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Lookerが進化!待望の「セルフサービス Explore」を使ってみた

投稿者:鈴木

目次

1.はじめに
2.セルフサービス Exploreとは?
3.セルフサービス Exploreを使ってみた
4.まとめ

1.はじめに

こんにちは、鈴木です。

LookerユーザーやLooker導入を検討されていて、こんな風に思ったことはありませんか?

  • 「手元にあるこのCSVデータ、わざわざエンジニアに頼まずにLookerですぐ可視化したい…」
  • 「Exploreの項目名(ラベル)、LookMLを直さずにパパッと日本語に変えられたらいいのに…」

そんな悩みを一気に解決してくれる待望の新機能、「セルフサービス Explore」がついに登場しました!
今回は、この機能を実際に使ってみた内容をご紹介します。

2.セルフサービス Exploreとは?

一言でいうと、「LookMLのコードを一行も書かずに、自分専用の分析画面(Explore)を爆速で作れる機能」です。

これまでは、データをLookerで分析するには「LookML」という専用の言語で定義を書く必要がありました。しかし、セルフサービス Exploreなら、ExcelやCSVファイルをぱっとアップロードするだけで、Lookerが自動で分析環境を整えてくれます。

まさに、「データ分析の民主化」を象徴するアップデートですね!

3.セルフサービス Exploreを使ってみた

「本当に簡単なの?」ということで、実際に手元の売上データを使って試してみました。

3-1.事前準備

2025年12月現在ではプレビュー版の機能です。
この機能を利用するためには機能を有効化する必要があります。(公式ドキュメント

3-1-1.管理者メニューから機能を有効にする

  • 設定場所:管理者 > 全般 > セルフサービスExplore
  • 操作: 「データのアップロードを許可する」を有効に切り替えます

※ Looker 25.20 以降であること

3-1-2.ユーザーに「アップロード権限」を付与する

機能を有効にしたら、次は「誰がデータを使えるか」を設定します。
すべてのユーザーが自由にアップロードできると管理が大変になるため、まずは特定のユーザーやグループに権限を絞るのがおすすめです。

  • 必要な権限: upload_data
  • 設定方法: 管理者 > ユーザー > ロールから、対象のユーザーが持つロールにこの権限を追加します
  • 注意点: ファイルをアップロードして分析するには、併せて通常の explore 権限も必要になります

※今回はAdmin権限で実施

3-1-3.アップロード用データベースの確認および「接続」の設定

アップロードしたデータは、Lookerが一時的に(または恒久的に)保存するためのGoogle BigQueryへのデータベース領域を必要とします。

  • 設定:
    • 管理者 > 接続 で、使用しているデータベース接続の設定を確認します
    • 管理者 > 全般 > セルフサービスExplore で「接続」を選択します
  • 注意点: 以下設定されていることを確認してください
    • [すべてのプロジェクト] スコープで構成すること
    • 永続的な派生テーブル(PDT)が有効になっていること

アップロードしたファイルはセルフサービスExplore用として指定したBigQueryのデータセットにデータを書き込み保持することになります。

↑有効前
↑有効後、接続を指定して保存

3-2.検証

Step 1:ファイルをアップロード

Lookerのメニューから 作成 > データのアップロード を選択し、手元のファイルを選択(ドラッグ&ドロップも可能)。
操作はこれだけです。エンジニアに「新しいテーブルを作ってください」とお願いする待ち時間はゼロ!

↑Lookerのメニューから 作成 > データのアップロード を選択
↑手元のファイルを選択(※ファイルの要件
↑今回はCSVファイルを選択
↑アップロード完了
↑BigQueryにもテーブルが作成されていることを確認(PDT用に作成したデータセット配下にテーブルが自動的に作成されました)

ちなみに現段階では1ファイルのアップロードのみ対応可能です。
複数ファイルをアップロードして結合したいケースも多くあると思うため、今後このあたりもGUIベースで簡単にできたらいいですね。アップデートに乞うご期待です!
(現在の機能で結合をしたい場合はExploreにある「結果の統合」機能を利用するかLookMLで開発する方法があります)

Step 2:セルフサービスExploreの編集

アップロードが完了すると、ファイル内のデータを分析し、Looker が自動的にデータ型やフィールドを定義してくれます。
ここではわかりやすいようにラベルやdescriptionを定義したり、dimensionやmeasureを追加することもできます。

ただし、現段階ではセルフサービスExplore上で、型の変更は対応できません(選択できないようになっている)。
テーブルのカラムに合わせて定義してくれているようなので今回は変える必要はありませんでしたが、変更が必要な要件は発生してくると思うのでここも今後のアップデートに期待です。

↑dimension作成(Exploreにあるカスタムディメンションと同様の機能)
↑measure作成(Exploreにあるカスタムメジャーと同様の機能(名前とラベルの表示だけ異なる))

また、作成したExploreについてはアクセス権限を付与しない限り、Admin含め誰にも表示されないため野良Exploreが増えるという心配はありません。
ユーザーやグループ単位で表示権限を付与することができるため、適切な権限設定が必要になります。
(ちなみに編集権限は作成したオーナーのみです)

↑User Access画面
↑アクセス権限の共有

Step 3:すぐにデータ探索スタート!

「Explore Data」ボタンを押せば、いつもの見慣れたLookerの分析画面へ。
アップロードしてからここまで、わずか数分。あとはいつも通り、グラフを作ったりダッシュボードに保存したりするだけです。

↑表示結果

セルフサービスExploreでももちろん会話分析を利用することができるため活用の幅が広がりますね。

従来のExploreとどう使い分ける?

「これまでのExploreはいらなくなるの?」と思うかもしれませんが、役割が違います。

  • 従来のExplore(LookMLで定義): 「組織共通の公式データ」用。データの定義がLookMLでしっかり管理されているので、レポート作成の基盤になります
  • セルフサービス Explore: 「ちょっと今だけ分析したい」「手元のファイルと照らし合わせたい」というアドホック(一時的)な分析に最適です

自由度が高まると心配になるのが、「勝手にアップロードされたデータが乱立して、どれが正しい数字か分からなくなるのでは?」というガバナンスの問題が出てくると思います。

Lookerはその点も抜かりなく、セルフサービス Exploreには「コンテンツの認定」(2025年12月現在プレビュー)という機能が備わっています。

↑コンテンツの認定

この機能はコンテンツが信頼できるものとして認証されたことを示すことができる機能です。
セルフサービスExploreによって、多くのExploreが乱立することが想定されるためなくてはならない機能になりますね。

4.まとめ

いかがでしたでしょうか。まだまだ改善すべき点や気になる箇所はあるものの、実際に触ってみて感じたのは、「Lookerがより身近になった」ということです。
これまでは「開発者が準備したデータを見る場所」という側面がありましたが、これからは「ユーザーが自由にデータを持ち込んで、その場で答えを見つける場所」へと進化しました。

「ちょっと手元のデータを試してみたい」というデータをお持ちの皆さん、ぜひセルフサービス Exploreの機能を試してみてください。
データの信頼性を守りながら、データの民主化を最大化する。そんな新しいLookerの姿を、ぜひ皆さんのチームでも体感してみてください!

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