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変換定義開発に生成AIを活用する取り組み

投稿者:鈴木

変換定義開発に生成AIを活用する取り組み

● フォーマット変換における生成AI活用

今回、フォーマット変換の定義作成のプロセスについて、生成AIを用いた業務の効率化を目指し、検証を行いました。

● フォーマット変換に用いる定義作成において、どのプロセスで生成AIを活用するのか。

定義作成には以下の5つのプロセスがあります。

  1. 要件定義:
    お取引先様のEDIフォーマット(X12、EDIFACT、業界標準等)形式とお客様のシステムフォーマット(固定長、CSV等)形式の解析
  2. 変換仕様書作成:
    フォーマット形式変換、フォーマットの各項目の対応関係資料の作成
  3. 変換定義作成:
    マッピングツールを用いてトランスレータ(フォーマット変換ソフト)の設定ファイルの作成
  4. 単体/連結テスト:
    「変換仕様書」に基づいた項目の出力結果の確認
  5. 運用保守:
    お客様要望による変換仕様の変更対応と運用によるエラー解析

今回、生成AIを用いて「1. 要件定義」と「2. 変換仕様書作成」のプロセスについて業務の効率化を目指し、検証を行いました。

  1. 専門性の高いEDIフォーマットの資料を生成AIに読み込ませ、資料内容を分析できるか確認(プロセス: 1. 要件定義)
  2. 1.の分析精度が高い結果であれば、フォーマット間の関連付け資料を表形式等で出力し、変換仕様書のひな形を作成(プロセス: 2. 変換仕様書作成)

検証結果:

1.の分析に関しては、精度の向上を目指してプロンプトチューニングを実施しましたが、大量のチューニングが必要となり、目指していた効率化の実現には向いていないことが判明しました。
EDIフォーマットは専門性(EDIの業界標準の規約)が高く、予定していた精度の分析結果は得られませんでした。
独自情報検索(RAG:外部データベースや独自の情報源)の利用も検討しましたが、必要となるEDIフォーマットの情報が不足している課題がありました。

そのため、方針を修正し、将来的に独自情報検索(RAG)を活用するための変換定義本体のアセット化(変換定義自体を全部流用せず、一部分を流用)、定義作成のテクニック集等の作成・情報収集に注力しています。
また、AIを用いて定義作成のアセット情報を検索する補助的なアシスタントアプリを作成し、効率化を目指しています。

将来的な展望:

今後、生成AIが複雑な問題解決能力や論理的思考力を発展させる動向を注視しつつ、独自情報検索等を用いて変換定義自体を作成できるよう活動を継続していきます。
最終的には、生成AI(NICMA)を活用して、定義作成プロセスの「1.要件定義」から「3.変換定義作成」まで効率化することを目指しています。

仕様書→SE→プロンプト→アセットDB→変換定義レイアウト→変換定義作成ツール→変換定義
  1. 変換定義仕様書を受領
  2. 仕様書を生成AIプロンプトテンプレートに基づきNICMAにインプット
  3. 独自知識拡張のアセットDBから変換定義レイアウトを作成
  4. 変換定義レイアウトを変換定義作成ツールにインプット
  5. 変換定義を生成
  6. 変換定義レイアウトをアセットDBに蓄積
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