NI+C SAS<第11弾>SAS Visual Forecasting の「自動予測」モデリングノードとは?
投稿者:SASソリューション担当
日本情報通信株式会社のSAS担当です。
SAS社の時系列予測製品 「SAS Visual Forecasting」 では、ナイーブモデルや自動予測、階層予測など様々な予測モデリングノード(予測手法のまとまり)を使用できます。
【NI+C SAS<第5弾>【無償環境でお試し!】SAS Visual Forecasting による時系列予測】では、「自動予測」モデリングノードを使用した時系列予測の流れをご紹介しました。
今回は「自動予測」モデリングノードの詳細について、以下のセクションを通してご紹介します!
◆ 最初に
◆「自動予測」モデリングノード とは
◆「自動予測」モデリングノードで設定できること
◆ 予測に使用されたモデルを確認してみよう!
【使用プロダクト】 |
時系列予測製品「SAS Visual Forecasting」 |
【使用環境バージョン】 |
Long – Term Support 2022.1 |
◆最初に
「自動予測」モデリングノードを使用する手順に関しては、前述の【NI+C SAS<第5弾>【無償環境でお試し!】SAS Visual Forecasting による時系列予測】をご参照ください。
最初に、SAS Visual Forecasting のパイプライン(予測フロー)画面の構成を簡単に説明します。
- ノードペイン(赤枠部分): 使用可能な予測モデリングノードは、ノードペイン(左ペイン)の「予測モデリング」セクションに表示されています。※ 画像には、ライセンスによっては使用できない予測モデリングノードも表示されています。
- パイプライン(青枠部分): SAS Visual Forecasting の予測フローは「パイプライン」と呼ばれ、処理ノード(ここでは「データ」「自動予測」「モデルの比較」「出力」ノード)が実行順に表示されます。
- ノードオプション(点線青枠部分): パイプライン上のノードのいずれかを選択すると、右ペインにそのノードの説明が表示され、ノードによっては詳細な設定を行うことができます。
◆「自動予測」モデリングノード とは
「自動予測」モデリングノードで実施されるタスクは以下となります。
【ステップ】 | 【タスク】 | 【概要】 |
1 | 時系列データの統計的特徴を診断 | 需要の間欠性や季節性を診断します。 |
2 | 時系列モデルのリストを生成 |
予測に使用するモデルリストを生成します。 予測モデルとして、ARIMAX、ESM、IDM、UCMが使用可能です。 |
3 | モデルの選択 |
前ステップで生成されたリストには、予測単位毎に2つ以上のモデルが選択されています。 このステップでは、リストにある各モデルの予測精度を算出し、より精度の良いモデルを選択します。 |
4 | 予測の生成 | 前ステップで選択したモデルを使用して予測を生成します。 |
「自動予測」モデリングノードは、時系列データの特徴を捉え、複数の統計的手法の中から評価の良いモデルを選択して、1つのパイプラインでまとめて予測を算出してくれるノードです。
◆「自動予測」モデリングノードで設定できること
「自動予測」モデリングノードでは、以下の設定を行うことができます。
- 生成するモデルの種類
- モデルの選択基準
細かく見ていきましょう。
- 生成するモデルの種類 について
生成するモデル種別に関しては、「ノードオプション」の「モデルの生成」セクションで設定します。
「自動予測」モデリングノードでは、以下の4つのモデルが使用可能です。
– ARIMAX
– ESM(指数平滑化モデル)
– IDM(間欠需要モデル)
間欠性の検定の敏感度レベル: 1以上の整数を指定します。設定した数値以上の期間で、需要が発生していない場合、その時系列データは間欠であると判断されます。
IDM法: 使用するIDMモデルの種類をリストから選択します。デフォルトでは”最適”が選択されています。”最適”は平滑化モデルを指します。
– UCM(観測不能成分モデル)
初期設定では、ARIMAX、ESM、IDM が選択されています。
より精度の良いモデルを選択するために、使用可能なモデル種別のうち、2つ以上を選択してください。
- モデルの選択基準 について
「ノードオプション」の「モデルの選択」セクションでは、「ホールドアウト標本で使用されるデータポイントの数」を設定することも可能です。
初期設定では「0」となっており、ホールドアウト標本を使用しない設定となっています。
また、「モデルの選択基準」セクションでは、リストに上がった複数のモデルのうち どのモデルを選択するかの判断基準となる、評価指標を設定します。
初期設定では、「MAPE(平均絶対誤差率)」が選択されています。
「自動予測」モデリングノードでは、どの予測モデルを使用するか、モデルの選択基準や評価対象とするホールドアウト標本を設定できることが分かりました。
◆予測に使用されたモデルを確認してみよう!
スマートフォン販売数のサンプルデータを使用し、「自動予測」モデリングノードを以下の設定にして販売数の予測を行ってみました。
- 生成するモデルの種類: ESM、ARIMAX、IDM、UCM
- モデルの選択基準について:ホールドアウト標本を使用(データポイントの数は30)
確認手順
確認手順1.予測を実行後、「自動予測」モデリングノードを右クリックし「結果」を選択
確認手順2.「出力データ」タブを選択し、「OUTSELECT」をクリック
「選択済みステータス」列が”YES”となっているレコードの「モデル」列の値で、予測に使用されたモデル種別を確認することができます。
◆まとめ
今回は、時系列予測製品「SAS Visual Forecasting」において、簡単に複数の統計的手法を使用できる「自動予測」モデリングノードをご紹介しました。
SASソリューションやSAS Viyaにご興味をお持ちいただけましたら、お気軽に「弊社問合せサイト」からお問い合わせください。
ご覧いただき、ありがとうございました!