
株式会社カオス
勤怠・人事労務に続く“最後のピース”。Smart Go®とfreee会計の連携で、カオス社が目指すバックオフィス業務の完全自動化

勤怠管理や人事労務のDXをfreee製品で進める株式会社カオスにとって、交通費精算だけは手作業が残る、いわばバックオフィス自動化の“最後のピース”でした。この課題を解決すべく導入したのが、Suica利用履歴を取得できるサービス「Smart Go®」です。freee製品群との親和性、そして将来的な「freee会計」とのAPI連携による完全自動化を視野に入れた導入の背景と、検証で得られた確かな手ごたえについて伺いました。
お客様先に常駐してIT環境を総合的にサポートする株式会社カオス。 同社では、勤怠管理や人事労務にfreee製品を活用する一方、交通費精算は手作業が多く残り、従業員と経理担当者双方の負担となっていました。この課題を解決すべく、Suicaの利用履歴を取得できるサービス「Smart Go®」を検証導入。導入の背景とfreee会計との連携による将来的な展望について、経理全般を統括されている代表取締役社長の髙橋 直樹様にお話を伺いました。
【導入前の課題】
- 従業員による交通費と経路の手入力が負担で、申請漏れや入力ミスの原因に。
- 経理担当者は、目視での申請内容チェックと、システム間を連携するためのCSVデータの加工作業に毎月多くの時間を費やしていた。
- 従業員の交通費立替払いが負担となっていた。
【導入後の展望】
- 従業員の手入力と経理担当者のデータ加工作業が不要になり、月間約12時間の工数削減を見込む。
- 交通費データが正確になり、チェックや修正の手間がなくなることで、監査面でも効果を期待。
- 将来的なfreee会計とのAPI連携により、仕訳入力まで含めた完全自動化を実現し、月次決算のさらなる効率化を目指す。
■コロナ禍で顕在化した、交通費精算のアナログな運用
ITのプロフェッショナルとして、お客様のビジネスを技術力で支える株式会社カオス。2025年10月1日時点で60名の従業員が在籍し、そのうち約30名が実費での交通費精算の対象となっています。
同社では、以前から勤怠管理に「freee勤怠管理plus」、人事労務・給与計算に「freee人事労務」を導入していました。しかし、交通費精算のフローには多くの手作業が残っていたと髙橋様は語ります。
「まず、従業員が交通費と移動経路を『freee勤怠管理plus』に手入力します。それを月に一度、経理担当者がCSVで出力し、『freee人事労務』のフォーマットに合わせて手作業で加工して、インポートしていました。その後、給与計算に反映させて給与と合算で支払い、最後にその給与データを『freee会計』に連携するという流れでした。」
このフローは、従業員と経理担当者の双方にとって大きな負担となっていました。
「従業員にとっては、交通費や経路を手入力する手間がかかり、どうしても入力ミスや申請漏れが発生してしまいます。また、一時的とはいえ立替払いの負担もありました。経理担当者側では、従業員の入力内容を目視でチェックし、さらにCSVファイルを手作業で加工するという手間が発生しており、ミスが許されない給与計算前の逼迫した中で、大きな課題と感じていました。」
特にコロナ禍以降、リモートワークと出社を組み合わせる働き方が増えたことで、この課題はより顕在化。バックヤード業務のDXを進める中で、交通費精算の自動化は急務となっていました。
■決め手は「freee会計との連携」。将来の完全自動化に期待
交通費精算の自動化を模索する中で、同社が選んだのがSmart Go®でした。導入の決め手は、将来的な「freee会計」との連携による完全自動化への期待感でした。
「Smart Go®から出力されたデータをCSVファイルでfreee会計に取り込めるため、現状でも課題はないと考えています。しかし、将来的にAPI連携が実現すれば、CSVファイルを作成・インポートする作業すら自動化できます。手作業が介在すると、どうしてもチェックが必要になりますが、APIで自動連携されればその必要もありません。ミスがなくなるだけでなく、作業が大幅に効率化されることに大きな魅力を感じています。」
導入にあたっては、従業員の個人スマートフォンに会社のモバイルSuicaを入れることへの懸念もありました。しかし、髙橋様ご自身がモバイルSuicaを初めて使ってみたところ、導入は非常にスムーズだったと言います。
「正直、導入は難しいのかなと思っていましたが、実際にやってみるとそれほど手間ではなかったので、従業員の導入もスムーズに進むだろうと感じています。従業員からも前向きな声が聞かれており、積極的に取り組んでくれています。」
■月12時間の工数削減と「正確性向上」という最大のメリット
2025年9月から検証導入を開始し、10月からの本格運用を控える同社。髙橋様は、検証段階ですでに大きな手ごたえを感じています。
「Smart Go®を実際に使ってみて、まず従業員が行っていた手入力がなくなることが非常に大きいと感じています。経理側でも、これまで行っていたCSVデータの加工作業が不要になります。従業員側と経理側、双方の手間が省けることを実感していますね。」
同社の試算では、Smart Go®の導入により、従業員の申請時間(月間合計450分)、経理担当者のチェック・修正依頼(月間150分)、CSV加工作業(月間120分)を合わせて、合計で月間720分、時間にすると12時間もの工数削減が見込まれています。
しかし、髙橋様は「時間以上に、正確性が上がることの方がメリットは大きい」と強調します。
「手作業がなくなることで、ミスがなくなり正確性が格段に上がります。これにより、修正のやり取りなどもなくなり、監査的な面でも効果が期待できると考えています。これが一番のメリットですね。」
■“隙間”を埋め、バックオフィス業務全体のDXを加速
今後の展望として、髙橋様はfreee会計とのAPI連携の実現に改めて期待を寄せます。また、現在は対象外としている定期券利用者への対応や、オートチャージ機能の実装など、さらなる活用の幅が広がることも期待しているとのことです。
最後に、同じように交通費精算に課題を抱えている企業へ向けて、メッセージをいただきました。
「弊社では、勤怠管理や人事労務のツールとしてfreeeを導入していましたが、交通費の実費精算だけは自動化できず、手作業が残ってしまっていました。Smart Go®は、その“隙間”の部分を埋め、自動化を実現してくれるサービスです。従業員と経理担当、双方の手作業がなくなること、そして何より正確性が格段に増すことに非常に期待しています。」
交通費精算という、多くの企業にとって共通の課題を解決し、バックオフィス業務全体のDXをさらに加速させる株式会社カオス。Smart Go®の本格導入が、同社の生産性向上に大きく貢献することは間違いないでしょう。