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Treasure Data CDP<第31弾> AI Agent FoundryとSlackを連携してSlackからデータ分析をしてみた

投稿者:高橋

1. はじめに 🚀

「データを持っているだけでは価値にならない」——これは多くのCDPユーザーが直面する課題です。データ分析の結果を、必要な人が、必要なタイミングで手に入れることができて初めて、データは価値を生み出します。

Treasure Data AI Agent Foundry を使えば、高度なAIエージェントを構築できますが、その優れた能力もツールの中に閉じ込めていてはもったいないですよね。

今回は、Postmanなどの開発者ツールで検証済みの Webhook API の仕組みをさらに一歩進めて、Slackを使って社内の誰もが簡単にAIエージェントに問い合わせできる仕組みを構築します。目指すのは、「Slackで話しかけるだけで、AIがTD内のデータを分析して答えてくれる」世界の実現です。

2. Treasure Data AI Agent Foundry とは 🤖

AI Agent Foundry は、Treasure Data上でAIエージェントを開発・管理・活用するための統合基盤です。単にLLM(大規模言語モデル)を使うだけでなく、企業固有のデータを安全に参照させることができるのが最大の特徴です。

プロジェクトの構成要素

  • エージェント (Agent):特定のタスクを実行するAIの主体。
  • ナレッジベース (Knowledge Base):TD Plazma DBへの参照定義。Trinoを経由してSQLを実行し、正確なデータを取得します。
  • インテグレーション (Integration):エージェントとユーザーをつなぐ接点の設定。

基本的なデータの流れは以下のようになります。

[TD Plazma DB] → [Knowledge Base] → [Agent] → [Integration] → [External Tools]

3. Integration機能の概要 🔌

作成したエージェントをどこで公開するかを決めるのが「インテグレーション」です。現在、主に以下の4種類が提供されています。

タイプ 種別 説明
ペアレントセグメント 内部 Audience Studio内でAudience Agentとして活用し、セグメント作成を支援。
汎用チャット 内部 TD Console内の汎用チャットタブで、管理画面ユーザーが直接対話。
Webhook 外部 APIエンドポイント経由で、自社システムや外部アプリから呼び出し。
Slack 外部 SlackのSlash Commandとして統合し、チャットツールから直接利用。

4. なぜSlack連携なのか 🤔

Slackは多くのビジネスチームにとって日常業務の中心にあるツールです。Slack連携を行うことで、以下のような体験を実現できます。

User: /ask-td-agent 先月のキャンペーンAのCV数を教えて
AI Agent: データを分析しました。キャンペーンAのCV数は1,250件で、目標比110%です。

この「手軽さ」こそが、データの民主化を加速させる鍵となります。

ℹ️ Technical Note Slack Integrationは内部的にはWebhook APIと同じ技術基盤を使用しています。しかし、Slack専用の設定として「Signing Secret」を利用することで、リクエストが確実にSlackから送信されたものであることを検証するセキュリティ機能が組み込まれています。

5. 事前準備 ✅

作業を始める前に、以下の環境が整っていることを確認してください。

  • Treasure Data アカウント(AI Agent Foundry 利用権限があること)
  • AI Agent Foundry プロジェクト(エージェント、ナレッジベースが設定済みであること)
  • Slack ワークスペース(アプリを作成・インストールできる権限があること)

 

6. STEP 1: TD側 – ユーザプロンプトの作成 🛠️

まずはTreasure Data側で受け入れ口となるIntegrationを作成します。

  1. TD Console を開き、AI Agent Foundry に移動します。
  2. 対象の プロジェクト を選択します。
  3. メニューから エージェント を選択し、Slackから接続するエージェントをクリックします。
  4. メニューからテストチャットを選択し、ユーザプロンプト作成クリックします。
  5. 下記のようにユーザプロンプトを作成します。

7. STEP 1: TD側 – Slack Integrationの作成 🛠️

次にTreasure Data側で受け入れ口となるIntegrationを作成します。

  1. プロジェクトのメニューから インテグレーション を選択し、右上の インテグレーションの作成 ボタンをクリックします。
  2. インテグレーションタイプの選択画面で「Slack」を選択します。
  3. 設定画面が表示されますが、以下の点に注意して入力・保存します。
    • Slack署名シークレット:※現時点では空欄、またはダミーで進めることはできません。Slackアプリ作成後に取得するため、この画面を開いたまま次のSTEPへ進むか、一旦Slack側の作業を先に行います。
    • ユーザープロンプトを選択:作成したユーザープロンプトを選択します。

💡 ポイント Slack Integrationを完了するには「Slack署名シークレット」が必須です。これはSlackアプリを作成しないと入手できません。そのため、実際の作業フローは [TD画面を開く] → [Slackアプリ作成してSecret取得] → [TDに入力して保存] → [発行されたURLをSlackに設定] という往復になります。
 

8. STEP 2: Slack側 – アプリ作成とSlash Command設定 💬

8-1. Slack Appの作成

  1. ブラウザで https://api.slack.com/apps にアクセスします。
  2. Create New App ボタンをクリックします。
  3. From scratch」を選択します。
  4. App Name(例:TD AI Agent)を入力し、インストール先のワークスペースを選択して Create App をクリックします。

8-2. Signing Secret の取得とTDへの設定

  1. 作成したアプリの管理画面(Basic Information)が開きます。
  2. 少しスクロールして App Credentials セクションを探します。
  3. Signing Secret の右側にある「Show」を押してコピーします。
  4. ここでTreasure Dataの画面に戻ります。
  5. 先ほどのインテグレーション作成画面の Slack署名シークレット 欄に、コピーした値を貼り付けます。
  6. 作成 をクリックして保存します。
  7. 作成されたインテグレーションをクリックして詳細を開き、SlackコマンドのリクエストURLをコピーしておきます。

8-3. Slash Command の設定

再び Slack API の設定画面に戻ります。

  1. 左メニューの Features > Slash Commands を選択します。
  2. Create New Command をクリックします。
  3. 以下の表のように設定を入力します。
フィールド 設定値(例) 説明
Command /ask-td-agent Slackで呼び出すためのコマンド名です。
Request URL (TDからコピーしたURL) TD AI Agent Foundryが発行したエンドポイントURLを貼り付けます。
Short Description TD AIエージェントに質問する ユーザー向けの説明文です。
Usage Hint [質問内容] 入力欄にヒントとして表示されます。

入力が完了したら Save をクリックします。

8-4. アプリのインストール

  1. 左メニューの Settings > Install App を選択します。
  2. Install to Workspace をクリックします。
  3. 権限のリクエスト画面が表示されるので、確認して 許可する (Allow) をクリックします。

9. STEP 3: 動作確認・テスト 🎉

いよいよ実際にSlackからAIエージェントを呼び出してみましょう。

  1. Slackワークスペース内の任意のチャンネル(または自分へのDM)を開きます。
  2. メッセージ入力欄に /ask-td-agent と入力します。(コマンド候補が表示されるはずです)
  3. 続けてスペースを入力し、質問内容を書きます。
/ask-td-agent 直近2週間で購入したユーザーの割合を教えて
  1. Enterキーを押して送信します。
  2. 数秒後にAIエージェントからの回答が表示されます。

10. まとめ 📝

今回は Treasure Data AI Agent Foundry の Slack Integration 機能を使って、社内AIアシスタントを構築する方法を解説しました。
次は実際のデータを使ったエージェントの精度向上や、複数のSlash Commandを使い分けるパターンにも挑戦してみたいと思っています。引き続き検証を続けていきますので、またレポートします!

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