投稿者:下



こんにちは。
日本情報通信 バリューオペレーション本部 サービス基盤部の下です。
今回は、EDIメッセージ形式の1つである「ANSI X12」について取り上げたいと思います。

目次
1 はじめに
2 北米のEDIメッセージ標準 ーANSI X12とはー
3 NI+C EDI におけるANSI X12対応
4 おわりに


1 はじめに
EDIを実施している各業界では、業界ごとに以下2点の標準化を進めています。

・通信プロトコル
 ・コンピューター同士の通信をする際の手順や規格。
   例)全銀TCP/IP、JX、AS2、ebXML等
  (詳細:「NI+C EDIシリーズ<第5弾> 2024年EDI問題_EDI業界動向と選択肢について」)
 

・メッセージ(=伝送フォーマット)
 ・EDIでやり取りするデータの形式に関するルール
   例)固定長、UN/EDIFACT、ANSI X12

今回説明させていただくANSI X12は、メッセージ形式のルールの1つです。


2 北米のEDIメッセージ標準ーANSI X12とは
1.ANSI(米国国家規格協会)について
ANSI(The American National Standards Institute :米国国家規格協会)とは、アメリカの国家技術標準の承認・監督機関です。
「American National」と書いてあるため、国家機関に見えますが、民間の非営利団体です。

規格自体は作成せず、標準化機関(SDO)と呼ばれる、各業界の規格を作成する団体で構成されている組織が提案する規格を承認する役割を有します。

ANSIは、NIST(National Institute of Standards and Technology: 米国立標準技術研究所)と、任意規格の利用推進及び作成における政府・民間のパートナーシップを強化するための覚書を2000年に締結しており、NISTはSDOが主導する標準活動に技術顧問として参加し、規格が連邦政府標準のニーズに沿ったものとなるよう調整する役割を担っています。※1
(※1:独立行政法人日本貿易振興機構 「NIST の標準策定プロセス(組織構造、標準活動、人材確保)」より引用)


<ANSIによる規格承認の流れ>
EDIブログ画像1
(参考1:経済産業省「主要国における国際標準戦略」
(参考2:独立行政法人日本貿易振興機構 「ANSI、ASTM International、UL、NEMA、NFPA等規格関連機関の関係:米国」)

X12は、ANSIに規格を提案するSDOの中でも、EDIの標準化に関する規格を制定する機関です。

2.ANSI X12とは
ANSI X12は、1979年にANSIが定めたアメリカ国内標準規格の名称で、北米で最も一般的に使用されているメッセージ標準です。SDO(標準化機関)であるX12 にて X12メッセージの標準化を進めており、現在、300を超えるメッセージが定義されています。

3.ANSI X12の特徴
ANSI X12形式のメッセージは、複数のセグメントにより構成されています。
EDIブログ画像2

<必須セグメントの定義内容>
・ISA/IEAセグメント:ANSIメッセージの基本情報を定義
・ST/SEセグメント:実際の伝票情報などの詳細情報を定義
・GS/GEセグメント:ST/SEセグメント(同一種類の伝票情報などの詳細情報)のグループ化を定義

ISAでメッセージ開始~IEAでメッセージ終了となります。

実際のANSI X12形式のデータは以下のように記載されています。
(必須のセグメントは青太字部分です。)
4~19行目はメッセージ特有の情報(810請求書の情報)です。
EDIブログ画像3

(引用:EDI Source, a division of Epicor Software Corporation「EDI 810 Invoice Transactions」)

4.UN/EDIFACTとの類似点
ANSI X 12は、欧州及び国際メッセージ標準であるUN/EDIFACTとの類似点が多くあります。
UN/EDIFACTの大部分がANSI X12を元に設計されているためです。
(UN/EDIFACTの詳細:「NI+C EDIシリーズ<第6弾>これなくしてEDIは始まらない?!~EDIの要となる伝送のフォーマットに迫る~」 )

代表的な相違点は以下の通りです。
①オプションのヘッダーセグメントの有無
 ・ANSI X12:オプションのヘッダーセグメント無し
 ・UN/EDIFACT:UNAセグメント区切り記号や小数点表示などの構造体要素を設定する

②推奨文字コード
 ・ANSI X12:ASCII
 ・UN/EDIFACT:UTF-8

③メッセージ名のルール(一部)
 ・ANSI X12:数字3桁
 ・UN/EDIFACT:データ種別(アルファベット)
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データ種別については、ANSI X12形式データではヘッダーセグメントにて定義されます。
(赤太字部分) EDIブログ画像5
(引用:EDI Source, a division of Epicor Software Corporation「EDI 850 Purchase Order」) 


3 NI+C EDI におけるANSI X12対応
NI+Cが提供しているEDIサービスの1つに、ANSI X12を含むメッセージ形式(伝送フォーマット)を変換する「EDIPACK/Translator」があります。 メッセージ形式変換の定義を記載している変換定義ファイルを使用し、取引先ごとに異なるメッセージ形式をお客様の基幹システムで使用しているメッセージ形式に変換することが可能です。

EDIブログ画像6

変換可能なメッセージ形式は以下の通りです。
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4 おわりに
まとめ
まとめ

今回はANSI X12について取り上げさせていただきました。
ANSI X12の特徴やNI+C EDIサービスでの対応につきましてご理解いただけますと幸いです。

EDIに関するご相談がございましたら、以下からお願いいたします。
それではまた次回EDIサービス部の記事をご期待ください。