統合EDIパッケージ『EDIPACK®21 v4.0.0』をリリース!
投稿者:藤基

2025年6月9日、企業の電子データ交換(EDI)業務をサポートする弊社の統合EDIパッケージ『EDIPACK®21』の最新バージョン(v4.0.0)が提供開始されました。
新バージョンでは、近年のビジネス環境の変化や技術革新を受けて、多くの新しい機能と改良が盛り込まれています。これにより、法規制対応やセキュリティ強化はもちろん、さらなる業務効率化を実現されます。
今回は、この新バージョンのポイントについて詳しくご紹介していきます。
●新バージョン「EDIPACK21® Ver4.0.0」の概要
新バージョンは、お客様の価値向上を目的として、国際規格への迅速対応や電子帳簿保存法対応、最新セキュリティ技術、システム基盤拡充を実現します。それぞれの詳細は以下となります。
1.国際標準規格 ISO20022に準拠した外国送金サービスへの対応
株式会社NTTデータが提供する外国送金ファイル伝送サービス(※1)に対応しました。
外国送金業務をファイル伝送(SWIFT経由)で行っている企業向けにセキュアな伝送を提供します。
(※1)AnserDATAPORT® 外国送金のISO20022対応
2.電子帳簿保存法改正に伴う対応
電帳法改正により義務化された電子取引データ(EDIデータ)の電子保存に対する対応です。
EDIデータを当社ストレージサービス(※2)に自動的にアップロードする機能です。
これにより、EDIデータを長期間安全に保存したい企業のご要望に対応します。
(※2)オンラインEDIストレージサービス(OESS)
3.暗号化通信プロトコル TLS 1.3の対応
以下の手順において、暗号化通信プロトコルであるTLS 1.3(※3)に対応しました。
TLS 1.3は、以前のバージョンに比べて、ハンドシェイクの高速化、よりシンプルで強力な暗号スイートを採用している点などが特徴です。
(※3)全銀TCP/IP手順(広域IP網) / EDIINT AS2(AS2) / ebXML MSv2(ebXML) / JX / Web-API
4.稼働環境の拡充
稼働環境を拡充し、新たなOSおよびミドルウェア(※4)に対応しました。
(※4)
・オペレーティングシステム:RHEL 9.3以上
・Web HTTP Server:Apache HTTP Server 2.4
・Web Application Server:Apache Tomcat 10
・RDBMS:PostgreSQL 16
・JRE:IBM Semeru Runtime 21(LTS)
● 新機能
新バージョンでは、以下の機能が追加されました。
1.画面:運用監視画面のシステムエラー表示の改善
一覧表示しスクロールで確認できるように対応しました。
また、チェックボックスによるエラー表示の一括削除も可能になりました。
2.画面/内部:電子帳簿保存法改正に伴うファイル保存日数の改善
集配信データ及び基幹送受信データ、中間データにおける登録可能な保存日数が4桁に拡大しました。
これにより、同データの登録可能な保存日数が最大9999日に拡大しました。
3.内部:メッセージ種別振り分け機能の追加
任意の相手先コード・ファイル種別に振り分けることができる機能を追加しました。
集信したデータから振り分けキーとなる値を読み取り、振り分け先の相手先コード・ファイル種別を判別し振り分けることが可能になります。
4.内部:通信量集計機能の追加
データ量を集計する機能を追加しました。
集計対象は相手先コードやファイル種別、トランザクションの状態等で指定が可能です。
サマリ通信集計ファイルとその明細情報である通信量集計ファイルを出力します。
5.内部:XML未定義タグスキップ機能の追加
TranslatorのXML変換時において、未定義のXMLタグが入力ファイルに存在した場合に、定義済みのXMLタグのみをファイル出力する機能を追加しました。
これにより、入力ファイルに未定義のXMLタグが存在した場合でも、スキーマチェックによるエラーをスキップし、定義済みの情報のみを出力させることが可能になります。
6.内部:集配信及び基幹送受信完了後の0byte上書き処理機能の追加
集配信及び基幹送受信や変換等で生成されたファイルを設定ファイルで指定したキー項目を基に、0Byteで上書きする機能を追加しました。
上書き対象は相手先コードやファイル種別等で個別に指定することが可能です。
これにより、センシティブな情報等を含むデータを必要最小限の保存に留めることができます。
7.内部:ソートジョブの追加
入力ファイルをソートしファイル出力する機能を追加しました。
固定長 / CSV / TSV のファイル形式においてソートキーを任意に設定し並べ替えが可能です。
8.内部:XMLとJSONの相互変換ジョブの追加
JSON – XML順変換ジョブ(XML から JSON に変換)と、JSON – XML逆変換ジョブ(JSON から XML に変換)を追加しました。
これにより、XMLとJSONの相互変換が容易にかつ短期間で対応可能になります。
9.内部:DispPritrn.kshのPostgreSQL対応
集配信状況照会画面の情報をファイルへエクスポートする機能が PostgreSQL に対応しました。
10.通信:クラウドサービスへの対応機能の追加
Web-APIの通信機能を担うWebscriptにて、下記のクラウドサービスに対応しました。
日立 TWX-21 / トレードシフト / ジーニー
● 機能改善
新バージョンリリースに伴い、以下の主要な機能改善を行いました。
1.内部:初期パラメータの適正化
ミドルウェア等に関する初期パラメータの適正化を行いました。
2.画面:operations.log出力設定のデフォルト値変更
画面の操作履歴を出力するオペレーションログの初期出力区分を変更しました。
これにより、当ログがデフォルトで出力されるようになりました。
3.画面:ebXMLv2手順、ファイル情報設定画面の改善
ファイル情報設定画面の「サービス」項目に半角スペースを含めた設定が可能になりました。
4.通信:メール手順におけるメッセージ振分マスターに設定可能件数の改善
メール手順におけるメッセージ振分マスターの最大件数の改善を行いました。
これにより、最大999件の登録が可能となりました。
5.内部:エクスポートコマンドの追加プロトコル分機能の改善
相手先情報エクスポート(duser)と集配信情報エクスポート(dfile)のコマンドが以下3つの追加プロトコルに対応しました。
プロトコルパッケージ / ZEDI / JX拡張(ADP)
6.通信:AS2手順:同時通信における署名検証機能の改善
特定条件下においてエラーが生じる場合があった同通信の同時通信における署名検証処理の改善を行いました。
7.通信:JXクライアント手順:リトライ後通信における例外エラーの改善
特定条件下において通信エラーのリトライおよびリラン実行時にエラーが生じる場合があった不具合を改善しました。
8.通信:全銀TLSクライアント/サーバ手順におけるタイムアウト仕様の改善
全銀TLSクライアント/サーバ手順におけるタイムアウト処理の機能を改善しました。
● さいごに
『EDIPACK®21』は、時代のニーズをしっかり捉え、企業のEDI業務を全方位的にサポートするツールとしてバージョンアップしました。この新バージョンが、皆さんの業務を快適に、効率的に、そして安全に進める力になれれば幸いです。
興味を持たれた方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
<本件に関するお問い合わせ先>
日本情報通信株式会社 EDI事業本部
E-mail:edi_contact@niandc.co.jp