
APM監視運用のIaCによる省力化/自動化事例
【自社事例】TerraformでAPM監視運用を自動化。設定工数を最大70%削減し、大量の緊急変更にも当日中の対応を実現。 手作業による属人化とミスを排除し、品質の均一化と運用スピードの向上を両立する強固な運用体制を構築。
導入背景

NI+Cでは、自社が提供するMSPサービスの監視高度化を背景に、APM監視運用サービスの提供を開始しました。しかし、サービスの展開に伴い監視設定の工数が増加したため、最小限のチーム構成で最大のパフォーマンスを発揮できる環境が求められました。
そこで、IaC(Infrastructure as Code)を活用して設定作業を省力化し、統一されたテンプレートによる展開や、ユーザーからの申請内容をそのまま自動で設定に反映できる仕組みの構築を目指しました。
課題

膨大な作業量と納期への懸念
数百件規模の設定追加や修正を手動(GUI操作)で行うと多大な時間がかかり、期限内に完了できないリスクがありました。(1件あたり手動設定の場合は5分程度のため、1日1最大100件程度の対応が限界でした。)
ヒューマンエラーのリスク
手作業によるホスト名の変更ミスや、閾値の変更漏れといった設定ミスが発生する不安がありました。
作業の属人化
網羅的な監視設定が継続して発生する中、複数名で分担して作業を行うことが難しく、特定の担当者に負荷が集中しやすい状況でした。
選定ソリューション

Terraform
選定ポイント
- APM機能を提供するツールとして採用していた、New RelicのベストプラクティスとしてTerraformが推奨されており、テンプレートも豊富に用意されていました。
- New Relicの「View as Code」機能により、既存の設定画面からTerraformのコードサンプルを参照でき、設定の変更箇所を容易に確認できた点が決め手となりました。
システム構成イメージ

Excel形式の変更依頼書(APMサービス申請書)を受領後、以下フローで設定を適用します。
| Step1 | Step2 | Step3 | Step4 |
| 入力(Input) | 変更(Convert) | 実行(Execute) | 監視・出力(Output) |
| 変更依頼(Excel)を受領 | IaaSサーバー上で、独自スクリプトを実行 依頼書を .tfファイルへ変換 | Terraform実行 コマンド(init/plan/apply)を自動作成・目視確認後、処理・反映 | APM監視用サービスのダッシュボード/アラート設定完了 |
導入スケジュール
- 検討: 1ヶ月
- 設計・導入・開発・テスト: 2ヶ月 (※現在も継続して改善中)
導入効果
【定量的効果】
- 工数の大幅削減: 手作業と比較して、監視設定にかかる工数を約60%~70%削減しました。
- 当日対応の実現: 手動では不可能であった大量の緊急申請に対しても、当日中に設定対応を完了できました

【定性的効果】
- 復旧の迅速化: 万が一設定が消えてしまっても、Terraformの実行環境から容易に復旧できるため、システム運用における安心感が大きく向上しました。
- リードタイムの短縮: 設定の一括変更が容易になり、サービス提供までのスピードが向上しました。
- 品質の均一化と属人化排除: コード化により事前のダブルチェックが可能になり、設定ミスへの不安が解消されました。また、スクリプトとファイルがあればチーム内の誰でも定型的に作業できる環境が整いました。

今後の展望

現在は専用のスクリプトで変換を行っていますが、今後はこの仕組みを汎用的なスクリプトとして発展させ、他のサービスや運用作業においてもTerraformによる効率化・省力化を展開していく予定です。
最終的には、サービス担当者が直接手を動かすことなく、利用者の申請内容を裏側で自動処理し、「設定登録の完全無人化」を実現することを目指しています。