第2回「IBM Watson日本語版ハッカソン」The Final Roundレポート ~Watsonをより身近に~
投稿者:ソリューション担当
昨年12月に第一回の「IBM Watson日本語ハッカソン」が開催され、私達のチームも参加しましたが、残念ながら途中敗退。今回はそのリベンジを誓い、44チームが応募したアイデアソン、13チームに絞られたハッカソンを戦いぬき、みごと決勝戦進出5チームに選ばれました!!
第1回「IBM Watson日本語版ハッカソン」のレポートはこちらをご覧ください
第2回「IBM Watson日本語版ハッカソン」について詳しくは公式ホームページをご覧ください
本ハッカソンレポートは全2回を予定しております。今回は、The Final Roundレポート編として、アイデアの内容と決勝戦のプレゼンおよび結果をお伝えします。次回はテクノロジー編として、今回使用したWatsonサービスについてお伝えできればと思っています。
前回を振り返り、アイデアを練る
前回のハッカソンで作成した「Know Who」は、既存サービスとWatsonの技術をうまく融合した点は評価の高いポイントでしたが、反面、拡張性発展性に乏しい、既存との違いがあまりなく誰でも思いつく、という厳しい評価も頂きました。それらを踏まえ、今回は次の3点を軸に考えました。
- 今までにないアイデアがあるか、それが”おもしろい”と思えるか
- 誰でも使いたいと思うか、使うシーンが思い描けるか
- ローンチ時から広く稼げる仕組みが考えられるか、将来投資が回収できるか
「りこなび」とは??
“普段の生活や旅行に、ちょっとした発見を。ちょっとした出会いを。何気ない行き先検索。そこから新たな世界が広がります。”
上記は、今回のアイデアソンでアイデアシートに記載した「りこなび」サービス概要の一部です。
皆さんも、目的地には着いたけれども中途半端に時間が余ってしまったり、そのような時いつも同じコーヒーが飲めるチェーン店で時間を潰したりした経験があるのではないでしょうか。このようなときこそ「りこなび」の出番。「りこなび」は、目的地に案内するだけではなく、Twitter等SNSの内容や投稿頻度などからその人の趣味嗜好や現在の状況を判断し、最適なスポットや寄り道を案内する、今までのナビではできなかった「目的地とは違う場所を案内」する、そんなユニークなナビサービスです。今回私達はこれを実現するために、趣味嗜好、状況判断、リコメンドスポットについてWatsonを用いパーソナライズされたリコメンドを行う仕組みを提案いたしました。
決勝戦および結果発表
決勝戦での発表は、各チームそれぞれプレゼン7分質疑応答3分の計10分。その短い時間のなかで、「人々の生活を豊かにする」、「日本語Watsonを活用」したサービスについて、プレゼンのアプリプロトタイプデモを通じアイデアやビジネスモデルなどを審査員や参加者にアピールし理解を得るかにかかっています。
審査対象は、アイデアが30%、ビジネスモデルが30%、アプリプロトタイプが20%、コンテンツ有効性が10%、プレゼン能力が10%とし、優勝となるWatson賞のほか、アイデア賞、ビジネスモデル賞、アプリ賞、コンテンツ賞、プレゼン賞が決定されます。
会場約300名の観戦者が見守る中、別室で行われた審査は接戦となったようで、予定時間を大幅に過ぎての結果発表となりました。私達のチームは残念ながら優勝を逃しましたが、「プレゼン賞」を頂くことができました。
ちなみにプレゼン賞の景品は「Ring」。そう、はめると指先だけでいろんなことができちゃうヤツです!私、結構これ欲しかったのですごく嬉しいです!!さて、どうやって使ってやろうかな。。。。
優勝したのはメディアマートさんの「心臓MRI自動診断支援サービス」。これはWatsonのVisual Recognitionを使ってMRI撮影画像の画像パターンやその解析結果を学習、さらに豊富な経験を持つ専門医師の知見をWatsonのRetrieve and Rankに学習させ、画像診断と所見を支援するというもの。これにより診断にかかる時間を大幅に短縮することが可能になり、結果としてより多くの命を救うことに繋がる、Watsonコグニティブ技術を有効に活用した素晴らしい内容でした。
この他の賞は、コンテンツ賞はCTCさん、アプリ賞はブライトビューさん、ビジネスモデル賞はメディアマートさん、アイデア賞はクレスコさんとなりました、
Watsonをより身近に
「前回のハッカソンと比べて、今回のハッカソンはビジネスモデルをしっかり検討してもらい、実際に社会へWatsonの技術を取り入れていくにはどのような形になるか、ということを考えて発表してもらった。結果いくつもの実現性の高いアイデアが生まれ、投資してみたくなる気持ちになった。今後もこのような機会を設け、盛り上げていきたい。」
これは最後に審査員の方から頂いた講評ですが、私達もこの講評や今回の経験を踏まえ、よりWatsonが身近になる今までにない”おもしろい”アイデアを考え、実際のビジネスとして皆様の役に立つWatson技術を活かしたサービスを生み出して参ります。
【執筆者紹介】水津幸太
ソリューションビジネス本部 ソフトウェアテクニカルセールス部所属。SOA, BPM (IBM WebSphere)を用いた設計開発エンジニア、その後セキュリティソリューション (IBM InfoSphere, Security)エンジニアを経て、現在、アーキテクト兼プロジェクトマネージャーとして様々なプロジェクトを支援しつつ、先進的なソリューションのご提案や仕組みづくりを行っている。ここ最近は、IBM Bluemix, IBM WatsonなどPaaS, SaaSを用いたソリューションを検討中。