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山口東京理科大学

山口東京理科大学は、薬学部の実習に「Google Glass」を導入。コロナ禍で対面学習の実施が難しい中でも、効果的な実技指導をする方法を検証している。スマートグラスは組織にどのようなメリットをもたらすのか。事例から探る。

取材日:2022年12月(転載元:TechTargetジャパン)

スマートグラスを指導に生かす方法
現場実習の臨場感を損なわないためには?

山口東京理科大学は、薬学部の実習に「Google Glass」を導入。コロナ禍で対面学習の実施が難しい中でも、効果的な実技指導をする方法を検証している。スマートグラスは組織にどのようなメリットをもたらすのか。事例から探る。

“こつ”を効果的に伝えるために 「事前実習」で Google Glassを活用

山口東京理科大学は、2018 年4 月に西日本の公立大学として初となる薬学部を開設。山陽小野田市および近隣地域に根ざした薬剤師を育成、輩出するための教育が同学部の特徴で、既設の工学部と共に“ 公立薬工系大学”として地域社会の発展に貢献している。薬学部は6 年制で、1 学年の定員は120 人。在学生は薬剤師免許取得を目指している。1 年次からさまざまな実習を通じてコミュニケーション能力を養成し、研究室配属となる4 年次以降は研究能力を重視した指導を実施する。
薬学部の学生は4 年次の12 月~ 1 月に、薬学共用試験を受験する。これに合格したら5 年次以降に、病院や薬局などでの実務実習が課せられる。同学部では、実地試験を含む薬学共用試験対策と、その後の実務実習に向けたスキル習得を目的として、独自に週3 日の「事前実習」を試験の直前約3 カ月間実施している。この事前実習にGoogle Glassと、クラウド型オフィススイート「GoogleWorkspace」を導入した。

Google Glassを活用した リモート実習の可能性

薬学部がGoogle Glass を導入した狙いはもう一つある。“with コロナ” を意識したリモート実習の可能性を模索することだ。2018年開設の同学部では、第1 期生が実務実習に出る前にコロナ禍は落ち着きを見せ、ほとんど影響を受けなかった。しかし他の大学では2020 年から2021 年にかけて、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の発令のたびに実務実習ができなくなり、中には半分程度しか予定を消化できなかった大学もあったという。実務実習の代わりにレポート提出を課すとしても、参加型・体験型の実務実習でなければ得られない体験、習得できないスキルは幾つもある。将来また同様の事態に直面したときに、リモートで実務実習をするためのツールとして、同学部はGoogle Glass に着目。
2021 年度(令和3 年度)の文部科学省補正予算事業「ウィズコロナ時代の新たな医療に対応できる医療人材養成事業」に採択され、Google Glass 導入に至った。

従来型授業よりも臨場感を伝えられるGoogle Glassの映像教育

山口東京理科大学薬学部は、事前実習へのGoogle Glass の導入に手応えを感じているという。前述したアンプルカットの実習では「アンプルカットする人物の視点で動作を確認でき、分かりやすい」「アンプルのポイントマークや折った断面、注射針の先など、細かな部分も大型スクリーンに投影されて見やすかった」「全員が自席に座ったまま教員の手元を見ることができる」など、学生の好評を博していた。
薬学部は、Google Glass が教育にもたらす効果の検討を進めている。手順は次の通りだ。まず学生全員に実習書の説明を読んでもらい、その段階で自身の理解度を4 段階評価してもらう。次に、片方のグループにはGoogle Glassを用いた教員視点の映像を見せ、もう片方のグループには従来型の写真付きスライド資料を見せる。結果、実習書の説明が十分に理解できなかった学生のうち、スライドを見たグループよりも、Google Glassの映像を見たグループの方が、理解度の改善傾向が確認できたという。

導入支援サービスとともにGoogle Glass活用プロジェクトを推進

NI + C は、Google Glass とGoogle Workspace、Google のクラウドサービス群「Google Cloud」の取り扱いも含めて豊富な知見を有している。NI +C は顧客の課題やGoogle Glass の導入状況などを踏まえて、中長期的な利用計画の策定とシステムの構築を実施する意向だ。

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