今回はベアメタルサーバの性能を確認します。
ベアメタルサーバには2種類あります。洋服に例えると1つは「吊るし」もう一つは「フルオーダ」となります。前者は4種類の規定のサーバから選択することになりますが「時間」課金タイプが選択することが出来るのが特徴です。後者の場合には利用者はマザーボードから何から何まで選択する事ができます。
今回は前者(以前はベアメタル・インスタンスと呼ばれていた)のサーバを利用して測定をしていきたいと思います。SoftLayerは「モデル」がないので呼びづらいですね。
シングルプロセッサーですがクアッドコアであることも有り8個のvCPUとして動作します。比較のために同じ価格帯でAWSでサーバを選択すると c4.2xlarge (http://aws.amazon.com/jp/ec2/instance-types/) に該当するかと思います。(今回の構成ではc4.2xlargeに標準のEBSを1Tつけています。)
構成
構成 | SoftLayer | AWS(c4.2xlarge) |
---|---|---|
CPU | Single Processor Quad Core Xeon 1270 – 3.40GHz (Sandy Bridge) | Intel(R) Xeon(R) CPU E5-2666 v3 @ 2.90GHz (8vCPU) |
RAM | 8G DDR3 1333 | 15GiB |
DISK | 1TB SATA x2 | 1T Magnetic EBS |
OS | Ubuntu Linux 14.04 | ubuntu-trusty-14.04-amd64-server-20150325 (ami-d05e75b8) |
UPLink | 100Mbps | EBS専用1GBps |
コスト | $339/Mo | $389.35/Mo |
プロビジョニング時間 | 30分 | 5分 |
AWSは最新のCPUのc4タイプにしています。費用的にはc3タイプも有りますがコストにして $357.14/Mo なので現実的にはc3は選択されないかなと想定しています。
UnixBenchの測定結果
AWS(c4.2xlarge)の測定はサンプリング数が少ないため参考までに捉えて下さい。
東京リージョンにてAM2:00頃に実施した数値となります。
CPU スレッド数 | 仮想サーバ | ベアメタルサーバ | c4.2xlarge |
---|---|---|---|
8 | 未測定 | 6884.9 | 5521.9 |
16 | 2665.8 | – | – |
仮想環境では概ね1割から2割程度ハイパーバイザーのCPU性能に対してオーバーヘッドがかかると言われています。c4との性能は概ね1.2倍となります。並列数が高い方が良い場合には更にコア数の多いモデルを選択する事も可能です。
掲載している仮想サーバ(16core/Ram8G/1Tストレージ)で凡そ$400/Moとなりますので参考として比較としておきます。
ストレージの費用が含まれているため概算でが、このスコアを費用効果で考えてみると1$あたりのスコアでは、1.4倍となります。
比較項目 | ベアメタルサーバ | c4.2xlarge |
---|---|---|
UnixBenchスコア | 6884.9 | 5521.9 |
コスト | $339/Mo | $389.35 |
UnixBenchスコア/$ | 20.3 | 14.2 |
fio の測定結果
測定指標 | ベアメタルサーバ | c4.2xlarge |
---|---|---|
ランダムリード(4K) | 474 | 3065 |
ランダムライト(4k) | 448 | 3068 |
シーケンシャルリード(4k) | 23240 | 3555 |
シーケンシャルライト(4k) | 2930 | 3577 |
リード(帯域) | 248 MBps | 121 MBps |
ライト(帯域) | 176 MBps | 120 MBbs |
今回選択されているベアメタルサーバはストレージがSATAとなっていますのでfioの測定結果としては一般的な数値となりました。今回のようなベアメタルサーバを選択する場合にはストレージとしては、PerformanceタイプのiSCSIストレージを追加で利用すると良いと考えます。
まとめ
SoftLayerの特徴であるベアメタルサーバは単体では主に性能を求めるお客様に最適です。
また今回のモデルではローレベルのスペックを選択していますが更にハイスペックなフルオーダのベアメタルサーバを構築することも可能です。ベアメタルサーバのストレージはハイスペックタイプではSSDを内蔵することも可能ですし、今回の様なローレベルの場合には iSCSIストレージサービス(PerformanceタイプではIOPSを指定することが可能)の利用を併用することでビジネスに合ったあサーバを安価に利用することが可能となります。
いずれにしてもお客さまにとってベアメタルサーバは、Unixbenchの結果から言えば「仮想サーバ」に比べて非常にコストパフォーマンスの良いソリューションであることがわかります。