
IBM Power / IBM i 基盤における IBM Instana 導入による運用高度化の実現
IBM i サーバの運用において、パフォーマンス管理の属人化やレポーティングの手間に課題を抱えていませんか?
NTTインテグレーションでは、自社のMSP(マネージド・サービス・プロバイダ)基盤において「IBM Instana」を導入し、運用の高度化と監視工数の大幅な削減を実現しました。
複数の管理を1つの画面に統合し、見たいタイミングで状況をオンライン把握できるようになった本事例が、皆様のシステム運用のヒントになれば幸いです。【自社事例】
課題

- 既存監視ツールのサポート終了(EOS)に伴い、監視システムの刷新が急務となっていました。
- 従来のパフォーマンス管理ツールは、監視サーバのハードウェア保守やOSアップデートに伴う運用負荷の高さが課題でした。
- パフォーマンス状況の確認は手作業でデータ加工を行う「月次レポート」に依存していたため、リアルタイムでの状況把握ができず、情報閲覧の即時性に欠ける点が大きなボトルネックになっていました。
選定ソリューション

IBM Instana Observability
製品概要
サービスやアプリケーションの性能を管理する、アプリケーションパフォーマンス管理(APM)製品。
クラウドネイティブ アプリケーション・マイクロサービスといった複雑かつ頻繁に変化するシステム環境における、可観測性(Observability)を提供し、 従来の監視では難しい「利用者視点の監視」・「ボトルネックの特定」・「機械学習による予兆検知」を実現。
選定ポイント
これらの課題を根本から解決するため、新たな監視ソリューションとして SaaS型の「IBM Instana」を採用しました。数ある製品の中からInstanaを選定した理由は以下の通りです。

- 運用を身軽にするSaaS提供
- 自社で監視サーバーのインフラ保守を行う必要がなくなり、運用負荷を大幅に軽減できる
- 詳細な可視化の実現
- HMC※1およびVIOS※2のリソース状況が、ブラウザ経由で詳細に可視化できる
- 将来のビジネス拡張性
- 将来的に、当社のMSPサービスをご利用いただいているIBM i ユーザー様への新たなサービス展開が期待できる
- ※1:IBM HMC(Hardware Management Console)は、IBM製サーバー(IBM Power SystemsやIBM Zなど)の運用管理を専用に行うためのハードウェアまたは仮想アプライアンスです。主にサーバーを仮想化して複数のシステムとして扱う「LPAR(論理区画)」の作成・管理、およびシステム全体の監視や制御を集中して行います。
- ※2:IBMのPowerサーバー環境において「VIOS(Virtual I/O Server)」とは、IBM Power Systemsの物理リソースを仮想化し、複数の仮想環境(区画)で共有するための専用オペレーティング・システム(専用LPAR)です。
システム構成イメージ
新たなシステムでは、オンプレミス環境と SaaS 環境を組み合わせた効率的な監視体制を構築しました。本番系および待機系の IBM Power 環境におけるデータ連携の仕組みは以下の通りです。
- 【データの収集】:HMC が VIOS のパフォーマンスデータ(PCMデータ)を5分間隔で自動収集
- 【データの取得】:専用の論理区画に配置した Instana Agent が HMC から上記データを取得
- 【データ転送】:取得したデータを、SaaS 環境(Instana Backend)へ自動でアップロード

【システム構成のポイント】
- 【既存サーバを活用した構成】:Instanaエージェントが IBM Power / IBM i をサポートしているため、別途 IAサーバーを構築する必要がなく、既存サーバー内で完結する構成が可能
- 【エージェントによる自動連携】:HMCのREST APIを活用し、5分間隔でシームレスかつ自動的にデータを収集・連携
- 【フルマネージドな SaaS 監視】:収集したデータは SaaS上のダッシュボードに集約され、場所を問わず安全なアクセスが可能
導入スケジュール

- 検討:2ヶ月
- 設計・導入:2ヶ月
導入効果

プロアクティブな予防保守
VIOSのCPUやメモリ使用量がリアルタイムで可視化され、リソース不足の予兆をいち早く検知できるようになりました。これにより、障害が発生する前に先手を打ったリソース増強が可能になりました。
ネットワーク移行計画への活用
ネットワークトラフィック(通信量・ポート・VLANなど)の詳細が把握可能となり、次期ネットワーク基盤への最適な移行計画(ポート切り替えのタイミングや作業時間帯の選定など)に情報を反映できました。
情報閲覧の即時性向上
必要なタイミングで、確認したい時間帯のステータスを1画面で瞬時に把握できるようになり、運用管理の効率が大幅に向上しました。
まとめ

今後の展望
現在は自社インフラ基盤の監視が中心ですが、将来的には IBM Power / IBM i のパフォーマンス詳細や、プログラムの分析機能の対応状況を見据え、お客様向けの新たな付加価値サービスとしての提供も検討しています。
プロジェクトメンバーの評価
担当したメンバーからは「事前のPoC(概念実証)で充分な検証を行ったことで、本番環境への導入イメージが明確になり、スムーズにプロジェクトを進行できた」との声が上がっています。
導入成果に対する確かな手応え
導入後はリアルタイムなパフォーマンスデータの可視化により、これまで潜在していたリソースの課題が発見できるようになり、運用の高度化において確かな手応えを感じています。
貴社のサーバー運用もInstanaで高度化しませんか?
NTTインテグレーションでは、本事例で培ったノウハウをもとに、お客様の IBM Power / IBM i 環境における運用監視の高度化や効率化を強力に支援いたします。「自社の環境でも同じようなリアルタイムな可視化を実現したい」「監視ツールの運用負荷を減らしたい」とお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
