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NI+C EDIシリーズ<第25弾> “まだ間に合う2024年問題対策!-次世代通信プロトコルNZ-TLSをご紹介-“

投稿者:星川

 

皆さん、こんにちは。

日本情報通信 EDI事業本部テクニカルサービス部の星川です。

今回はEDIの喫緊の課題となっている「2024年問題」と弊社ソリューションで対応しているプロトコル「NZ-TLS ※」について取り上げます。

※ NZ-TLSとは全銀協標準通信プロトコル(TCP/IP手順・広域IP網)を指します。

■目次

1.2024年問題とは

2.NZ-TLSとは

3.全銀TCP/IPの通信の仕組み

4.従来の全銀手順との違い

5.終わりに

1.2024年問題とは

まずは、「2024年問題」について、簡単にご説明します。

「2024年問題」とは、NTT東西が発表した「PSTNマイグレーション」および「ISDNサービスの終了」により、2024年以降に公衆電話回線を利用したEDIが今までのように利用できなくなってしまうことを指しています。企業間の商取引を支えるEDIが停止してしまったら、社会へ大きな影響を与えてしまうことは間違いありません。

詳しくはこちらの記事を参照ください

https://www.niandc.co.jp/tech/20201201_1934/

2.NZ-TLSとは

「NZ-TLS」とは、EDI通信で利用する通信プロトコルの1つで、全銀TCP/IP手順にセキュリティ機能を付加したプロトコルです。NI+C EDIシリーズのEDIPACKソリューションでご利用いただくことができ、他社EDIとの接続も可能で多数の接続実績があります。

全国銀行協会が制定した全銀プロトコル「全銀協標準通信プロトコル(TCP/IP手順・広域IP網)」に対応しており、インターネットなどの広域IP網での通信を前提としているため、公衆電話回線を利用する従来の全銀BSC手順や全銀TCP/IP手順の後継プロトコルとして利用が可能です。そのため、2024年問題に対する最適なソリューションの1つと言えます。

基本的な通信の仕様は全銀TCP/IP手順に準拠していますので、現行で全銀TCP/IP手順をご利用いただいている場合、設定項目を引き継ぐことが可能であり、プロトコル切替の負担が少なく、切替後の運用への影響を抑えられるというメリットがあります。

3.全銀TCP/IPの通信の仕組み

「NZ-TLS」の元となっている全銀TCP/IPがどのように通信しているのか仕組みについて、簡単にご説明します。

全銀TCP/IPでは電文制御の仕組みを利用しており、発信(送信)側と着信(受信)側で電文を送りあって通信をしています。また、制御電文は「通信制御電文」と「ファイル制御電文」の2つに分けられます。下記のような流れで交互に電文をやり取りしてデータを伝送しています。センター確認コードやパスワード、ファイルアクセスキーなどの各設定項目も図のように利用されています。

1.1次局(発信側)から2次局(着信側)へ開局要求電文を送信

2.2次局(着信側)から1次局(発信側)へ開局応答電文を送信

<通信確立>

1.1次局(発信側)から2次局(着信側)へ開始要求電文を送信

2.2次局(着信側)から1次局(発信側)へ開始応答電文を送信

<データ伝送開始>

1.1次局(発信側)から2次局(着信側)へ終了要求電文を送信

2.2次局(着信側)から1次局(発信側)へ終了応答電文を送信

<データ伝送終了>

1.1次局(発信側)から2次局(着信側)へ閉局要求電文を送信

2.2次局(着信側)から1次局(発信側)へ閉局応答電文を送信

<通信終了>

■通信イメージ図

4.従来の全銀手順との違い

続いて、従来の全銀手順とNZ-TLSとの違いについてご説明します。

まず、1つ目は利用する「回線」です。

従来の全銀手順では公衆電話回線の利用を前提としており、NZ-TLSではインターネット回線の利用を前提としています。

また、2つ目に「通信速度」です。

従来の全銀手順では公衆電話回線を利用するため通信速度が低速でデータ伝送完了までに時間を要します。また、通信中は回線を占有してしまうため、同時に通信する際は別の回線が必要になります。

それに対してNZ-TLSはインターネット回線を利用するため、通信速度が高速でデータ伝送が可能です。また、インターネットではデータをパケット単位に分割して送るため、回線を占有せずに利用が可能です。そのため、短い時間で多くのデータをやり取りできるメリットがあります。

3つ目に利用する「通信機器」です。

公衆電話回線を利用する場合は、USTやモデム、ターミナルアダプタ、DSU等の専用の通信機器が必要になります。専用機器には1台百万円を超えるものもあり、設定にも専門知識が必要なため、維持するコストがかさみます。

NZ-TLSを利用する場合は公衆電話回線専用の通信機器は不要です。その代わりにインターネットに接続するためのルータやスイッチ、ファイアウォールなどの通信機器が必要になります。一般的に利用されている機器のため、設定や維持のハードルは高くありません。

■公衆電話回線の場合

■インターネット回線の場合

そして、4つ目に「セキュリティ」です。

EDIでは企業間の商取引データを扱うため、セキュリティ対策は非常に重要な要素となります。

従来の全銀手順では、公衆回線を利用するために専用の通信機器が必要なため、セキュリティが高いという特徴があります。専用機器や公衆電話回線の引き込みも必要になり、準備に費用や手間がかかります。手間がかかることでなりすましやデータの盗聴、改ざんをするハードルが高くなっています。

NZ-TLSでは、インターネットを経由して通信しますが、SSL/TLSの仕組みを利用してデータを暗号化することでセキュリティを高め、データを悪意ある第三者から守っています。NZ-TLSを利用することで、セキュリティを保ちつつインターネットEDIを実現することができます。

5.終わりに

今回は「2024年問題」とその対策となる「NZ-TLS」についてご紹介しました。

いかがでしたでしょうか?本記事が少しでも皆さんのお役に立てると幸いです。

対策までの期限も残り少なくなってきましたので、お早めにご相談ください。

EDIに関するご相談は
日本情報通信にお任せください。

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