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自動車業界における受注プロセスの標準化について

投稿者:藤生

受注プロセスの標準化

自動車業界は電動車の開発やCO2排出量の低減といった、さまざまな技術進歩が特に求められる業界です。
近年では国内生産数が低減し、海外生産数が増加傾向にあるため、スムーズかつ正確な受発注の連携が必要となります。
これらを実現するため、自動車業界では受注プロセスの標準化が課題となっています。
受注プロセスの標準化とはどのようなもので、標準化を阻害する課題や解決方法はどのようなものなのでしょうか。
本記事では、自動車業界における受注プロセスの標準化についてご説明します。

自動車業界の受注プロセス

自動車業界では、取引先から受注したデータを下記の流れで製造します。

  1. 手動・自動で受注データを取り込みます。
  2. 取り込んだ受注データを受注データベースに保存・蓄積します。
  3. MRP(資材所要計画)を作成し、製造に必要な部品や資材の在庫状況を確認し、不足している場合は部品メーカーに発注します。
  4. 製造を依頼する工場に受注データや部品データを送付し、製造を開始します。

先述の通り、受発注データの作成・送付の際には一部手動で行う作業があります。
WebやFaxなどで送付されたデータを、担当者が手入力して備品の有無や工場への指示などを行います。
しかし、手作業ではヒューマンエラーが発生する可能性が高く、担当者には集中力が求められます。
このようなヒューマンエラーや人件費の削減を目的として、近年ではEDIによる受発注データの作成・管理が行われています。
EDIは「Electronic Data Interchange:電子データ交換」の略で、パソコンやサーバーを使用し、電話回線やインターネット回線などでデータをやり取りする仕組みです。
従来は電話回線を利用していましたが、通信速度やデータの送受信などに懸念がありました。 そのため、近年の自動車業界ではインターネット回線を通じたインターネットEDIを利用して、正確かつ高速にデータのやり取りを行うようになっています。

標準化を阻害する課題と解決方法

では、標準化を阻害する課題にはどのようなものがあるのでしょうか。
こちらでは、標準化を阻害する課題について、解決方法とあわせてご説明します。

取引先企業毎にデータの処理方法が異なり、多額のコストが発生する

データの標準化とは、複数の企業が同一の通信形式やフォーマットで受発注などのやり取りを行うことを指します。
標準化が行われることで、企業ごとにデータ形式などを変換する必要がなくなるため、効率改善につながります。
しかし、標準化には人件費やシステム改修費といった、多額のコストが必要となり、出費が課題となっている企業が多いものです。
標準化を検討している企業は現状の費用と改修後の費用などを算出し、どちらが多くの利益を残せるのかについて確認しましょう。

標準化を阻害する課題と解決方法

属人的な作業から脱却できていない

企業のなかには、従業員が対応することに慣れている結果、作業が属人化していることがあります。
しかし、属人化は特定の従業員のスキルに影響することから、休暇や退職などによって業務に滞りが発生します。
そのため、手作業で受発注業務を行っている業者は、まずはEDIの導入を検討しなければなりません。
EDIでは属人化の脱却だけではなく、ヒューマンエラーの解消や手作業よりもスピーディな受発注などが可能となります。
EDIを導入する際、主要取引先が使用している通信形式やデータなどを予め確認しておくことで、開発コストや追加の改修コストを抑えられます。
標準化された仕組みは、新たな企業との取引スタート時や既存顧客との取引量拡大に伴いEDI連携を開始する際にも大いに活用することができます。

当社では長年にわたって受注プロセス改善にたずさわっています

NI+Cでは35年以上にわたって、EDIの分野で多くの自動車完成メーカーと自動車部品メーカー間で橋渡しを行ってまいりました。
EDIをはじめとした当社EDI関連ソリューションを導入することで通信端末・ソフトウェアの集約やデータの振り分けが可能となります。
また、手作業では多くの時間がかかっていた、下記の作業を簡素化することができます。

  • 受注処理から生産現場への連携
  • 受注データの一元管理
  • 内示情報から確定・変更注文への対応
当社で受注プロセス改善

自動車業界で収益を最大化するためには、多すぎず少なすぎず、最適な量だけ在庫することが重要です。
多すぎる場合は費用やスペースを圧迫してしまい、少なすぎると受注に耐えられなくなります。
しかし、これらの情報を目視で確認するとヌケモレといったヒューマンエラーが発生しやすいものです。
また、EDIで管理をしても形式が異なる場合、受発注ミスが発生します。
正しいデータを高速でやり取りするためには、EDIの標準化は不可欠な要素であるといえます。

当社ブログ:NI+C EDIシリーズ<第2弾>”自動車業界の標準化-前編”
https://www.niandc.co.jp/tech/20200915_1881/

当社ブログ:NI+C EDIシリーズ<第2弾>”自動車業界の標準化-後編”
https://www.niandc.co.jp/tech/20201001_1882/

おわりに

本記事では、自動車業界における受注プロセスの標準化についてご説明しました。
自動車業界では手作業による受注業務が未だに残っており、EDI化や受注プロセスの標準化によって、業務を効率化できる余地が大きいと思われます。

これからEDIを導入・改修する際は、受注プロセスを標準化する観点で検討してはいかがでしょうか。

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