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流通BMS導入のポイントを徹底解説

投稿者:藤生

流通BMS導入

EDIを導入する際の課題として、発注側と受注側のフォーマットやコードといったデータ形式の違いが挙げられます。
それぞれが異なるデータ形式を使用している際、どちらかがどちらかの形式に合わせなければなりません。
しかし、導入初期ではエラーや間違いが発生しやすいことから、業務効率が下がってしまう懸念があります。
そのような状況を打開するため、近年ではデータの標準化が図られるようになりました。
本記事では、データの標準化を指す「流通BMS」について、導入するメリットやEDIとの違いとあわせて解説します。

流通BMSとは?

流通BMS(Business Message Standards:流通ビジネスメッセージ標準)とは、流通業界の新たなEDI標準仕様を指します。
従来のEDIでは受注側と発注側でデータ形式が異なることがあり、スムーズなデータのやり取りが行えないことがあります。
そのような場合、受注者・発注者のどちらかに合わせなければならないため、社内ではデータの改修作業が求められます。
データを合わせる場合、資本や受発注量が多いほうに合わせることが多いため、強弱関係が影響します。
ビジネスは平等な関係で行われるものですが、どうしても発生してしまうものです。 流通BMSを導入することで、下記の項目が標準化されることにより、さまざまな企業とスムーズにやり取りを行うことができます。

  • 通信方式
  • メッセージの種類
  • データ項目
  • フォーマット
  • 使用するコード

これらのことから、近年ではすでに多くの企業が流通BMSを利用しています。
また、2024年1月からNTTの固定電話がIP網に移行されることによって、流通BMSの普及は加速すると推測されます。

流通BMSを導入するメリット

こちらでは、流通BMSを導入するメリットをご紹介します。

通信の円滑化によるコスト削減

流通BMSはインターネット回線を利用する通信であることから、従来のJCA手順よりも高速なデータのやり取りが実現します。
JCA手順は固定電話回線を利用した通信であり、通信速度は2400bps/9600bpsと遅いものです。
一方、流通BMSは数Mbps~数百Mbpsの速度を担保していることから、高速通信を実現することができます。
また、JCA手順は半二重通信という通信方式を採用しており、片方が送信中はもう片方が受信できないデメリットがあります。
インターネット回線を利用する流通BMSではそのようなトラブルが発生することがないため、スムーズなやり取りが可能です。
上記より、流通BMSを導入することで通信の円滑化や、データ送付に関するコスト削減を行うことができます。

流通BMSを導入するメリット

標準化による業務の効率化

先述の通り、企業やメーカーによってデータ形式などが異なるため、受注者・発注者のどちらかが合わせなければなりません。
社内で管理しているデータ形式をクライアントに合わせる際、手作業で行うとヒューマンエラーが発生する可能性があります。
ヒューマンエラーが発生した結果、受発注する商品や数量に誤りがあり、不利益が発生してしまいます。
標準化が実現することによって、業者間の取引に対して個別対応を行う必要がなくなるため、ヌケモレやミスを減らせるといったメリットがあります。
また、既存顧客だけではなく、販路拡大を行った新規顧客に対しても個別対応が不要となるため、収益増加が期待できます。

伝票管理の手間が減る

流通BMSでは、受領したデータを税法上の取引記録として取り扱うことができます。
従来であれば、紙面に出力された伝票と納品された商品を検品しなければならないため、ヌケモレのリスクがあります。
結果、納品した・納品されていないといったトラブルに発展し、信頼関係にキズが付く可能性が考えられます。
電子データとして伝票を管理することで手作業・目視による管理を減らせるため、業務効率の改善に貢献します。

EDIとの違い

下記、EDIと流通BMSの違いについてご説明します。

・EDI

Electronic Data Interchange:電子データ交換
企業間で電子データをやり取りする仕組みや、システムを指します。

・BMS

Business Message Standards:流通ビジネスメッセージ標準
流通業者が用いる、EDIの標準仕様

EDIとの違い

つまり、BMSはEDIに含まれる要素のひとつであり、よりスムーズかつ効率的なデータのやり取りを指します。
これまでは電話回線を利用したJCA手順が用いられていましたが、下記のようなデメリットがあります。

  • 漢字表記、画像データに対応していない
  • 通信速度が遅い
  • 企業ごとにフォーマットが異なる

これらを解消し、受注者・発注者がお互いに効率良く作業を行えるように設けられたのが流通BMSとなります。

おわりに

本記事では、流通BMSの導入するメリットなどについて解説しました。
流通BMSは流通業界の新たなEDI標準仕様を指すもので、従来のJCA手順よりも高速でやり取りが可能です。
流通BMSでは通信の円滑化によるコスト削減・標準化による業務の効率化・伝票管理の手間が減るといったメリットを得られます。
従来のEDIよりも高速でデータのやり取りが可能となるため、流通BMSを未導入の企業は導入を検討してはいかがでしょうか。

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