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EDIの通信プロトコルの種類について解説

投稿者:藤生

EDIは受発注業務や請求書の送付などを自動化する、業務効率化には欠かせないシステムです。
しかし、EDIを導入する際には取引先とルールや規格を合わせる必要があります。
異なるシステム間でデータ交換を行うために必要な「通信プロトコル」もその中の1つです。
本記事では、EDIで通信を行うために必要な通信プロトコルの種類について解説します。

通信プロトコルとは

通信プロトコルとは、コンピューターなどのデバイス間で通信を行うために必要なルールのようなもので、EDIには不可欠なものです。
コンピューター内部で信号を送受信する際には、通信回線やネットワークを介します。
通信プロトコルはその際に必要なものであり、送受信する機器同士は同じルールで運用しなければなりません。
後述するさまざまな通信プロトコルは、共通して「レイヤー」と呼ばれる階層に区分されてデータを送受信します。

通信プロトコルとは

下記、通信プロトコルに含まれるレイヤーです。

  • 物理層
  • データリンク層
  • ネットワーク層
  • トランスポート層
  • セッション層
  • プレゼンテーション層
  • アプリケーション層

なかにはセッション層とプレゼンテーション層がアプリケーション層に含まれている通信プロトコルがあります。

EDIの通信プロトコルの種類

こちらでは、EDIの通信プロトコルの種類をご紹介します。

EDIINT AS2

EDIINT AS2は、インターネット技術の標準化団体である「IETF」が策定した通信プロトコルになります。
HTTPとMIMEをベースとして暗号化したデータを交換するため、強固なセキュリティが特徴といえます。
また、第三者への情報漏洩を防ぐためのSSL認証や電子署名にも対応しています。
大量のデータをリアルタイムに送受信できることから、流通・小売業界に所属する海外の大企業に採用されています。

EDIの通信プロトコルの種類

OFTP2

OFTP2は欧州の自動車標準化団体である「Odette」によって開発された通信プロトコルです。
もともとは国や地域を問わずに使われるために開発されましたが、欧州の自動車業界を中心に使われてきました。
ファイル圧縮機能により大容量のファイルを迅速に送受信できることから、現在では日本の自動車業界にも普及しはじめています。
ほかにはSSL・データ暗号化・デジタル署名といった機能が搭載されており、データのセキュリティ向上に一役買っています。

ebXML MS

ebXML MSは国連のEDI標準機関「UN/CEFACT」と、Webサービス標準化組織「OASIS」によって開発された通信プロトコルです。
アジアを中心に使われているプロトコルであり、日本では流通業界や医療機関のネットワークに採用されています。
1万行以上にもなる大容量のデータ通信を、リアルタイムで送受信・処理することができます。
ebXML MSのセキュリティにはSSL認証や電子署名のほか、HTTPベーシック認証やXML暗号が取り入れられています。

JX手順

JX手順は日本独自の通信プロトコルであり、運用コストが低いことから中小企業をメインとして採用されています。
1回のやり取りで送受信できるデータの容量は少ないですが、ほかの通信プロトコルよりも比較的安価に導入・運用が可能です。
主に小売業や流通業に採用されるプロトコルであり、前身はJCA手順と呼ばれる通信プロトコルになります。
JCA規格は電話回線を使用していたことから、インターネットで通信するJX手順はスピードアップにも成功しています。

SFTP

SFTPはインターネット技術の標準化団体である「IETF」によって制定された通信プロトコルになります。
FTPコマンドのように、対話的にファイルを転送するOSに実装されています。
社外だけではなく、社内でのファイル交換にも用いられるなど、多岐にわたって利用されています。
データはSSHによって暗号化されているため、安全にデータを送受信することができます。

全銀協標準通信プロトコル(TCP/IP手順・広域IP網)

全銀協標準通信プロトコルは、一般社団法人「全国銀行協会」が開発した通信プロトコルです。
固定電話のIP網の意向を受け、広域IP網での利用を前提として作られました。
日本においては、企業と銀行間のデータやり取りを行う際の通信プロトコルとして導入されています。
上記より、全銀協標準通信プロトコルには高度なセキュリティが設けられているといえます。

このように、通信プロトコルにはさまざまな種類があるため、EDIを導入する際には仕入れ先・得意先がどの通信プロトコルを使っているのかを確認しておきましょう。

おわりに

本記事では、通信プロトコルについてご説明しました。
通信プロトコルは、デバイスやコンピューター間での通信を行う際に必要となるルールのようなものです。取引先と異なる通信プロトコルを使用している場合、データの送受信ができないため、EDIの導入・運用に不可欠です。
EDIを導入する際には、通信プロトコルにも注意しましょう。

NI+C(日本情報通信)の「EDIソリューション」

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