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【第2回】:企画から10分でサイト公開!?IBM Bobで作る「使い捨て」キャンペーンサイト〜Bobathon奮闘記 その2(顧客課題編)〜

投稿者:泉

はじめに

こんにちは!NTTインテグレーションの 泉です。

先日、IBMのコードアシストエージェントサービス「IBM Bob」を題材としたハッカソン、通称「Bobathon」に、私の所属するTeam xG から3名で参加してきました。

本ブログでは、私たちがこのハッカソンで取り組んだ「IBM Bobを活用した業務効率化と新規価値創出」の成果を、全3回の連載形式で皆さまにお届けします。

連載第2回目となる今回は、「顧客課題編」です。

前回の第1回ではエンジニア目線の「自社課題」にフォーカスし、開発環境構築の自動化についてご紹介しました。まだご覧になっていない方は、こちらから先にお読みいただけると嬉しいです。

さて今回は、ビジネスサイドの視点に切り込みます。お客様が抱えるビジネス上の課題を設定し、IBM Bobを活用してどのようなスピード感ある解決策を提示したのかをご紹介していきます!

ビジネス現場のリアルな課題:「SNSトレンドは待ってくれない!」

今回のハッカソンで、私たちがターゲットとして想定したお客様は「小売・EC事業者」や「広告代理店」の皆さまです。

日々のマーケティング活動の中で、突発的にSNSでバズった「流行語」や、直近に迫った「特定の記念日」に乗じて、「今すぐキャンペーンを打ち出したい!」と企画が持ち上がることは少なくありません。トレンドの波に乗ることは、絶好のビジネスチャンスだからです。

しかし、いざ特設のキャンペーンサイトを作ろうとすると、大きな壁にぶつかります。それは「圧倒的な時間の不足」です。

通常のフローでサイト制作を外注(あるいは社内の別部門に依頼)すると、要件定義、デザイン制作、コーディング、テスト・・・と、公開までに多大な時間と労力がかかってしまいます。サイトが立派に完成した頃には、悲しいことにSNSのトレンドは完全に過ぎ去っており、誰も見向きもしてくれません。

「機会損失を防ぐために、アイデアを思いついてから数日でサイトをリリースしたい」

この「トレンド即応性」に対する切実なニーズに、私たちはIBM Bobを使って応えることにしました。

IBM Bobを使った解決策:10分でサイトを作成する「爆速アジャイル開発」

トレンドを逃さないためには、完璧な要件定義や何重もの承認フローを経ている暇はありません。そこで私たちが提案したソリューションは、トレンド即応型の「使い捨て」キャンペーンサイトというコンセプトです。

長期間運用する堅牢なサイトではなく、数日間〜数週間だけアクセスを集めるための、軽量でインパクトのあるサイト。これを、IBM Bobのコード生成能力をフル活用して「爆速」で作ってしまおうという作戦です。

Bobは、自然言語(日本語)での曖昧な指示からでも、文脈を汲み取って適切なWebサイトのコード(HTML/CSS/JavaScript)を一瞬で組み上げてくれます。

「多大な時間と労力かかっていた工程を、Bobの力でどこまで短縮できるのか?」

実際のデモンストレーションの様子をご紹介します。

実践!Bobとの対話フロー

ここからは、企画担当者がアイデアを思いつき、自らBobに指示を出してサイトを作り上げていくシチュエーションを想定した対話フローです。

Step 1:ざっくり指示で初期デザインを生成

プロンプト:

「IBM Bobのキャンペーンサイトを作ってください。」

細かいデザインの指定は一切していません。しかし、Bobはこの短い指示から「キャンペーンサイトに必要な要素」を推測し、すぐにコードを生成してくれます。

驚くべきことに、ここまでの所要時間は約5分です。

すでに「あと○日○時間」と動くカウントダウンタイマーまで実装された、それらしいベースデザインが完成してしまいました。

Step 2:チャットベースでの柔軟な軌道修正

初期デザインは少しサイバーな雰囲気でしたが、実は今回のキャンペーンは「バレンタイン」を想定していました。そこで、Bobにデザインの軌道修正をお願いします。

ここがAIエージェントの素晴らしいところです。コードを直接書き換える必要はなく、チャットで話しかけるだけで済みます。

プロンプト:

「バレンタインがそろそろ近いので、バレンタイン仕様なデザインに変更してください」

するとBobは即座に既存のコードのカラーパレットや装飾要素をバレンタインテーマに合わせて自動的に書き換えてくれました。

Step 3:バレンタイン仕様のサイトが完成!

修正指示からさらに数分待つと、プレビュー画面が更新されました。

先ほどまで青かったサイトが、見事なバレンタイン仕様(ピンクと赤を基調とし、ハートのモチーフがあしらわれたデザイン)にアップデートされました!もちろん、カウントダウンタイマーも引き続き機能しています。

成果:たった10分でキャンペーンサイトが完成!

初期生成:約5分
デザイン修正:約5分

なんと、合計たったの10分で、キャンペーンのテストサイトが完成してしまいました。

「1ヶ月」かかっていた外注制作のフローを考えると、まさに魔法のようなスピード感です。このプロトタイプをベースに微調整を行い、画像などを差し替えるだけで、数日以内、早ければその日のうちにキャンペーンをリリースすることが可能になります。

導入効果と今後の展望

今回の「使い捨てキャンペーンサイト開発」というユースケースを通じて、Bobの導入はビジネスに直結する以下の効果をもたらすと確信しました。

  • 機会損失の完全な防止:
    トレンドが発生したその瞬間にサイトを立ち上げられるため、最も熱量の高いタイミングでマーケティング施策を打つことができる。
  • 企画と開発のシームレスな連携:
    非エンジニア(企画担当者)でも、Bobを使えば「こんな感じのサイトにしたい」というモックアップを自ら数分で作れるため、社内での意思決定が劇的に早くなる。
  • 仕様把握の容易さ:
    Bobはサイトを作るだけでなく、README(仕様書)も自動生成してくれるため、後からエンジニアが引き継いで本格的な改修を行う際も非常にスムーズ。

一方で、ハッカソンを通じて今後の展望(Next Challenge)も見えてきました。大きく分けて「技術面」と「ビジネスプロセス面」の2つがあります。

1.技術的な展望:デプロイまでの自動化

現状では、Bobが作ってくれたサイトはあくまで「ローカル環境(手元のPC)」で動いている状態です。実際にユーザーに届けるためにはWebサーバーに公開(デプロイ)する必要があります。今後は、「サイトの生成からサーバーへのデプロイまでをBobの対話だけで一気通貫で行う」仕組みの構築にチャレンジしたいと考えています。

2.ビジネスプロセス的な展望:承認フローの自動チェック化

実はハッカソンの発表時、参加者の方からこんな鋭い質問をいただきました。

「キャンペーンサイトの公開には、お客様独自の承認フロー(ブランドガイドやコンプライアンスの確認など)がある場合も多いですが、そこに対するアプローチは考えていますか?」

当日の質疑応答では、「Bobはあくまで開発段階の効率化がメインのツールであるため、現時点ではそのようなビジネスフローのカバーは想定していません」と回答しました。

しかし、後々チームでこの質問について振り返ってみたところ、新たなアイデアが浮かびました。「承認フローの中に含まれる『機械的にチェックできる項目』であれば、Bobの中で事前チェックできるのではないか?」というものです。

例えば、必須項目の抜け漏れや、特定のNGワードが含まれていないかといったチェックであれば、Bobのコンテキスト理解力を活かして自動化できる可能性があります。単なる「コード生成ツール」としてだけでなく、公開前の「チェッカー」としてもBobをビジネスフローに組み込むことができれば、手戻りを防ぎ、さらなるリードタイムの短縮に繋がりそうです。

まとめと次回予告

第2回となる今回は、ビジネスサイドの切実な課題である「スピード感」に対し、IBM Bobを活用した「10分での爆速サイト構築」というソリューションをご紹介しました。

これまで多大な時間を要していたコーディング作業が瞬時に完了する様を目の当たりにし、Bobの圧倒的な利便性を実感しています。

皆様にもAIコードアシスタントは、単なるエンジニアの「作業効率化ツール」ではなく、「新たなビジネスチャンスを掴むための武器」になるというポテンシャルを感じていただけたのではないでしょうか。

さて、全3回でお送りしているBobathon奮闘記も、いよいよ次回が最終回となります。

次回の【第3回】では、2つのユースケースを通じて私たち「NI+C D&A Team xG」が感じた、IBM Bobの価値と、AIエージェントと共に歩む今後の未来について総括します。どうぞご期待ください!

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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