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【IBM Think 2026 – 参加レポート】「AIファースト」への転換!エージェント型エンタープライズが導くビジネスの未来

投稿者:土橋

はじめに

こんにちは!NTTインテグレーションの 土橋です。

5月4日から5月7日にかけて、アメリカ・マサチューセッツ州のボストンにて、IBMのグローバルイベント「IBM Think 2026」が開催されました!

「IBM Think 2026」は世界80ヶ国以上から5,000名超が来場する、熱気あふれる大イベントとなりました。

NI+Cからは自分を含めた計13名が「IBM Think 2026」に参加し、現地の基調講演や数多くのセッション、そして最新技術のデモンストレーションを直接肌で感じてきました。

会場はどこを見渡しても「AI」の文字があり、AIがいかに企業の変革を牽引する重要なテクノロジーであるかを、実感した4日間でした。

今回のブログでは、現地参加で感じた「これからのビジネスを劇的に変える重要なポイント」を参加レポートとしてお届けします!

 

時代は「AIファースト企業」へ!支柱となる「AIオペレーティング・モデル」

「IBM Think 2026」の基調講演では、IBMのCEOであるアルビンド氏から、「勝者は『AIを活用する企業』ではなく、『AIファーストの企業』になる」というメッセージがありました。

AIは単なるサポートツールではなく、ビジネスモデルそのものへと進化してきている、ということです。

企業がAIファーストへと変革するためには、AIを一部の業務で使うだけではなく、企業全体のシステムや業務プロセスの中核に据える必要があります。

この変革を安全かつ効果的に機能させるため、IBMは以下の4つの柱からなる「AIオペレーティング・モデル」が重要であると発表しました。

 

 

1. Intelligence(知能)

Intelligence(知能)は、リアルタイムのデータをAIに届ける役割を担います。

注目は「Confluent」です。

「Confluent」はシステム間のデータをリアルタイムにストリーミングし、過去データだけでなく、AIに「今起きていること」を瞬時に理解させることが可能です。

この「Confluent」とwatsonx.data等のデータレイクを組み合わせることで、AIエージェントに必要なデータ基盤を実現できます。

 

2. Action(実行)

Action(実行)は、AIの判断を、実際のITシステムの設定変更や自動化タスクとして実行に移すフェーズです。

Terraform、Ansible、Orchestrate 等を活用することで、ポリシーに基づいた実行を可能にし、ガードレールに沿った意思決定を実現することができます。

 

3. Operations(運用)

Operations(運用)では、複雑化するIT環境全体をAIで監視・管理を行います。

注目は「IBM Concert Platform」です。

「IBM Concert Platform」は、エージェント型の統合IT運用プラットフォームであり、可観測性やパフォーマンス/コストの最適化機能、リスク管理を兼ね揃えた、AIネイティブなシステム運用基盤を提供することができます。

 

4. Trust(信頼)

Trust(信頼)は、データ主権やコンプライアンスを守る要の柱です。

Trustにおける注目サービスは「IBM Sovereign Core」です。

「IBM Sovereign Core」は、各国の厳しい規制基準を満たしながら、自社のデータを外部に漏らすことなく、ハイブリッドクラウド上で安全にAIを運用できる基盤を提供することができます。

 

これら4つの柱——Intelligence、Action、Operations、Trust——は、1つを強化すればよいのではなく、4つの要素全てが重要となります。

「IBM Think 2026」で提唱されたこの「AIオペレーティング・モデル」は、今後のAIファースト企業となるためのロードマップとなるのではないかと思いました。

 

自律するAIが導く「エージェント型エンタープライズ」とは

「AIファースト」や「AIオペレーティング・モデル」に加え、強調されていたのは「エージェント型エンタープライズ」という言葉です。

今後、世の中のアプリケーションの数は10億個、自律的に動く「AIエージェント」の数は20億個に達し、生成されるコードの50%をAIが担うと予測されています。

これにより、人間とAIエージェント(非人間)の比率は1対120という圧倒的な規模になるとも言われています。

そのため、AIが自律的にタスクを実行し、ビジネスを牽引する、新しい企業形態への移行が重要となります。

IBMは、この莫大な数のAIエージェントを開発・運用するための強力なソリューションとして、以下二つの製品を強調しました。

 

・IBM Bob

IBM Bobは、AIエージェントの開発プラットフォームです。IBM Bobは与えられたタスクを最適なAIモデルに自動で割り振ることができ、開発スピードを大幅に引き上げることができます。

そのため、IBM Bobはエンタープライズ向けの開発支援パートナーとなり、AIエージェントの開発効率の向上、開発コストの削減に寄与します。

また、IBM Bobは利用状況や生産性向上効果等を可視化するダッシュボード機能である「Bobalytics」を提供予定であり、自律的な管理も可能となります。

 

・watsonx Orchestrate

watsonx Orchestrateは、開発された多数のAIエージェントを管理・統制(オーケストレーション)するコントロール基盤です。

AIエージェントのアラートの可視化や統制、エージェントの関連性や評価とテスト、AIエージェントのガバナンスや利用制御、AIエージェントの分析結果の可視化等を可能にし、AIの安全な運用を担保します。

 

IBM BobがAIエージェント開発を支援し、watsonx Orchestrateがエージェントの管理・運用の制御を支援することで、「エージェント型エンタープライズ」を支え・加速する基盤提供が可能となります。

 

基幹システムのモダナイズと、目前に迫る量子コンピューティングの飛躍

また、「IBM Think 2026」では、IBM ZやIBM iといった既存の基幹システム向けとして、「IBM Bob Premium Package」の提供が発表されました。

これにより、COBOLなどのレガシーコードの理解やJavaへの変換をAIが支援し、モダナイゼーションを加速することができます。

 

さらに、「IBM Think 2026」では、2029年までに誤り耐性量子コンピュータ(FTQC)を提供するという明確なロードマップが示されました。

現段階でも、スーパーコンピュータと量子コンピュータを組み合わせた「量子中心のスーパーコンピューティング(QCSC)」により、創薬や新素材開発など、従来は不可能だった複雑な計算の実現が可能となってきていますが、今後もIBMの量子コンピュータ技術は目が離せません。

(以下はThink会場に展示されていたIBMの量子コンピュータ「IBM Quantum」です)

 

[番外編]会場の熱気をお届け!F1カーや立体Bobなど

「IBM Think 2026」の会場についてもご紹介したいと思います!

会場内には、なんと本物のF1カーが展示されており、参加者に大人気な写真撮影スポットになっていました!本物のF1カーが展示されているのを見て、「IBM Think 2026」のイベントの大規模さに改めて驚きました。

また、今回の基調講演で何度も話題となったIBM Bobですが、会場内にはBobに関するたくさんの展示がありました!

特に目を引いたのは特大の立体Bob像です。たくさんの人が写真撮影をしており、BobはIBMの新たな顔だなと改めて感じました。

 

さいごに

今回、ボストンでIBM Think 2026に現地参加して最も強く感じたのは、「AIの導入を検討する」というフェーズはとうに終わり、「いかにしてAIをビジネスの核に組み込むか」という実行フェーズへ世界が猛スピードで移行しているという、技術革新のスピードの速さです。

いかに早く「AIオペレーティング・モデル」を構築し「AIファースト」な企業へ変革していくかが、今後の企業の競争力を大きく左右する鍵となるかもしれません。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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