Technical Blog テクニカルブログ
  1. HOME
  2. テクニカルブログ
  3. 【IICS】メジャーリリース情報(R43)

【IICS】メジャーリリース情報(R43)

投稿者:粟津玲勇


1.はじめに

日本情報通信の粟津です。

本記事では先月の2023年7月に実施されましたIICSのメジャーリリース(R43)についてご紹介いたします。

1年に3回を目途に実施されるメジャーリリースは、新機能を始め情報が盛り沢山です。
詳細の全量についてはInformatica社が公開する製品ドキュメントにて公開されております。(最下部にドキュメントURLを記載しています。)

一方で、全ての情報に目を通すことはなかなか大変ですよね。
そんな方の為に、本記事ではいくつか気になった新機能をご紹介いたしますので、情報収集の一助となりましたら幸いです。

下記図はこれまでのIICSのメジャーリリースヒストリーです。IICSはこれまで何度もメジャーリリースを重ねることで新機能の追加や機能強化を図ってきています。

図1.IICSメジャーリリースヒストリー


今回のメジャーリリース(R43)では、主に以下のサービスについて新機能や機能強化が発表されました。

  1. Administrator ←①
  2. Connector
  3. Cloud Data Integration ←②
  4. Cloud Integration Hub
  5. Cloud Mass Ingestion
  6. Cloud Application Integration
  7. API Center
  8. Cloud Data Profiling ←③
  9. Cloud Data Quality
  10. Monitor

この内、3つのサービスから新機能をピックアップしてご紹介いたします。


新機能①:EメールによるIPU消費の通知

これまでIICSにおけるIPU数の消費状況の確認は、IICSにログインして管理者サービス内のメータリングメニューから能動的に確認を行う必要がありました。
ジョブ開発やテストを行う中で、気づいたら想定よりIPUを消費してしまっていた!と、ヒヤッとした経験のある方もいらっしゃるかもしれません。
それがこの度のメジャーリリースでは、IICSからEメールによる通知が送られるようになりました。

特に追加での設定は不要で、管理者(Admin)ロールが付与されたユーザーに紐づくEメールアドレスに対して、契約済みIPU数の25%、50%、75%、95%、100%のそれぞれの消費率に達した時点でEメールが自動的に送信されます。

今後は通知するIPU数をユーザ側で設定できたり、Eメール以外での通知なんかもできるようになると更に便利ではないかと思います。

以下は実際にIICSから送信されるメールのサンプルです。25%で通知が送信された例となります。

また、IPU消費の通知については、IICSの画面右上の「通知」からも確認することが可能です。


新機能②:鳥瞰図パネル

本ブログを閲覧して頂いている方の中には、既にIICS上で実際にマッピングを作成されたことのある方もいらっしゃるかと思います。IICSでETL処理を作成するには、Data Integrationサービス内のマッピング作成画面にて、パッパッと数個のトランスフォーメーションを並べて、ピッピッとそれらトランスフォーメーション間を線でつなぐイメージで、GUI操作にて簡単にETL処理が作成、実行できます。

一方で、同じマッピングでも実際に業務で利用するような場合ですと、処理内容が複雑なものについては数十から100個近いトランスフォーメーションを配置し、それらをつなぎ合わせて処理を作成する場合もあるかと思います。
この時、マッピング作成画面の中に全てのトランスフォーメーションの配置が間に合わず、画面スクロールしながら開発をする必要があるのですが、どうしてもマッピングの全体像がイメージしにくい場合があると思います。

それが、今回新機能としてリリースされた鳥瞰図パネルを利用することで、マッピングの全体概要を確認することが出来るようになりました。
マッピングの作成時に本機能を利用することで、作成しているマッピングの全体像を確認しながら開発作業を進められるため、設計との間違いが起こりづらくなり生産性の向上が見込まれます。
また、例えばシステムの運用時には自分以外の開発者が作成したマッピングについての処理内容を確認する必要のある場面があるかと思います。一つ一つのトランスフォーメーションを順に追っていくばかりでは、どうしても全体像が掴みづらかったりしますが、そんな時にも本機能を使うことで処理内容の理解に役立ちます。
元々マッピング作成画面にはズームイン・ズームアウトの機能は備わっていましたが、新機能の鳥瞰図パネルについても是非一度ご利用してみてください。

以下に参考情報として、マッピング作成時の画面ショットを記載します。
キャンバス画面右下に表示される四角いアイコンをクリックすることで、鳥瞰図パネルを展開することができます。

以下は実際に展開してみた鳥瞰図パネルです。
鳥瞰図パネル内の黒い枠線をドラッグすることで、キャンバス画面をスクロールすることも可能です。


新機能③:プロファイリング・タスクのスケジュール作成

IICSのData Profilingは、既存のデータソースの中身をスキャンして、スキーマの定義情報だけでは読み取れない実際のデータのパターンや分布などのサマリ情報を生成してくれるサービスです。データの分析や活用を行う中で、このプロセスはデータプロファイリングと呼ばれます。

IICSでデータプロファイリングを行う際に、データソース等を定義して実行するのがプロファイリング・タスクになります。これまではユーザが事前に定義したプロファイリング・タスクを、ユーザ任意のタイミングで手動実行することが一般的でしたが、この度のメジャーリリースにて、プロファイリングのスケジュール実行が可能となりました。
プロファイリング・タスクを定義する画面内にて、タイミングと頻度を指定することができます。
(※スケジュールを作成するには、スケジュールの作成権限が必要です。)

データプロファイリングは新規に接続または利用するデータソースに対して、データの内容を把握、理解し、後続のデータ分析にて有用な結論や知見を導き出すことを目的として実行するケースが多いと思います。新機能として実装されたスケジュールを用いた定期実行を行うことで、その時その時の断面で得られる情報に加えてデータの変遷や傾向なんかも見えてくるのではないでしょうか。多様な視点でデータの傾向を捉えることでデータへの理解が深まり、これまで以上に質の高いデータ分析が行えるようになることが見込まれます。
是非こちらの機能も一度ご利用してみてください。

以下はデータプロファイリング・タスクの作成画面です。スケジュールタブよりスケジュール詳細の設定が可能です。

スケジュールについては開始日時や頻度、繰り返し有無等が指定可能です。
頻度については、「繰り返さない」、「毎時」、「日次」、「月間」など柔軟に設定が可能です。


最後に

以上、メジャーリリース(R43)に関して、3点の新機能についてスクリーンショットを交えてご紹介させて頂きましたがいかがでしたでしょうか。
IICSで代表的なAdministrator、Cloud Data Integration、Cloud Data Profilingの各サービスから抜粋していますので、是非一度ご確認、ご利用してみてください。

本テックブログでは、新機能のご紹介を始めIICSに関する情報をご提供していければと思っていますので、今後の記事も是非ご覧になっていただければと思います。

弊社ホームページにも、以下URLにてIICSの製品紹介ページを掲載しております。
是非こちらも併せてご参照頂けますと幸いです。
https://www.niandc.co.jp/sol/iics/

(参考リンク)

Informatica社マニュアルページ(英語)
https://docs.informatica.com/

Informatica社マニュアルページ(日本語)
https://docs.informatica.com/ja_jp/

ページのトップへ