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IBM Planning Analytics で要員配置シナリオのデモを作ってみた

投稿者:南

はじめに

IBM Planning Analytics(IPA)は主に事業計画や予算編成業務に用いられるソリューションですが、今回は店舗の管理者が日々頭を悩ませている要員配置に対して、IPAを適用させたデモを作成してみました。

IPAを利用すると効率的に管理ができますのでそのイメージをつかんでいただければと思います。

また、今回作成した要員配置シナリオのデモに最適化エンジンであるCPLEXを組み合わせることで、さらなる価値訴求ができると考え、具体的な活用イメージを構想してみましたので最後にそちらもご紹介いたします。

IPAとは

計画系業務や業績管理業務(EPM)を効率化するための様々な特徴をもつオールインワンのソリューションです。

要員配置シナリオのデモについて

身近なスーパーマーケットを例に、IPAと従業員配置業務を組み合わせたデモを作ってみました。デモの概要は以下のようになっています。

図1-1

デモ画面

ホーム画面

KPIを確認することで各シナリオのサマリーを把握する画面です。 

次以降で説明する、「最適化条件の設定」、「最終シフト確認」で担当者が修正した内容がホーム画面にてシフト配置計画を実施した結果が確認できますので、どういうシフト状態になっているかが直感的に確認することができます。

図2-1

最適化条件の設定

ここでは要員配置シナリオの図1-1の
①各種入力画面シナリオ毎の最適化条件を登録する
の部分を説明していきます。

以下の六つの画面で、最適化処理によるシフト割当をするための条件を設定していきます。

BIツールでは値を参照することしかできませんでしたが、IPAでは画面から直接入力することができるため、担当者の意思を込めてシミュレーションすることが可能です。

  • 従業員一覧

従業員の「勤続年数」や「技能レベル」、「時給」を設定します。昇進などによる時給アップをした場合にコストにどう影響するのかシミュレートすることができます。

図2-2
  • 従業員別保有資格

各従業員がどの資格を保有しているかを設定・確認することができます。

図2-3
  • シフト要求

時間帯ごとに欲しい従業員の最小・最大人数を各部署ごとに設定します。シフトは時間帯によって 1 ~4 に分けて管理しています。時間帯によるシフトの区分は以下のとおりです。

シフト区分番号時間帯
1 9:00  ~ 12:00
212:00 ~ 18:00
318:00 ~ 22:00
422:00 ~ 24:00
図2-4
  • 休暇予定

従業員毎に休暇を設定します。休暇に設定されてた曜日はシフト割当の対象外になります。

図2-5

  • 一般制約条件

  各種一般制約条件を設定する

最大シフト割当時間(週間)法律で定められた勤務時間を超えないように最大割当時間を設定する
割当NG部署 従業員毎に割当ができない部署を設定する
部署別必要なスキル分野部署毎に必要な資格毎の人数を設定する
人間関係の好み効率的、非効率な人の組み合わせを設定する
図2-6
  • 手動シフト割り当て

個人の条件で強制的にシフト割り当てをする場合に指定する。ここで設定したシフト割当は最適化処理で優先的にシフトが割当される。

図2-7

最適化の実行

ここでは要員配置シナリオの図1-1の
②シナリオを選択し最適化実行
③CPLEXが入力画面のデータを基に最適化を実行し結果を出力する
の部分を説明していきます。

これまで入力してきた条件を最適化ロジックに渡して最適化を実行する画面です。
最適化を実行するシナリオを選択し最適化を実行します。
最適化を実行すると、選択したシナリオの最適化条件をCPLEXに渡し、CPLEXによる最適化処理が実行され、CPLEXは最適化されたシフト情報をIPAに戻します。

図2-8

最終シフト確認

ここでは要員配置シナリオの図1-1の
④最適化されたシフト割当の結果を確認し承認依頼を実行
の部分を説明していきます。

最適化されたシフト割り当ての結果が確認できるだけでなく、画面で直接シフトの修正を行うことが可能となっており、担当者の意思入れをすることが可能です。調整が完了したら責任者に承認依頼を実施します。

図2-9

承認画面

ここでは要員配置シナリオの図1-1の
⑤内容を確認し最終シフト割り当てを決定する
の部分を説明していきます。

各シナリオの条件やシフト割り当ての結果を確認して採用するシフト割り当てを決定します。

図2-10

※デモ動画については現在作成中につき、完成次第ご紹介する予定です。

IPAにCPLEXを組み合わせる価値

今回作成したデモの最適化を実行する部分に、最適化エンジンであるCPLEXを組み合わせることで、より高度な最適化が実現できます。

CPLEXについては以下リンク先でご紹介しておりますのでご参照ください。
URL: https://www.niandc.co.jp/sol/cplex/

まとめ

今回は、IPAで要員配置シナリオのデモをご紹介し、IPAとCPLEXを組み合わせた場合の価値や実現できた場合のイメージについて考えてみました。

IPA×CPLEXの組み合わせることで、要員配置に日々頭を悩ませている管理者の負担を軽減させ、シフトを作成する時間を短縮させるだけでなく、繰り返しシミュレーションを行うことでシフトの制度を向上させることが可能だと感じました。また、作成したシフト情報を他システムと連携させることで、勤務管理や給与支払業務の効率化も可能になったりとまだまだ拡張性のあるソリューションです。

今回はスーパーマーケットを想定したデモを作成しましたが、今後工場などにも適用できないか検討を進めていけたらと考えております。

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