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watsonx Orchestrateの進化がすごい!GUI操作だけで簡単エージェント作成

投稿者:土橋

本TechBlogは、Team xG Advent Calendar 2025 23日目の記事になります。

はじめに

こんにちは。NTTインテグレーションの土橋です。

皆さんは「AIエージェント」という言葉をご存じでしょうか?
AIエージェントは自律的にタスクを判断し実行することができるAI技術のことを指し、今やビジネスの現場で最も注目されるテクノロジーの一つとなっています。

IBMのAIエージェントプラットフォームである「watsonx Orchestrate」も、ここ最近で目覚ましい進化を遂げています。

「watsonx Orchestrate」は、前回TechBlogでご紹介した際(こちら)からUIが刷新され、操作性がさらに向上しています。

そこで今回は、以前よりもずっと直感的、かつ簡単にAIエージェントを構築できるようになった「watsonx Orchestrate」の最新機能と、エージェント作成の具体的な流れをご紹介します。

AIエージェントの作成してみよう!

AIエージェントを作成する際は、はじめに「watsonx Orchestrate」の画面左上にあるハンバーガーメニューから「Build」を選択し、「Create agent」を押します。

ボタンを押すと、以下のエージェントを作成する画面に遷移します。この画面では、エージェントをどのように作るか2種類から選択できます。

「Create from scrach」では、一からエージェントを作ることができ、自分好みのエージェントにカスタマイズすることができます。

「Create from template」では、既存の他のエージェントを基にエージェントを作成することができます。

今回は、「Create from scrach」を選択し、「Name」にエージェントの名前、「Description」にエージェントの説明を書いて、「Create」を押し、エージェントを作成します。

以下のような画面に遷移できたらエージェントの作成完了です!
とても簡単にAIエージェントを作成できるのがご確認いただけたと思います。

AIエージェントをカスタマイズしてみよう!

ここからは作成したエージェントに機能を追加し、自分好みのエージェントにカスタマイズする方法をご紹介します。

①ドキュメントを読み込む

「watsonx Orchestrate」では、「Knowledge」からドキュメントをAIに読み込ませ、ドキュメントの内容を基に回答を生成できるよう設定することができます。

「Knowledge」の「Add source」を押すと以下の画面が出てきます。
新規のドキュメントを読み込ませたい場合は、「New knowledge」を選択します。

knowledge sourceでは、Milvus・Elasticsearch・Custom service・Astra DB・Upload filesから選択することができます。
今回は「Upload files」から、架空の会社である株式会社テストエージェントの就業規則をアップロードしてみます。
ドキュメントをアップロードする際は、ドキュメントの名前「Name」と「Description」を記載する必要があります。以下のように記載して、ドキュメントのアップロードを完了させます。

これでドキュメントのアップロード設定は完了です!

ドキュメントのアップロードが完了したというポップアップを確認したらプレビュー画面をリロードし、チャットを試してみましょう。

アップロードしたドキュメントには、有給休暇の日数を以下のように定義しています。

そこで、エージェントに「有給休暇の日数について教えて」と聞いてみます。
結果は以下の通りです。

ドキュメントの内容に基づいた回答が返ってきました!

このように、「watsonx Orchestrate」では簡単にRAGを実装することができます。

②全体動作のルール設定

「watsonx Orchestrate」では、エージェントの応答を全体的に設定できる「Behavior」という機能があります。

「Behavior」に「回答を構成する際は、常に丁寧な敬語(ですます調)を使用し、ビジネスシーンにふさわしい清潔感のあるトーンを維持してください。」と記入します。

そして、プレビュー画面をリロードし、再度同じ質問「有給休暇の日数について教えて」と質問します。
回答は以下の通りです。

「Behavior」に設定した内容に応じて回答が変化しました!

このように、エージェントからの出力全体を設定したいときは「Behavior」にルールを記載することで、エージェントの応答を制御できます。

③ツールを追加する

「watsonx Orchestrate」では「Tool」という機能で外部システムとAIエージェントを連携させることができます。

「Tool」では、ユーザーに代わってデータを照会したり、ドキュメントを作成したり、トランザクションを実行することができます。

「Tool」を利用するには外部システムと接続が必要になります。
接続に関しては、Team xG Advent Calendar 2025 22日目の記事である「【watsonx Orchestrate】プリビルドエージェントを使ってSlackにメッセージを送信してみた」をご参照ください!

ほかにも「watsonx Orchestrate」には「Guidelines」という機能で、「Tool」を使う際のルールや回答方式を設定することができます。

さいごに

今回は「watsonx Orchestrate」の最新機能について簡単にご紹介しました。

AIエージェントを取り巻く技術革新のスピードは凄まじく、まさに日々進化を続けています。

ほんの少し前までは高度な作り込みや工夫が必要だったRAGも、現在の「watsonx Orchestrate」では驚くほど簡単に、かつ直感的に実現できるようになりました。

今後も大きなアップデートや便利な新機能が登場した際には、ブログでご紹介していきます。

この記事を通して、IBMの次世代AIエージェントプラットフォームである「watsonx Orchestrate」に、少しでも興味を持っていただけたら幸いです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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