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運用効率化導入事例

第一生命情報システム株式会社

「保険」を支えるシステム運用の品質向上を目指し、ITIL®準拠の業務効率化ツール「RESSO®」を導入 管理情報間の相互連携により、運用プロセスの標準化を実現

  • l社内組織間でバラバラな運用プロセス、ツールも林立
  • l運用プロセスによこ串を刺し、標準化が必要
  • l認証規格「ISO20000」の取得、および維持
  • l管理情報間、および日常業務とのスムーズな連携

品質向上への取り組みが、「保険」システムを変える

第一生命情報システム株式会社(以下、第一生命情報システム)は、第一生命グループの戦略会社としてシステム・ソリューションと事務サービスを中心に業務を行い、中でも第一生命コンピュータ事業は「保険システム」「業務システム」「基盤システム」という3つの分野を幅広く担当し、第一生命の保険ビジネスを支えています。お客さまの一生涯をサポートする「保険」という商品を支えるシステムの開発・運用・管理において、日々の品質向上活動は欠かすことができません。内部統制管理部で品質監理グループ長を務める白石氏は、品質向上への取り組みについて「まずは開発プロセスの標準化からスタートし、SW-CMM※をベースに開発標準を作り、全社に定着させました。

続いて運用プロセスの標準化を目指し、ITILをベースとした運用標準を作り上げるため、課題解決への取り組みを2005年より始めました」と語ります。しかし、その取り組みは容易なものではありませんでした。

※ SW-CMM : ソフトウェアプロセス成熟度モデル。ソフトウェア開発のプロセス改善のために利用される指標

内部統制管理部
品質監理グループ長
白石 則之 氏

内部統制管理部
品質監理グループ チーフ
石井 京子 氏

ITILベースの運用プロセス確立に、標準化支援ツールの必要性

当時の状況を内部統制管理部 品質監理グループのチーフ 石井氏は「第一生命コンピュータ事業と外販事業全体で30組織に分かれており、それぞれがExcelやNotes DBなどを使ってインシデント管理を行っていました。その結果、運用プロセスもバラバラでツールも林立していました」と語り、さらに「故障に関するインシデント・データは創業時からの蓄積がありました。また変更管理やお客さまからの依頼などを管理するツールもありましたが、さらなる品質向上を目指すには、ITILが提唱するように、互いがリレーションを取り合い、運用プロセスによこ串を刺し、標準化できるツールの必要性を強く感じていました」と当時を振り返ります。こうして運用プロセスの標準化を目指したツール探しが始まりました。

日常業務との連携はもちろん、導入期間、コスト面でも評価

  • ITIL準拠のNotesベース
  • 柔軟なカスタマイズ

今回、RESSOが採用された理由の1つにLotus Notes /Domino(以下Notes)をベースにしたITIL準拠ソリューションであることが挙げられます。基盤システム第一部 オープン技術グループでコンサルタントを務める水沼氏は「ツールを選定する際に、人の情報(ID情報)管理をどうするかということは重要な要素でした。日常業務でNotesを使用している弊社にとって、業務プロセスのツールを利用する上で新たなID情報の管理が不要でNotesのID情報を活用できることは、導入期間や運用面・コストの面で優位性がありました」と選定理由を語ります。また白石氏の「全社的な運用プロセスの標準化を目指していますので、部署や業務内容の活用レベルに応じて柔軟、かつ容易に利用できる」ことも大きな決め手でした。

基盤システム第一部
オープン技術グループ
コンサルタント
水沼 克江 氏

システム内容

スモール・スタートからのステップアップで無理のない導入

  • 管理情報間の密接な連携
  • 豊富なレポート機能

RESSOはNotesをベースに「インシデント管理」「問題管理」「変更/リリース管理」「構成管理」という4つのシステムが互いに連携することで運用プロセスの効率化・標準化を図るシステムですが、第一生命情報システムでは2007年6月に導入が始まり、10月には実運用スタートと、カスタマイズも含め非常に短期間で導入が完了しました。

水沼氏は「弊社が既にNotesを利用していたため新たにサーバーを構築する必要がなく、特定部署からスモール・スタートで始め、徐々に適用範囲を広げていくことができるRESSOの柔軟性も短期導入を可能にしたと思います」とその成功要因を説明します。
翌年2月には「ISO20000」の審査も控え、運用プロセス標準化への本格的な取り組みがスタートしました。

導入効果

  • 違和感を最小限に抑えて、Notesベースで社内ツールを統一
  • ITIL準拠の効率化支援ツールにより、運用プロセスの標準化を実現
  • RESSOの生情報活用で「ISO20000」規格をスムーズに取得・維持
  • システム連携による管理情報間リンクやセット検索で効率化、品質向上を達成

管理情報間の相互リンクにより、運用プロセスの標準化を実現

RESSOの特長の1つはシステムをよこ串で見ることのできる情報連携です。登録されたインシデントで問題が発生すると、そのインシデントは「問題管理」にエスカレーションされます。これによりインシデント管理と問題管理が連携処理され、後からセットで検索が可能となります。さらに「インシデントや問題として記録した情報をExcelに抽出・出力できるカスタマイズを行いました。その結果、同一インシデントの発生状況や関連する変更情報の進捗も管理できるようになり、日常業務の可視化が進みました。同じような事象が繰り返し起これば、根本対策への対応も遅滞なく実施することができ、また対策の優先順位決定にも非常に有効です」と水沼氏は語ります。同様に変更管理と構成管理もセットで連携処理され、チェック機能が働くことで、システム変更に伴う構成情報の更新も確実に実行されるようになりました。

「それぞれの情報がリンクされることで運用プロセスによこ串を刺し、標準化を図るという当初の目的を達成することができました」と白石氏は評価します。

RESSOの生情報で、認証規格「ISO20000」の審査もクリア

また、いち早くシステム運用の認証規格「ISO20000」を取得した第一生命情報システムですが、その審査においてもRESSOは大きな役割を果たしています。認証取得の事務局も務める水沼氏は「審査の際もRESSOの文書を記録として、画面を直接お見せしています。インシデント管理や問題管理の状態をそのままご覧いただき、変更の履歴がどのように管理され、それがどう構成情報に反映されているのかなど、生の情報で審査していただいています。そのため審査時に文書や記録を用意する必要はありません。またITIL準拠のRESSOを使用して日常業務を行っているので、『ツールを使うことでプロセスの意識付けが定着していますね』と審査員の方にお褒めのコメントもいただきました」と導入のメリットを語ります。

今後の展望

さらなる品質向上に向け、ナレッジの有効活用などに期待

  • アーカイブ機能の拡充
  • ナレッジの有効活用

今後の展開に関し石井氏は「現在9組織、約400名が日常業務に使用していますが、今後は徐々にその範囲を広げていきたいと思います。そのためにはアーカイブ機能の拡充を図っていく予定です」と話します。またRESSOの新たな可能性について水沼氏は「弊社におけるインシデントの定義は、故障情報に限らず、お客さまからの問い合わせ、管理者間の質問やメーカーへの依頼など多岐に渡ります。そうしたインシデントの発生と、その後の問題解決を共有することがナレッジの蓄積につながります。今後は、蓄積されたナレッジをどのように有効活用していくのかが課題であると共に非常に楽しみな部分でもあります。その分野においても日本情報通信の提案に期待しています」と展望を語り、さらなる品質向上を目指し、早くも次なるステージに向けて目標を定めています。

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