見つけるにはどういった点に注意すればいいのか。

 

※当ページの内容は、アイティメディア株式会社の許諾を得て、アイティメディア制作記事を転載しております。

DXは進めたいが「人材やスキル不足で何も手がつけられない」企業はどうする?

経済産業省の「DXレポート」で指摘された「2025年の崖」まで残り少なくなった。ほとんどの企業で「レガシーシステムを刷新する」「クラウドの利用を拡大する」などのデジタル化に向けた取り組みが進められている。

だが、その道のりは平たんとはいかないようだ。DX(デジタルトランスフォーメーション)を進める気持ちがどんなに強くても「そもそも人材やスキル不足で何も手がつけられない」という企業は多い。頼みの綱は情報システム部門だが、「既存システムの保守や事業部門からの要望対応で精いっぱい。改修や開発などとても手が回らない」というのが実情だ。

こうした状況で注目を集めているのがローコード/ノーコード開発ツールだ。専門的なスキルがなくても開発ができ、コーディングミスによるバグが混入する可能性も低いため、限られたリソースの中でシステムの改修や開発を進める上で大きな手助けになる。

ただ、注意点もある。市場にはローコード/ノーコード開発に関連する製品やサービスが溢(あふ)れており、知見がない企業はどういった基準で選べばいいか分からない。導入した後で不明点があったときに助けてくれるサポートも必要だ。こうした注意点に気をつけつつ、ローコード/ノーコード開発ツールを導入するにはどうすればいいのか。有識者に話を聞いた。

情シスのリソース不足を解消する開発ツールの条件

レガシーシステムへの対応と新しいシステムの導入の両方に対応しなければならないため、情報システム部門は多忙を極めている。そう語るのは日本情報通信の山口氏(エンタープライズ第二事業本部 第二プロジェクト部 第四グループ グループ長)だ。

「『2025年の崖』という言葉からも分かるように、レガシーシステムを使い続けることの限界が近づいている。だが、レガシーシステムの詳細を知っている社員は退職などでほとんど残っていない。仕様を確認するところから始めなければならないため、刷新にかかる労力は非常に大きい。その上で、情報システム部門はDXの取り組みも進めなければならない状況だ」

こうした背景もあり、ローコード/ノーコード開発ツールに注目が集まっていると山口氏は分析している。少ない人員で多くの課題に対処しなければいけない情報システム部門にとって、ローコード/ノーコード開発ツールの“すぐに作れて簡単に直せる”という点は、大きなメリットになる。もちろんレガシーシステムの全てを一気に刷新することは非現実的だが、一部の機能を切り出し、ローコード/ノーコード開発ツールで作り替えることは簡単だ。

「レガシーシステムを運用している企業の中には、事前処理として表計算ソフトウェアのマクロ機能を使っているなど現場で作った独自の仕組みで対応している場合もある。しかし、その仕組みを作った担当者がいなくなったときに、誰も管理できない状態になる。そうした独自の仕組みをローコード/ノーコード開発ツールで作り替えることで、属人化を解消し、仕様を明らかにできる」

新たなシステム開発においてもローコード/ノーコード開発ツールは有用だ。ローコード/ノーコード開発ツールを使えば「まずは作ってみて、駄目なら修正する」という作業が短時間でできるため、「小さく作って、改修を繰り返しながら完成形に近づける」というアジャイル的な開発が可能になる。

「業務に必要な機能を高頻度で開発するのであればローコード/ノーコード開発ツールが最適だ。スピード感を持って開発し、そのまま塩漬けにしないことが重要だ」と山口氏は指摘している。

「システムを作り直す」のではなく「システムを作り替える」

ここで注意したいのは、全てのシステムの開発にローコード/ノーコード開発ツールが適しているわけではないということだ。やってしまいがちな間違いとして、山口氏は「現行のシステムをそっくりそのままローコード/ノーコード開発ツールで再現すること」を挙げる。ローコード/ノーコード開発ツールは、基本的には用意されたパーツを組み合わせることでシステムを開発する仕組みなので、「一つ一つの操作やデザインに対する要件が厳しいシステムには向いていない」と山口氏は指摘している。

「システムの内容に関わらず、新しい開発手法で現行システムを再現することの難易度は高い。全く同じものを作るのではなく、標準化できる部分はないかどうかを検討し、長期的に使っていけるものに変えていくべきだ。インタフェースをCUI(Character User Interface)からGUI(Graphical User Interface)に変更する、Web標準を意識したシステムにするなど、無駄を省いてなるべくシンプルに作り直すことで、その後のメンテナンスが容易になるというメリットもある」

ではどういった開発がローコード/ノーコード開発ツールに向いているのか。山口氏は向いているシステムの特徴として「画面に入力項目を設けて入力させる」「単純な情報を検索したり表示させたりする」「項目や処理を頻繁に変更する」などを挙げる。逆に向いていないのは「バッチ処理やデータ連携など裏側で動き続けるシステム」だという。

注目されるローコード開発プラットフォーム

前述したように市場にはさまざまなローコード/ノーコード開発に関する製品やサービスがあるが、その中でも日本情報通信は「Mendix」に注目している。Web上で“機能のパーツ”を組み合わせて開発するローコード開発環境と、エンジニアが使うIDE(Integrated Development Environment)と連携して開発を支援するノーコード開発環境を利用できる。

開発プラットフォームという位置付けなので、開発支援だけでなくアプリケーションのデプロイや運用、監視といった開発ライフサイクルに関する機能を備えている。オンプレミス、クラウドの両方に対応しており、「開発ではクラウドを使ってもいいけれど、稼働させるのはオンプレミスだ」といった企業の方針であっても利用可能だ。

「ローコード/ノーコード開発ツールの中にはクラウドでしか使えないものもあるが、基幹系やその周辺のシステムをクラウドに置きたくないという企業はある。Mendixであればオンプレミスでも使えるため安心だ」

Mendixはコラボレーションの面でもメリットがある。情報システム部門とユーザーをつなぐ機能が充実しており、要件を管理したり開発者にフィードバックしたりできる。山口氏はこれらの機能のメリットを「現場では対応が難しい難易度が高い開発においては情報システム部門の支援が必要だ。こうした機能があれば、情報システム部門は現場の意図を正確に認識しつつ、開発や運用ができるようになる」と説明している。

Mendixを使った開発を専門チームでリード

日本情報通信は2020年からMendixの取り扱いを開始、2021年には国内の正規代理店として、本格的に企業への販売を進めている。日本情報通信の顧客のある専門商社は、基幹システムに関するアプリケーション開発にMendixを利用している。「その企業は基幹システムと連携しながら、フロント部分をモダンに変えることで作業性を向上させた。今後はさらに他のアプリケーションもMendixで開発する計画を立てている」と山口氏は言う。

最近では社外との情報の共有にMendix(で開発したシステム)を利用する企業が増えているという。従来は表計算ソフトウェアのファイルをメールに添付して送っていた業務をシステム化することでセキュリティやガバナンスを強化するのが目的だ。

「単純に表計算ソフトウェアを使った運用をやめてシステム化するだけであれば、もっとシンプルなツールもある。しかし、長期的な利用を考えると、Mendixの拡張性や生産性が際立ってくる」

山口氏によると「ローコード/ノーコード開発に興味があっても具体的にどのように導入するのか、どの部分に利用できるのかが分かっていない企業が多い」という。そういった企業に対して、日本情報通信はSIerとしての開発経験を生かし、課題へのアプローチ方法や最も効果的なローコードの適用方法などを顧客と一緒に検討し、開発を支援する。単にツールを提供するだけでなく、内製開発を支援する伴走型のサービスも提供している。

例えば、MendixはUI(User Interface)やドキュメントは全て英語表記になっているが、日本情報通信は日本語でのサポートや開発者への支援、国内での勉強会などを実施している。スモールスタートでローコード/ノーコード開発のメリットを実感できる導入プランも用意している。

ビジネスは急激に変化し、情報システム部門の負荷は増すばかりだ。しかし、現状のシステムを維持するだけでなく、新しい開発に挑戦してみたいと考えている情報システム部門は多いはずだ。これを機にローコード/ノーコード開発を試してみてはどうだろうか。

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