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アナリティクス導入事例

株式会社ポーラ・オルビスホールディングス(Amazon Redshift 導入事例)

クラウドサービスによる高速で柔軟なデータ分析基盤の実現

取材日:2024年9月

株式会社ポーラ・オルビスホールディングス(以下、ポーラ・オルビスホールディングス)は、既存のDWH更改を検討。オンプレミスデータウェアハウスの性能をそのままに、継続的に増大するデータを迅速にビジネスに反映するためよりセキュアで柔軟なAmazon Redshiftにデータ分析基盤を移行した。
ポーラ・オルビスホールディングスのビジネスの課題を解決し、NI+Cの移行ナレッジを活用し、数千のアプリケーションを短期間に移行した事例を紹介する。

課題と解決

ポーラ・オルビスホールディングス様のIT課題とその解決

▼ITニーズ・課題
・原稿DWHのサポート終了
・全社的なクラウド化方針への転換
・現行DWHの性能を継続
・業務のダウンタイムを最小にとどめる移行計画

▼ビジネス課題
・現行DWHサポート終了に伴う現行業務の継続
・迅速な分析に向けた効率的なシステム基盤強化
・情報系としてよりセキュアで柔軟な情報連携
・継続的に増大するデータに対処する柔軟な基盤

▼解決方法
・クラウドデータウェアハウス(Amazon Redshift)の採用によるスケーラブルな分析基盤の導入
・AWSサービスによる柔軟なデータ連携基盤の構築
・データ・アプリケーション移行サービスの活用による迅速かつ高品質な移行

お客様一人ひとりに価値を届けるデータHUBとしての分析データ基盤再構築に向けて

ポーラ・オルビスホールディングスでは、オンプレミスのデータウェアハウスを分析基盤の中心として運用してきた。オンプレミスのDWHではリソースが限られているため、計画的なデータ管理を考慮する必要があった。

データ追加時のデータ量や増加するユーザー数に対応するパフォーマンスの検討など、CX向上の意思決定につながるデータ準備と活用の検討には多大な時間を要することが課題となっていた。また、周辺システムがクラウドサービス化していく中で、既存のデータ連携の枠組みに合わせたデータ加工や連携処理の検討にも頭を悩ませていた。

「データ増加に柔軟に対応可能な基盤」「クラウドサービスとのよりセキュアで柔軟なデータ連携」「運用コストの最適化」を実現するべく、データウェアハウスの更改を期にAmazon Redshiftを軸としたデータ分析基盤への移行を決断した。

クラウドサービスによる高速で柔軟なデータ分析基盤の実現

Amazon Redshiftを導入した結果、データ準備に要していた時間やSQLの処理時間を30%削減することに成功した。これにより、ポーラ・オルビスホールディングスは既存の分析業務アプリをそのまま活用しつつ、分析基盤の高速化を実現した。
分析業務にかかる時間を大幅に短縮することでさらに多くの分析業務を実行できるようになり、顧客体験の向上やDX施策など、新たな価値創造に向けて動き始めている。
また、ポーラ・オルビスホールディングスでは他のシステムも順次AWS環境に移行。必要なデータを迅速に活用できるよう、TransitGatewayの活用やS3サービスを利用した新たなデータ連携の仕組み作りを進めてる。
これらクラウドサービスの保守性や拡張性を活かし、これまでリソースの制約により実現が難しかったビッグデータの活用や柔軟なデータ連携を実現。ポーラ・オルビスホールディングスのデータ活用を加速させている。

ポーラ・オルビスホールディングス Amazon Redshift 構築環境

数千超の既存プログラムをわずか2か月間で移行できた理由とは

ポーラ・オルビスホールディングスでは数千を超えるETLスクリプトやテーブルなどのエンティティ、既存データを保有。迅速な業務切り替えを行うためにはこれらの資材をより短期間で高品質に移行することが必要であった。

NI+Cはこれまでの知見とAWSのSchema Conversion Toolを活用し、アプリケーションをAmazon Redshiftに対応したSQLへの変換や、エンティティの移行といった移行作業の多数を自動化することに成功。大規模なアプリケーションをわずか2か月で移行することを実現した。

1.ポーラ・オルビスホールディングス様 Amazon Redshift 構築環境

2.ツール活用により移行コストを大幅削減

3.わずか2カ月で移行を実現

導入効果

分析パフォーマンスの向上

これまで既存DWHで行っていたデータ準備や分析にかかるクエリ処理を平均30%短縮し、データ活用にかかる時間を削減。新たな価値創造を行うための稼働確保に成功した。

分析パフォーマンスの向上

運用コストの低減

HW故障など年に3回程度発生していたメンテナンス作業やHWのダウンタイムが改善し、安定した業務継続と保守作業にかかるコストを削減。また、再生可能エネルギーを積極的に活用するAWS環境へのクラウド化はポーラ・オルビスホールディングスの進める脱炭素の取り組みにも寄与した。

運用コストの低減

柔軟なインフラ

クラウドによる柔軟なインフラはデータ拡張やデータレイク構築も容易となり、日々増加するデータやビッグデータへの取り組みといったチャレンジが可能となった。

柔軟なインフラ

アジリティの向上

他システム間との接続にTransit Gatawayによるセキュアで柔軟な接続を可能とし、NW構築などのリードタイムを大幅に減少。迅速なデータ連携とS3やデータ共有といったAWS間の柔軟な連携を可能とし、欲しいデータを迅速に活用することを可能とした。

アジリティの向上

今後のポーラ・オルビスホールディングスの展望

ポーラ・オルビスホールディングスでは事業会社・部門を横断して「クラウドを活用したビジネス価値の最大化と新たな可能性の追求」に取り組んでいる。Amazon Redshiftへのデータ集約は、クラウドサービスとの柔軟でセキュアな連携やサーバレスを活用したモダナイゼーションを実現。新たなHUBとして分析業務分野への活用、運用コストの最適化など、ポーラ・オルビスホールディングスのDX推進を支えていく足がかりとなる。
クラウドの持つスケーラビリティとアジリティを活かし、データドリブンな意思決定を迅速かつ精度高く行うことが可能となり、これにより市場の変化に柔軟に対応し、顧客満足度の向上や新規ビジネスの創出が図れる。最新のAI・機械学習技術を取り入れることで、予測分析やパーソナライズされたサービスの提供が実現し、競争優位性の確立に寄与することが可能となる。ポーラ・オルビスホールディングスのクラウドの可能性をNI+Cは今後も支援する。

ポーラ・オルビスホールディングス様からのコメント

弊社でも昨今のDXの波を受け、データの増え続けるDWH環境更改先として、既にグループ内他社で実績のあったAmazon Redshiftをご提案・導入いただきました。

数多くのテーブルやスクリプトがありましたが、他社での実績を活用いただき、ほとんどトラブルなく移行できました。
また、DWHとしての利用ということもあり、多数の対向システムとのデータ連携を抱え、連携方式も複数採用されておりました。そのため対向システムごとに移行作業の調整が必要でしたが、各ケースに合わせた移行方式を設定、個別に対応いただき、短期間で大変スムーズに作業を進めることができました。

他方、一部のデータ連携で思うようなパフォーマンスが上がらなかったことがありましたが、柔軟に連携方式を変更して解決いただくなど、対応力も申し分ないものでした。

移行後も様々なデータやシステムとの連携追加が続いており、大容量かつ高速なデータ基盤としてマーケティング業務に力を発揮しています。現在ではさらに、複数の事業・システムをつなぐデータHUBとしても重要な仕組みを担っています。今後も、弊社グループの重要なDX基盤としての活躍を期待しております。

NI+C担当PMより

オンプレ環境からAWS化した現在、夜間基盤障害が減少し安定したシステム運用となっています。コンソールを用いた各種リソース状態やデータ分析状況のチェックなど迅速な保守運用も行え運用効率が向上しました。各種周辺システムのAWS化に伴い、他システムとのデータ連携についてもS3経由でのセキュアな連携が実現され、AWS設定のみで完結したシステム化が図られ、迅速かつ効率的に実装実現が行えています。

今後はAmazon Redshiftを中心に、各種AWSサービスで構築されたデータ分析基盤が、 ” ポーラ・オルビスホールディングス様にとってのHUBシステム ” となるよう、引き続きAWSサービスを活用したご支援の強化を図ります。Amazon Redshift上に集約・蓄積された膨大なビジネスデータを高速に処理し、日々のポーラ・オルビスホールディングス様の分析業務や各種周辺システムへも引き続き提供してまいります。

ポーラ・オルビスホールディングス様のお客様が多様化する中で、ポーラ・オルビスホールディングス様のおもひ、私たちのおもひを、AWSを中心にカタチにできるよう考え、創造し、ポーラ・オルビスホールディングス様と一緒に将来発生しうる様々なビジネス課題やITニーズを迅速に解決できるよう歩み続けていきます。

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