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マーケティング導入事例

株式会社オートバックスセブン

顧客のリアルなWeb行動に基づいて、 即座にアクションできるマーケティングオートメーション基盤を稼働

取材日:2019年6月

株式会社オートバックスセブン(以下、オートバックスセブン)は、ECサイトにおけるデジタルマーケティング基盤の刷新にあたり、NI+Cの提案を採用。Webサイト上のリアルな顧客体験をトレースするためにIBM Tealeaf(以下、Tealeaf)を採用するとともに、キャンペーンオートメーションツールのIBM Watson Campaign Automation (以下、WCA)を稼働。コンテンツレコメンドエンジン(*)との連携も果たした。

* Rtoaster:https://www.rtoaster.com/

 

ECのデジマ基盤をフルに刷新

オートバックスセブンは、カー用品チェーンの国内最大手企業。1947年に自動車部品卸売業としてスタートし、1974年にオートバックス1号店を開店。以来、フランチャイズ方式を取り入れてビジネスを拡大してきた。いまではセルフガソリンスタンドや、自動車の買い取り、新車・中古車販売、およびカーリースのオートバックスカーズなど、自動車関連のさまざまな事業を手がける一方、新ブランド「WEAR+i(ウェア アイ)」を立ち上げ、IoTを活用した見守りサービスへも取り組み始めている。

その同社が、ECにも力を入れようとしている。ECサイトは長く設置してきたが、全体の売上げにECの占める割合は少ない。メール配信や会員管理、セグメンテーションなど個別機能ごとに異なるアプリケーションを利用し、顧客を簡易的にセグメンテーションすることはできても、パーソナライゼーションには至らないシステムで、拡張性および柔軟性にも乏しいという課題を抱えていた。

顧客のWeb行動をリアルに再現。製品担当者の気づきを生み出す

NI+Cが提案したのがTealeafだった。顧客のWeb行動をリアルに再現できるユニークなツールだ。離脱の原因になりがちな導線の問題を特定するだけでなく、顧客がスムーズに操作できていることの確認にも利用できる。メリットは、顧客が実際に行った画面操作を再現し可視化することで、担当者の気づきを生むことだ。

2018年9月、正式に採用を決定。セットアップとトレーニングを終えてわずか1か月後の11月より稼働した。

導入にあたって気を付けた点の一つは、個人情報をマスキングする処理だった。顧客行動をつぶさに観察できるツールであるが故に、製品担当者に気兼ねなく使ってもらうには、「個人情報のマスキング」を徹底しておくことが重要だった。マスキングを行った結果、広く機能を開放することが可能となり、多くの担当者にとって貴重な気づきを得る機会を提供できた。

運用面ではユーザー教育に力を注いだ。Tealeafは、製品担当者が使いこなしてくれて初めて価値が出るツールだ。セッションの動画をリプレイで再現し、実際に顧客が何を見てどのような行動を起こしたかを体験的に把握することは、だれにでもできるかもしれない。しかし、担当者でなければ出てこない発想や、独自の視点はいくつもある。

オートバックスセブンは、「ムービーナイト(*)」を実施する中で、多くの気づきを得た。Web画面を改善しながら、定性的かつ定量的な測定を行えることを周知し、その効果的な使い方をレクチャー。積極的に使ってもらえる土台を整えた。

Tealeafには、細かな機能が数多く備わっており、“使いこなす”と言えるレベルに達するまでのハードルは意外と高い。NI+Cは、どの機能をどう使うのかといった製品知識に基づく知見の提供に加え、オペレーション面にも踏み込んで、「やるべきこと」、「やらなければならないこと」の線引きも提案。実際に利用する担当者からも高く評価された。

*ムービーナイト:さまざまな部門の関係者(マーケティング部門、EC部門、商品部門、IT部門など)が、定期的に集まって行う意見交換会

デジタルマーケティング基盤を導入し、パーソナライゼーションへの歩みを進める

オートバックスセブンでは、このプロジェクトと同時進行で、デジタルマーケティング基盤としてのマーケティングオートメーションツールの選定が進められていた。比較対象になったのは4社のツールで、NI+CはWCAを使った仕組みを提案した。

一方、ネックになったのは、同社がコンテンツレコメンドエンジンとして利用を始めていたRtoasterとの連携だった。WCAとRtoasterとの連携事例は、それまでに国内で1例もなかった。NI+Cは提案段階から仕様を調べ上げ、問題なく連携できることを提案。
正式採用は11月。12月にキックオフし、翌年2月に稼働させるという強行スケジュールになった。期間の限られる中で、カートに商品を入れたまま離脱した顧客に対してメールを送るなど、以前から備わっていたシナリオを新基盤へと移行。Rtoasterとの連携も果たした。
新たな基盤の稼働により、メール配信におけるパーソナライゼーションは大きく進展した。Rtoasterと連携したことで、購入意欲の高そうな商品をパーソナライズしてメール配信できるようになった。Rtoaster側で持つセグメント情報を切り出し、対象者への一斉配信も可能だ。そして、顧客のメールへの反応は、WCA側に蓄積され、次の配信に活かされる。

稼働後、新たなシナリオも追加した。Webサイトを訪れてタイヤを探す顧客は、自動車のメーカーや車種、年式などの情報を選択・入力し、それに合う商品を探すことになる。顧客が本当に欲しいものは、この段階でわかる。その情報をWCAに渡して、パーソナライズに活用するのだ。実は、これらの情報は会員データベースに入っていないことがある。会員情報は、会員が更新してくれて初めて変更される。そのため、自動車の買い替えや買い増しがあれば、「いま本当に欲しいもの」とのズレが生じてしまうかもしれない。それを改善できるシナリオとして期待されている。

Tealeafの分析でWeb画面を日々改善できるようになった結果、直帰率と離脱率はそれぞれ3%改善。今後、WCAで成果の出るシナリオを追加していくことで、売上面でもジャンプアップを目指す。

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