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【デネクトの和】#11 『こういう事も分析できちゃうの?!』王道&ちょっと意外な分析テーマをご紹介

投稿者:danect⁺コラム


「分析ツールは導入した。研修も受けさせた。しかし、現場から上がってくるのは『先月の売上集計』ばかり……」


このような悩みをお持ちの方、いらっしゃいませんか?
実際、多くの企業が「データ分析の内製化」を目指しながらも、「何を分析すればビジネスが変わるのか(What)」、「どうやってそれを実装するのか(How)」という問題に板挟みされている状態になっています。

今回は、データ分析の可能性を広げるために各業界でよく分析されるテーマと、業界別にご紹介します。そして、それらを絵に描いた餅に終わらせず、社内の資産として定着させるために必要なポイントについて解説します。


Part.1 データでここまで見える!業界別 王道&ちょっと変わった分析テーマ

多くの担当者は「データ分析=数値の集計・予測」という固定観念に縛られがちです。
しかし、最新のツールと視点があれば、人間の「感覚」や「予兆」さえもデータ化することが可能です。
以下に紹介する事例は、一般的なデータ分析の知見に基づくものですが、適切なツールとノウハウがあれば実現可能なテーマです。また、他業界はどんな分析をしているのかも少し気になりませんか。たまには他業界にも目を向けてみると、何か新しい発見があるかもしれません。
自社のデータで何ができるか、ぜひ想像を膨らませてみてください。

Case 1 小売業界:「売れる商品」ではなく「離反のサイン」を見抜く

一般的なイメージだと、 バスケット分析(併売分析)。「ビールとおむつ」のように、一緒に買われる商品を見つけてクロスセルを狙う、などが有名な分析例です。

ちょっと変わった分析テーマとして挙げるのは、『離反予備軍が最後に買う商品』の特定です。
売上を伸ばすこと以上に重要なのが、顧客流出の防止ですよね。このテーマで「特定の安売り商品ばかりを購入するようになった顧客は、3ヶ月以内に来店しなくなる」といったパターンの予兆検知を行います。 顧客一人ひとりの行動をパーソナライズ化し、リスクの高い顧客に対して先回りでクーポンを発行するなど、個別のマーケティング施策へと繋げることが可能です。

Case 2 製造業界(食品):「職人の舌」をデータ化する

製造業界では、原材料コスト管理や、生産ラインの歩留まり改善などがよく挙げられる分析テーマでしょう。
やはり、決められたコストで期日通りに商品を生産するのは製造業での大命題ですよね。

大手食品会社などで最近行われている分析テーマは、『おいしさ』の黄金比予測(官能評価モデル)です。
ベテラン開発者の「勘」に頼っていた味作りを科学しており、糖度、酸度、塩分濃度などの成分データと、モニターによる「コクがある」「キレがある」といった官能評価スコアを掛け合わせ学習させます。「成分をどう配合すれば、人間がおいしいと感じるか」をAIが予測することで、新商品開発のトライ&エラーを劇的に減らすことができます。

Case 3 流通・物流業界:ベテランドライバーの「暗黙知」を標準化

流通・物流業界と言えば、やはり配送ルートの最適化(距離と時間の短縮)が挙げられます。最近では渋滞情報や天候などのリアルタイムな情報を活用するケースも一般的になりましたよね。

ちょっと意外な分析テーマは『荷待ち時間』を含めた実質稼働率予測です。地図上の最短ルートだけでなく、配送先ごとの過去データから「この納品先は雨の日に荷受けが30分遅れる」「特定の曜日は混雑する」といった傾向を予測モデルに組み込みます。ベテランドライバーだけが知っていた「現場のリアル」を計画に反映させることで、無理のない配送計画とドライバーの負荷軽減を実現します。

Case 4 銀行業界:現金の「賞味期限」を予測する

顧客の与信審査(クレジットスコアリング)は金融業界でかなり古くから行われてきました。顧客の支払い能力(信用)を客観的に評価し、貸倒れや未回収リスクを回避するために無くてはならない分析業務です。

現在は、地域の『イベント』と連動したATM現金需要予測なども行われています。
給料日や月末などのカレンダー要因に加え、近隣でのコンサートや祭り、天気予報などの外部データを統合します。「このATMはイベント開催時に急激に現金が引き出される」という特異点を予測し、警備会社による現金輸送(補充)のタイミングとルートを最適化することで、巨額の物流コストを削減することができます。

Case 5 IT・Webサービス業界:解約アンケートよりも正確な「沈黙の離脱」予測

自社から提供したり保有しているサーバーのCPU使用率監視はIT業界ではもはや必須の業務です。その使用率を分析して、いかに効率よくリソースを運用することはどのIT企業も行っているでしょう。

そんなIT・Webサービス業界でのちょっと意外な分析テーマは、機能利用率とログから見る『サイレント・チャーン(解約)』です。サブスクリプション型サービス(SaaS)が台頭した現在、顧客は解約を告げる前に「特定の機能を使わなくなる」などのサインを出しています。「ログイン頻度は変わらないが、レポート出力機能を使わなくなったユーザーは翌月解約する確率が80%」といった複合的な条件をログから発見します。 解約アンケートで「使いにくかった」と言われる前に対策を打つ、攻めのカスタマーサクセスを実現します。


Part.2 なぜ、この分析が「社内だけ」ではできないのか?

「面白そうなテーマだ。よし、うちでもやってみよう」 そう思ってプロジェクトを立ち上げても、多くの企業が挫折します。それは2つの障壁があるからです。

障壁1 教科書と実務のギャップ

トレーニングを受けただけでは、いざ自社の複雑なデータを前にしたとき、「どう加工すればいいかわからない」「この変数を変えたいのにマニュアルに載ってない」という壁にぶつかります。

障壁2 相談相手の不在

上記のように分からないことが出てきた時、また、分析中にエラーが出たり、モデルの精度が上がらなかったりした際、身近に相談できる“経験豊富なスペシャリスト”がいません。孤独な試行錯誤は時間だけを浪費した結果、「こんなに時間をかけたのに・・・」と担当者のモチベーションを奪います。

Point💡「先生」がいれば、自転車はすぐに乗れるようになる

分析の内製化は、自転車の練習に似ています。 座学で乗り方を学び、いきなり一人で公道を走ろうとしても転倒します。必要なのは、実際に走り出すその瞬間に横について支え、バランスを崩しそうになったらアドバイスをくれる「伴走者(先生)」の存在です。あなたの会社にも「先生」を呼んでみませんか?


「これって分析したら面白いかも!」をかたちにしてみませんか?

弊社が提供するdanect⁺ データ分析伴走サポートは「お客様自身が分析できるようになること」をゴールとした、人材育成と実務支援を兼ね備えたプログラムです。

業界知識を持ったコンサルタントの知見は、ツールに詳しいだけでなく、業界・業務に関するノウハウを持っています。
「IT業界のログ分析なら、この前処理が必要だ」「小売の離反分析なら、この変数を入れるべきだ」といった実践知を提供できるため、分析プロジェクトの迷走を防ぎます。

もし、自社内で以下のようなお悩みをお持ちなら、ぜひ一度ご相談ください。

  • 「トレーニングを受けただけでは、分析の進め方に自信が持てない。」
  • 「分析経験が豊富な人材が社内にはおらず、身近に相談できる環境がない。」
  • 「トライアルプロジェクトを立ち上げたいが、進め方に不安がある。」

NTTインテグレーション(NI+C)の知見とノウハウをベースに、お客様と最適なデータ利活用の未来を共創します。

サービスの詳細はこちらから→ danect⁺データ分析伴走サポート


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