NI+C EDIシリーズ<第20弾> "内示情報とは? -EDIの業務メッセージを紹介-"
投稿者:畠中
みなさん、こんにちは。
日本情報通信株式会社 EDI事業本部 システム開発部の畠中です。
今回は、EDIデータで実際に送信されている実際のメッセージ内容「内示情報」について、紹介したいと思います。
1.はじめに
EDIが「Electronic Data Interchange(電子データ交換)」の略称であるということは、過去の弊社ブログを読まれた方や日々EDIで取引業務に携わっている方であればご存知かと思いますが、その名の通り、電子データとして様々なやり取りが受注企業と発注企業間で行われています。
そのやり取りを行う上で各業界では、業界ごとに以下の2点の標準化を進めています。
・通信プロトコル
・メッセージ(伝送フォーマット)
その中で今回は、伝送フォーマットのデータの中身として、実業務において必要となるメッセージの中の1種「内示情報」について取り上げていきます。
伝送フォーマットの構成要素の詳細については過去のブログでも取り上げておりますので、もし興味がございましたらご参照ください。
■伝送フォーマットの種類についての記事
・UN/EDIFACTについて:
「NI+C EDIシリーズ<第6弾>これなくしてEDIは始まらない?!~EDIの要となる伝送のフォーマットに迫る~」はコチラから
・ANSI.X.12について:
「NI+C EDIシリーズ<第14弾> “北米のEDIメッセージ標準-ANSI X12とは-“」はコチラから
■文字コードについての記事
・文字コードについて:
「NI+C EDIシリーズ<第13弾>EDIデータを構成する要素 -文字コードとは<概要編>-」はコチラから
続いてはEDIにおける業務メッセージの流れについて解説していきます。
2.業務メッセージの流れ
内示情報についてご説明する前に、まずはEDIにおいてどのような種類のデータが送受信されているかをご紹介します。
業界ごとにメッセージの種類数や内容が異なることはございますが、EDIにおける業務メッセージの種類とプロセスとしては、主に以下の通りとなります。
【図1:業務メッセージの流れ(日本自動車工業会の例)】
なお、上記はあくまでEDIにおけるメッセージの流れであり、業務全体となると更に前後左右にプロセスが存在しています。
今回ご紹介する内示情報はEDIメッセージにおける最初の部分となり、後続の製造や納品や検収、支払といった業務に繋がる重要な情報となります。
3.内示情報とは
内示情報とは、基準となる日時(発注予定日)にどの程度の数量を購入予定か、発注者が受注者に対して事前に提示する仮情報となります。
内示情報を受けた企業は提示された内容を元に製品を生産するための材料発注や生産数量を計画するため、受注者にとって重要となる情報です。
内示情報の後に発注者より正式に確定の発注情報が受注者へ送られ受注、製造、納品、請求の流れにシフトしていきます。
内示情報を利用している業界を見渡すと、自動車や自動車部品業界に見られる傾向があります。
【図2: 内示情報から確定注文への流れ】
また、内示情報の種類については、一般的に以下の内容で作成されています。
1.X月内示 – 当月からXか月分先の内示数量合計を示す
2.月内示…1ヶ月単位の内示数量合計を示す
3.週内示…1週間単位の内示数量合計を示す
4.日内示…1日単位の内示数量合計を示す
4.内示情報のイメージ
前章の「3.内示情報とは」では、4種類の内示情報をご紹介しました。
実際、これらの情報は単一で存在するのではなく、受注企業のシステムに取り込まれることで、以下イメージ図のカレンダー形式のように管理されます。
【図3:「サスペンションB」の月内示数120個に対する1ヶ月の内示情報と計画の例】
上記図のように、日・週・月ごとに管理され、納品に向けて生産計画を立案しています。
5.おわりに
今回は内示情報における一例をご紹介させていただきました。
ご紹介した内容は内示情報のほんの一部に過ぎず、実際にはもっと内容は深くなります。
また、内示情報のほかにも納入指示や出荷情報など様々な業務メッセージの種類がありますので、またブログを作成する機会がありましたら、取り上げていこうと思います!
EDIに関するご相談がございましたら、以下からお願いいたします。
それではまた、次回のEDI事業本部の記事をご期待ください。