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ローカル5G(第1弾) ローカル5Gとは!?最新のネットワーク技術紹介

投稿者:鈴木 幹矢

こんにちは。ネットワーク担当の鈴木です。

今回のテーマは、”第1弾 ローカル5Gとは!?最新のネットワーク技術紹介”をテーマにローカル5Gについてご紹介したいと思います。近年、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行を皮切りに企業のDXに向けた取り組みは加速しました。しかし、同時にネットワークに接続するデバイスや環境も多様化してきており、IT・OT多種多様なデバイスで通信できる環境が求められています。

そんな中、新しいネットワークとして5Gの活用が議論され、既に携帯電話事業者が一部エリアにおいてはパブリック5Gの提供が始まっています。一方、製造業などではローカル5Gが注目され、総務省でも2020年度からローカル5Gの推進に向けて開発実証に取り組んでおり、多様な分野、利用形態、利用環境において活用されることが期待されています。そこで今回は、ローカル5Gに焦点を当てて詳しくご紹介いたします。

ローカル5Gの定義

まず、ローカル5Gとは何かということからお話していきます。

ローカル5Gとは、一言で言うと「特定のエリアでの5G通信システム」です。ここでいう特定のエリアとは、工場や事業所、学校、病院、商業施設など特定の場所を指します。この特定のエリアだけで5G通信が利用でき、個別のニーズに合わせて柔軟に構築できる独自の5Gシステムを設けることが可能なサービスをローカル5Gといいます。

出典:総務省「電波政策2020懇談会 報告書

ローカル5Gの特性と利点

ローカル5Gの特性としては、「高速化」「大容量化」「低遅延」があります。つまり、一つのエリアで大量のデータを高速に送受信でき、多数のデバイスが同時に接続可能であり、遅延が少ないという特徴があります。これらの特性は、特に産業用途で非常に活用が期待されています。

出典:総務省「ローカル5G等を活用した地域課題の解決に向けて」

例えば、総務省の「課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証」によると製造業では、作業時の事故撲滅に向けた取り組みとして、ローカル5G環境でロボットとAIによる監視により、ガス漏れなどの異常検知にかかる点検時間の削減、異常箇所の可視化、リアルタイムでの遠隔作業支援を可能にしています。また、製造業だけでなく建設、農業、医療などさまざまな業界で実証実験がされています。

出典:総務省「課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証に係る令和3年度成果概要の公表等」

ローカル5Gの導入に向けての課題

一方で、ローカル5Gの導入には課題も存在します。まず、導入には電波法に基づいて無線局免許を申請・取得する必要があります。免許取得は建物や土地の所有者、もしくは建物や土地の所有者から依頼を受けた者が可能になっています。また、無数の電波が混在する環境でローカル5Gのネットワークを構築・運用するため、無線に対しての知見やノウハウも重要になります。そして最大の課題は初期費用の高さです。システムの構築費や設備費用を含めると数千万かかってくると言われています。

おわりに

今回は、ローカル5Gについてメリットデメリットを交えながらご紹介いたしました。上記のようにローカル5Gにはまだ課題が残っているものの着実に普及に向けて動いています。次回は、ローカル5Gとパブリック5GやWi-Fiの違いについて深掘りしていきます。


※「Wi-Fi」は、Wi-Fi Allianceの商標または登録商標です。


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