セキュリティ対策の要!ALogで始めるログ管理
投稿者:セキュリティ&ネットワーク事業本部 川崎
はじめに
こんにちは。セキュリティ担当の川崎です。
サイバー攻撃や内部不正等による情報漏洩が増加する現代、ログ管理がこれまで以上に重要な意味を持っています。
「誰が、いつ、何をしたか」を記録するログは、サイバー攻撃の兆候や痕跡、不正の発見や追跡、さらにはコンプライアンス対応にも欠かせない不可欠な存在です。
しかし、ログ管理についてには「見づらい」「扱いづらい」と感じる企業も多く、実際には十分に活用できていないケースも見受けられます。特にWindowsイベントログのような専門知識を要する形式は、多くの運用担当者にとって大きな障害となっています。
網屋が開発するログ管理ツール(SIEM) ALog は、この課題を解決するために生まれました。ログを見やすく、使いやすい形で提供することで企業のセキュリティ運用を効率化し、情報漏洩や不正リスクを軽減します。
※ SIEM……“Security Information and Event Management”の略称で、直訳すると「セキュリティ情報とイベント管理」。ログ管理ツールの一種であり、複数のセキュリティ機器やシステムのログを集約・分析してセキュリティインシデントを検知・対応する仕組みを提供します。 ALogはこのSIEMの機能を提供するツールのひとつです。
目次
1. なぜ今、ログ管理が重要なのか?
~ログ管理の問題が浮き彫りになったケース~
ログ管理の重要性を具体的に示す事例として、過去にいくつかの目立った情報漏洩事件がありました。
その中でも、日本企業の事例を中心に以下のケースを紹介します。
1.1. 教育業界大手企業 個人情報漏洩事件(2014年)
- 概要: 教育業界大手企業にて、顧客である児童や保護者の個人情報が約3500万件流出する事件が発生しました。この事件は、派遣社員によるデータ不正持ち出しが原因とされています。
- ログ管理の課題: 報道では、データ持ち出しの過程で不適切なアクセスが継続的に行われていたにもかかわらず、それを即座に特定・追跡するログ管理体制が十分でなかったことが指摘されています。適切なログ管理があれば、不審なデータ持ち出しに早期に気づけた可能性があります。
1.2. 公的機関 情報漏洩(2015年)
- 概要: 公的機関にて、職員がフィッシングメールに応答したことで125万件以上の個人情報が漏洩しました。
- ログ管理の課題: この事件では、外部からの不審な通信に対する監視や、それを追跡できる社内システムのログ管理が不十分だったとの指摘があります。ログが充実していれば、外部からの不審なアクセスを早い段階でエスカレートできていた可能性があります。
1.3. 観光業界大手企業 メールサーバー侵害(2021年)
- 概要: 観光業界大手企業にて、メールサーバが不正アクセスを受け、従業員を装った詐欺メールが多数送信される事件が発生しました。
- ログ管理の課題: サーバの不正アクセスにおけるログが十分に監視されていれば、不正侵入の兆候を事前に察知し、被害拡大を防ぐことでより迅速な対応が可能だったとされています。
- ソース: サイバーセキュリティ.com
これらの事例を通じて明らかなのは、適切なログ管理がリスク軽減と迅速な対応に直結するということです。
ログが適切に収集・分析されていれば、「誰が、いつ、何をしたか」を明確にするだけでなく、内部不正や外部からの侵入を防ぐための強力なツールとして活用することができます。
2. ALogとは
ALogは、エージェントレス型のログ管理ソフトウェアとして、企業内のサーバや業務用PCにおける行動記録を「見やすく、扱いやすい」形式で収集・保管・分析することで、セキュリティ対応を効率化する、エージェントレス型の SIEMツールです。特に、可読性の高いログ形式によって、従来の煩雑なログ管理の課題を解決します。
主な取得対象
ALogが取得できるログの範囲は非常に広く、以下のシステムや操作をカバーしています:
- Windows サーバ/端末
- Linux サーバ
- Active Directory の操作履歴
- NAS やファイルサーバのファイルアクセスログ
これにより、以下のような情報を明確な形式で記録することが可能です:
- Active Directoryの設定変更や操作履歴。
- ファイル操作(削除、コピー、更新など)
- ユーザーのログオン/ログオフの履歴
- 権限変更やグループメンバーの更新など
ALogの特徴
- 可読性の高いログ
従来のログの形式(例:Windowsイベントログ)は専門知識が必要で、重要な情報を素早く確認することが困難でした。ALogでは、人間が理解しやすい形式に変換されたログが提供されるため、より効率的な運用が可能です。 - エージェントレス技術
クライアント端末にインストールする必要がない、エージェントレス設計によって、クライアント側の負担を最小化します。この技術により、多くの端末に対して導入コストや運用負担を減らしながら幅広く利用できます。 - 定型レポートへの対応
ALogでは、ログデータを元にした定型レポート(監査やコンプライアンス対応に必要な形式)を自動生成する機能があります。J-SOX、ISMS、GDPRといった規制への対応を簡素化し、監査の準備を効率的に進めることが可能です。 - アラート機能
危険な操作や異常な行動を検知した際にアラートを送信する仕組みを搭載しています。例えば、「USBデバイス接続+ファイルコピー」といった操作に警告を出すことで、早期対応を支援します。
これらの特徴が合わさることで、ALogは「誰が、いつ、何をしたか」という疑問を迅速に解決し、企業の安全な情報操作を支える強力なソリューションとしての価値を提供します。
3. ALogでできること
ALogの導入によって、企業は以下のような具体的な方法でログ管理を活用することができます。
ALogを導入することで、ログ管理の課題を解決し、以下のような具体的なユースケースに対応できます。
3.1. ユーザー操作をトレース
「誰が、いつ、何をしたか」を簡単に追跡できるのがALog最大の強みです。
たとえば、「特定のユーザーによって削除されたファイル」や「誰が深夜にサーバにログオンしたのか」といった疑問も迅速に解消できます。履歴の明確化により、次の項目を把握できます:
- 誰が:操作を行ったログインユーザー。
- いつ:操作を実行した日時。
- どこで:操作されたサーバや端末、ファイルの配置場所。
- 何をしたか:ファイルの削除やコピー、権限変更など操作内容の詳細。
3.2. フィルタと検索機能
大量のログデータの中からも対象を瞬時に効率的に抽出可能です。ALogのフィルタ機能を使うと、以下の条件でログを絞り込むことができます:
- ユーザー名:特定の従業員の行動履歴を特定。
- 操作の種類:削除、移動、コピー、権限設定、などの操作種別で分類。
- 対象ファイル名/拡張子:データの内容や種類に基づく検索(例:機密文書.xls)。
膨大なログから必要な情報を効率的に探し出すことで、迅速な調査が可能になります。
3.3. アラート設定で異常を検知
ALogのアラート機能を活用すると、リアルタイムで異常な行動を検知して対処することが可能です。以下が代表的なアラートシナリオの例です:
- 深夜のサーバログオン:勤務時間外のログオンや操作を検知。
- USB接続+ファイルコピー:外部デバイスに不審なデータ転送が行われた場合に即時通知。
- 管理者権限付与:システム管理権限の操作を監視して不正を未然に防ぐ。
これにより、人的ミスや内部不正への早期対応が可能となります。
3.4. Active Directoryの証跡管理
Active Directoryの操作履歴を記録する機能もALogが提供する重要な要素です。たとえば、以下のようなログを取得・管理できます:
- 権限変更(例:管理者への昇格操作)
- グループの追加・変更・削除
- ユーザーアカウントの作成や削除
これにより、内部不正やヒューマンエラーに対する調査と追跡が容易になります。
3.5. 他のSIEMプラットフォームとの連携
ALogは、企業全体のセキュリティ連携を強化するために、他のSIEMプラットフォームとの統合機能を備えています。大規模な組織での包括的なセキュリティ監視を実現し、高度な脅威検知やレポート機能を追加することも可能です。
4. おわりに
ALogは、単なるログ収集ツールにとどまらず、「可視性」と「制御性」を備えたログ管理ソリューションとして多くの企業に導入されています。特に以下の点で価値があります:
- 内部脅威の早期発見:見えないリスクを見える化してリスク回避。
- コンプライアンス遵守:J-SOXやGDPRを含む規制対応を簡素化。
- 運用効率化:膨大なログから目的のデータを素早く特定。
さらに、「誰が」「いつ」「何をしたか」を証明することで、問題発生時の迅速な解決を可能にします。ALogは現在のサイバーリスク時代において、企業の情報セキュリティ管理の中核を担う存在と言えるでしょう。
ALogに興味のある方は、以下のリンクから是非お問い合わせください。
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