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電子帳簿保存法の改正でEDIはどう変わる?データ保存の注意点を解説

投稿者:藤生

仕事中の女性

EDIを含む電子データには、紙媒体のデータと同様に社外秘・機密性が高いものが含まれている場合があります。
特に、EDIのように取引先情報や仕入価格などが記載されている情報は、決して外部に漏れてはいけない情報です。
電子データに関する法律には「電子帳簿保存法」がありますが、令和3年の法改正でどのように変化したのでしょうか。
本記事では、電子帳簿保存法の改正でEDIはどう変わるのかについて、データ保存の注意点とあわせて解説します。

EDI取引と電子帳簿保存法の改正

国税庁によると、電子帳簿保存法は税務関係帳簿書類のデータ保存を可能とする法律です。
こちらの法律に基づく各種制度を利用することで、経営のデジタル化を図ることができます。
対象となるものは下記であり、ビジネスに関するさまざまなデータが含まれています。

  • メール、インターネットを介した電子取引
  • 会計ソフトなどを介した電子帳簿や電子書類
  • 紙媒体を画像データ化したもののようなスキャナ保存

受注者と発注者間で、電話回線やインターネットを経由してやり取りが行われるEDIも電子帳簿保存法に含まれます。
令和3年の法改正では令和4年4月1日以降、下記の変更がありました。

税務署長の事前承認制度が廃止

これまでは電子的に作成した国税関係の帳簿を電子データで保存する際、税務署長の承認が必要でした。
しかし、この度の法改正では事業者の業務負担を軽減するため、事前承認は不要となりました。

優良な電子帳簿に係る過少申告加算税の軽減措置を調整

下記に述べる国税関係帳簿について、優良な電子帳簿の要件を満たしている場合、事前に申請していると税額が5%軽減されます。

  • 所得税法・法人税法に基づき青色申告者(青色申告法人)が保存しなければならないこととされる総勘定元帳
  • 仕訳帳その他必要な帳簿(売掛帳や固定資産台帳等)
  • 消費税法に基づき事業者が保存しなければならないこととされている帳簿

なお、優良と判断されるためには事実を確認できるものや、速やかに出力できることが満たされている必要があります。
本措置の適用を受けるためには、その旨を記載した届出書をあらかじめ所轄税務署長に提出しなければなりません。

最低限の要件を満たす電子帳簿でも電磁的記録による保存等が可能

正規の簿記の原則に則って記録されたものに限り、電子帳簿でも電磁的記録による保存が可能となります。
概要書や仕様書、操作説明書、事務処理マニュアルといったシステム関係書類が保存用件です。
また、保存場所にはパソコンやプログラム、ディスプレイ、プリンタなどにマニュアルを備え付けている必要があります。

EDIは電子データ取引であることから、書面ではなくデータで保管しなければなりません。

参考ページ:国税庁ホームページ「電子帳簿保存法が改正されました」
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/pdf/0021005-038.pdf

EDIデータの保存対象

法改正によって、EDIデータの保存対象は下記に定められました。

  • 電子メールやインターネットからダウンロードした請求書や領収証のデータ
  • クラウドに蓄積されている電子請求書や電子領収書
  • クレジットカードの利用明細データ
  • 交通系ICカードによる支払いデータ
  • スマートフォンアプリの決済データ
  • ペーパーレス化によって電子データとなったFAXのデータ
  • DVDなどの記録媒体に保存されているデータ
Electronic Data Interchange

このように、EDIデータの保存対象は多岐にわたるため、自社で管理や保管がしやすいものを選ぶ必要があります。
前提として、EDIデータの提出が求められた際には視認性が高く、すぐに必要な情報を抽出できることが重要です。

EDIデータの保存に関する注意点

こちらでは、EDIデータの保存に関する注意点をご紹介します。

改ざん防止措置が取られている

電子データで重要なポイントとして、保存しているデータの真実性が確保されていることが挙げられます。
真実性とは、改ざんされておらず正しいデータであることを指すもので、下記の方法で改ざんを防止することができます。

  • タイムスタンプが押されている
  • 訂正や削除の履歴が残るようなシステムでデータをやり取りしている
  • 改ざん防止のための処理が行われている
データを保存中のパソコン

法律で定められた方法でデータが検索できる

法律では、下記の方法で検索できるようにデータを保管しておくことが求められています。

  • 日付・金額・取引先で検索ができる
  • 範囲指定をして、単体または複数の項目で検索が可能

スムーズに税調査を行うことができる

場合によっては、税務署からデータの提出や実地調査が求められることがあります。
これらが求められた場合、担当者が迷わずに操作できるように教育を施したり、マニュアルを作成したりしなければなりません。
また、必要な場合にデータを確認できるように、アクセス権やダウンロードが可能な機能が搭載されている必要があります。

おわりに

本記事では、電子帳簿保存法の改正でEDIはどう変わるのかについてご説明しました。
下記、今回の法改正で変更となった項目です。

  • 税務署長の事前承認制度が廃止
  • 優良な電子帳簿に係る過少申告加算税の軽減措置を調整
  • 最低限の要件を満たす電子帳簿でも電磁的記録による保存等が可能

EDIデータを保管する際は、改ざん防止措置が取られていて必要なデータをすぐに引き出せるような状態にしておきましょう。

当社ではお客様のご要望や課題をお伺いし、システム開発からネットワークまで、さまざまなサービスをご提供しております。
EDIに関するサービスもご提供しておりますので、ご興味がある方はお気軽にご相談ください。

当社サービスページ:EDI – ソリューション
https://www.niandc.co.jp/sol_cat/edi/

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