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【デネクトの和】#8 生成AIでマーケティングは次の時代へ!〜成功に導く3つの力と5つの戦略〜

投稿者:danect⁺コラム


なぜ今、生成AIがマーケティングを変えるのか?

前回のコラムでご紹介したAIエージェントの進化は、マーケティングの世界でも私たちの想像を超えたスピードで塗り替えています。これは「ちょっと便利になる」というレベルではなく、従来のマーケティングがぶつかっていた時間・コスト・創造性の限界という分厚い壁を、生成AIが根底から覆しに来ています。顧客との関係性そのものを生まれ変わらせる「マーケティング変革(Marketing Transformation)」が始まっているのです。

この時代に乗り遅れずに成功を掴むためのポイントは、マーケティングにおける生成AIの「3つの革新的な力」を正しく理解すること、そして着実に生成AIを業務に導入するための「5つの戦略的導入ステップ」が重要となります。

今回はそれらのポイントをチェックしていきましょう。

マーケティングの視点で見る生成AI「3つの革新的な力」

従来のAIが苦手としていた「創造性」や「非定型な業務」に踏み込んだのが、生成AIの真骨頂です。まずは皆さんのマーケティングを次のステージへ導く、革新的な3つのポイントをご紹介します。

1. ハイパー・パーソナライゼーションの実現

いままで多用してきた大勢を同じグループで括る「セグメント」の時代は終わります。 生成AIは、顧客一人ひとりの行動データはもちろん、感情の動きやリアルタイムの状況までを複合的に読み解きます。その結果を踏まえ、「〇〇さん専用」の広告コピーや、思わず目を留めるビジュアルを瞬時に生成することができるようになります。これにより顧客体験(CX)の質は飛躍的に向上し、まるで一対一で語りかけられているような深いエンゲージメントが生まれます。これがいわゆる「ハイパー・パーソナライゼーション」です。

2. クリエイティビティの加速と量産

「ネタ切れ」「リソース不足」といったコンテンツ制作のボトルネックは、多くのマーケターが経験したことでしょう。(かくいう私もその一人です。) このコンテンツ制作における障壁も、生成AIを使えば市場トレンドや社内データを瞬時に分析し、新しいキャンペーンアイデアを次々と提案します。さらに、多言語・多チャネルに最適化されたコンテンツを自動で大量生産することも可能になります。前述で作成した膨大なパターンのクリエイティブの中から最も効果の高いものをリアルタイムで見つけ出し、常にベストな施策を打ち続けられるため、コンテンツ制作が劇的に変わります。

3. 分析から自律的なアクションへ

これまでは、分析担当者がデータを見て戦略を考え、施策実行担当者に渡す、という人の手を介したプロセスがありました。 しかし、AIエージェントは、非構造化データ(例:顧客レビュー、通話記録)から戦略的な洞察を抽出し、予測に基づいたアクションを自律的に実行してくれます。例えば、「この顧客は離脱の兆候あり」と予測したら、人間の指示を待たずに、最適な引き止め策のコンテンツを生成・配信するなど、「分析」と「行動」がシームレスに連携されます。これによりマーケティングのスピードは格段に上がります。

変革を成功に導く! 失敗しない「5つの戦略的導入ステップ」

これらの生成AIを一過性のブームで終わらせず、持続的な競争優位性に変えるためには、闇雲な導入は禁物です。以下の戦略的なステップで、確かな土台を築きましょう。

ステップ1: 「コスト」ではなく「未来への投資」と捉えるビジョンの共有

まず初めに、社内で生成AIを単なる「効率化ツール」ではなく、「新しい価値を生み出す戦略的な資産」と位置づけることが肝心です。AI活用が、どのような顧客体験とビジネス成果(顧客生涯価値 LTVの向上など)に繋がるのか、経営層から現場まで、明確なビジョンを熱量を持って共有することが重要になります。

ステップ2: スモールスタートと汎用的なユースケースの特定

生成AIを使い始める際に、大きなリスクを負う必要はありません。まずは「SNS投稿の魅力的な下書き作成」や「開封率が上がるメール件名生成」など、成果が見えやすい高頻度業務からMVP(最小限の製品)思考で素早く導入しまましょう。成功体験を積み重ね、効果を定量的に測定しながら、次に繋げることが重要です。

ステップ3: データ基盤の整備とAI連携強化

生成AIの知性の源泉は、言うまでもなくデータです。顧客データを一元管理するCDP(Customer Data Platform)などの基盤整備は、今すぐ着手すべき最重要課題と捉ええください。また、AIの不正確な情報(ハルシネーション)を防ぐために、社内データを参照させるRAG(検索拡張生成)技術を戦略的に活用し、AIの精度と信頼性を高めていきましょう。

ステップ4: 組織・人材のリスキリングと再編成

AIが作業の大部分を担う時代になると、マーケターのスキルも進化が求められます。AIに的確な指示を出す「プロンプトエンジニアリング能力」や、AIが生成した情報を正しく評価し、「ファクトチェックする能力」は必須スキルとなります。AIを最大限に活用できる、新しい組織体制への変革が必要になります。

ステップ5: ガバナンスと倫理規定の確立

AIの力を最大限に引き出しつつも、著作権や個人情報保護といったリスクを抑え込むことは大前提です。社内における倫理規定や最終承認プロセスを明確に定め、特にAIが偏ったコンテンツを生成しないよう、公平性の確保に努めましょう。「信頼」はAI時代において企業が最も重要視すべき資産となります。


AI時代のマーケターに求められる新たな資質

AIの進化は、マーケターの役割を「作業者」から「戦略家」へと大きく変えます。

AIがどんなに進化しても代替できない最も重要な資質、それは「本質的な問いを立てる力」と、AIのアウトプットを評価し「より良い結果へと導くフィードバック力」です。

そして何よりも、企業と顧客の信頼関係を担う、「人間中心の視点」を持ち続けることです。AIと共にビジネスの価値を最大化していくことが、これからのマーケターの最も重要かつクリエイティブな役割となるでしょう。

この変革に乗り遅れないためにも、まずはデータ基盤の整備と、効果的なスモールスタートを切ることが重要です。日本情報通信(NI+C)は、このAI時代の変革を共に歩むパートナーとして、お客様を全力でサポートいたします。 ぜひ、お気軽にご相談ください。


Treasure Data Connected World 2025 出展のお知らせ(12/2開催)

Treasure Dataが開催するフラッグシップイベント「Treasure Data Connected World 2025」に日本情報通信はGOLDスポンサーとして出展いたします。また、当社が導入・活用を支援した千葉銀行様による、CDP活用を通じた具体的な成果をご紹介するセッション講演も決定しました。

【講演内容】  12月2日(火) 15:05~15:35

CDPで最高の顧客体験を創造!千葉銀行が目指すOne to Oneマーケティング

【登壇者】榎本 康茂 様(千葉銀行 デジタル戦略部 調査役)
     中田 寛之(日本情報通信 データ&アナリティクス事業本部 本部長補佐 兼 データサイエンス部 部長)

千葉銀行様は2025年3月、当社の協力のもと、TreasureDataを導入し「分析・マーケティング基盤」を構築しました。このCDPを活用し、顧客一人ひとりのニーズに合致した商品・サービスを、最適なタイミングとチャネルで提供する「One to Oneマーケティング」を推進しています。本セッションでは、このCDPを活用した具体的なマーケティングシナリオと、導入によって得られた効果について詳しくご紹介します。


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ご関心・ご興味がございましたら是非お気軽にお問い合わせください。

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