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マーケティング導入事例

株式会社朝日新聞社

創刊140周年を迎えた巨大メディア企業がデジタルマーケティングに本腰

取材日:2019年8月

株式会社朝日新聞社(以下、朝日新聞社)が、デジタルマーケティングへの本格的な取り組みをスタートさせた。NI+Cの提 案したマーケティングオートメーション基盤を採用し、各事業部門がそれぞれの事業領域に応じたセグメントに対し、メール配 信など独自のアプローチを展開。顧客理解を深め、「適切なタイミングでの適切なアクション」に磨きをかけようとしている。

各部門に分散する顧客情報を統合

デジタルマーケティングの推進にあたり、朝日新聞社がもつ顧客との接点 を三つに大別した。日々配達される『朝日新聞』を購読している読者、「朝日 新聞デジタル』とはじめとするデジタル媒体のユーザー、そして展覧会やスポーツイベントに足を運んでくださるお客様だ。これらのデ タは各部門に分散しているため、まず、統合を進めた。同社の新聞、出版刊行物は、朝日新聞サービスアンカー(以下ASA)と呼ばれる新聞販売店が読者に販売しており、日々配達・集金業務を行っている。全国約4,600 カ所を数える ASAは、新聞社と契約を結ぶ事業主(一部販売会社を除く)で、顧客管理 もそれぞれのASAで行っている。顧客データベースの構築に当たっては、まず、ASAにデータベースの共同利用グループに参画してもらい、新聞社と 購読契約内容などASAが有するデータの共有をはじめた。新聞販売店は地域密着の商売であり、従来から購読契約内容はもとより、世帯の様々な 情報を深く持っている。マーケットの変化に対応するため、従来の顧客情報にデジタルマーケティングを組み合わせることで、更なる読者理解を深める施策を展開している。

また複数のデジタルメディア事業については、それらを利用する顧客のため に無料の「朝日ID」を用意している。顧客は、この共通IDを使って、「朝日新 聞デジタル』や『論座』などの利用契約をし、コンテンツを読む。たとえば『朝 日新聞デジタル」のシンプルコースを契約すれば、月額980円で有料記事 を月に300本までお得に読むことができる。これらの顧客ID情報をもとに進めていたマーケティング手法を全社で共有する基盤が求められていた。

さらに、イベントの参加者/来場者も大切な顧客だ。イベントを主幹する部門では、新聞の契約者とデジタルの読者への告知だけでなく、過去にイベントに参加してくれた顧客にアプローチしたいという希望があった。顧客データとして適切に管理し、顧客を深く知ることで、顧客個人が興味を持っているイベントだけに絞って案内をメール配信するなど、さまざまな施策がかんがえられた。

顧客のセグメント化を可能に

まず顧客のセグメント化からスタートすることにした。Arm Treasure Data CDP(以下、Treasure Data)を契約し、これまで蓄積した情報をすべてTreasure Data上で管理する。頻繁に開かれるイベント参加者の情報も、Treasure Dataに登録する。それにあたって、これまで蓄積されてきた数百万件に及ぶ顧客情報もクレンジングし、Treasure Data で管理できるようになった。

次に必要になるのは、マーケティングオートメーションの仕組みだ。そこで同社は、Treasure Dataへの深い知見を持ち、Treasure Dataでセグメント化された情報を使って確実に顧客ヘメール配信できるソリューションの導入と運用を任せられるパートナーを選定することになった。5社の提案を比較し、Nl+Cの提案を採用。それは、Acoustic Campaignを軸とした提案だった。

Nl+Cは、Acoustic Campaignの機能や操作方法の説明だけでなく、Treasure Data側との連携について深い部分まで的確にサポートした。

顧客を深く知り、適切なアクションを、適切な個人に

1.MAプロセスの実装
朝日新聞を購読するきっかけの1つに、子どもへの教育や受験対策がある。そこで、試読サービスの申し込みフォームにて簡単なアンケートを実施することにした。アンケート結果をもとに該当する申込者をセグメント化し、試読期間中のフォローメールのクリエイティブを、教育にフォーカスしたオリジナルなものに切り替え出し分けできるようにした。これにより試読から本契約に至る割合の向上を目指している。
そのほか、「朝日新聞デジタル』を契約してくださったお客様に、まだ熱の冷めないうちに自動的におすすめ有料記事案内メールを送るなど、複数の部門のマーケティングオートメーションプロセスが実装されている。

2.部門独自の施策をサポー ト
2019年1月に新規メールマガジン『Arts & Culture』を創刊。アート関連記事と展覧会情報、プレゼント情報などを配信する内容で、月に1度配信する。当初は1万 4,000件からのスタートで、8月末時点の購読者数はほぼ倍増した。マーケティング本部は当初のレクチャーにかかわったが、いまは催事部門がAcoustic Campaignを使ってHTMLメールを自ら作って配信している。
このように、現場のアイデアをすぐにデジタルマーケティング施策として実行できる環境が整った。現在、Acoustic Campaignを活用しているメー ルマガジンは10を超えている。

3.新たな試み
朝日新聞社は、顧客を深く知り、適切なアクションを適切な個人に対して実 施することへの一歩を踏み出した。すでに、新元号「令和」発表の号外紙プレゼントや、「全国高等学校野球選手権大会100回史」の販促など、まず興味をもつ顧客をさぐり、セグメンテーションしたグループに対して案内した。こうしたキャンペーンも増えつつあり、デジタルマーケティングは社内に浸透してきている。メールマガジンやキャンペーンメール送付の際に、A/Bテスト を実施して件名をより良いものに変更するなどの文化も根付き始めた。

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