【デネクトの和】#10 【後編】DXの「熱意」を「成果」に変える鍵は、失敗を恐れない「MVP思考」にある
投稿者:danect⁺コラム


前回のコラムでは、DX推進の第一歩として、デザイン思考を用いた「真の課題発見」の重要性と、そこから生まれる現場の「熱意」についてお話ししました。
しかし、どれほど素晴らしい課題を発見し、現場の熱意が高まったとしても、「それをどう形にするか」でつまずいてしまっては意味がありません。
後編となる今回は、発見した課題を確実に成果へと繋げるための「アイデアの具体化と検証(Ideate/Prototype/Test)」のプロセス、そして組織を変革し続けるためのマインドセットについて解説します。
Step3 失敗を恐れない「MVP思考」で熱意を成果に変える
デザイン思考は「課題の発見」で終わりではありません。その後の「アイデア発想(Ideate)」、「プロトタイプ作成(Prototype)」、そして「テスト(Test)」のプロセスこそが、発見した真の課題に対する「解決策の精度」を高め、現場の熱意を「小さな成功体験」へと変える重要なフェーズです。
ポイント1 MVP(実用最小限の製品)思考の導入
多くのDXプロジェクトが陥りがちな罠。それは、「完璧なシステムを一気に作ろうとしてしまうこと」です。 これでは時間とコストが膨大にかかる上に、完成した頃には現場の状況やニーズが変わってしまっている、という悲劇が起こりかねません。
これを回避するために、アジャイル開発や私たちのワークショップで重視しているのが、「MVP(Minimum Viable Product:実用最小限の製品)」思考です。
MVPとは、「最小限の機能しか持たないが、課題の『核』を解決できるプロトタイプ」のこと。従来のアプローチと比較すると、その違いは明白です。
| 特徴 | 従来のアプローチ(ウォーターフォール型) | MVP思考のアプローチ(アジャイル型) |
| 目標 | 3年後に全機能を搭載した 完璧な統合システムを完成させる。 | 3ヶ月以内に、現場の最も大きな不満を 一つだけ解決できるプロトタイプを出す。 |
| 結果 | 導入に時間がかかり、 待たされる現場の関心は薄れていく。 | 課題がすぐに解決され、「次はここを改善しよう」 という前向きな熱意が生まれる。 |
DXプロジェクトにおいて、最初から壮大なゴールを目指す必要はありません。むしろ、「小さく生んで、早く育てて、早く失敗し、早く改善する」サイクルを回す方が、成功の確率は格段に高まります。
ポイント2 現場を「プロトタイプ作成」の主役に据える
ワークショップ等で行うプロトタイプ作成に「現場のメンバー」を巻き込むことは、プロジェクトの熱量を高める上で非常に効果的です。なぜなら、現場が「自分たちの声が、すぐに形になった」という強烈な実感を得られるからです。
- ホワイトボードや付箋でいい 最初からコードを書く必要はありません。UI(画面遷移)を紙に描いたり、MiroやFigmaなどのオンラインツールで簡易的に作り、「これだと使いやすいか?」と現場にすぐに試してもらいます。
- 「失敗」を「データ」として歓迎する 「このボタンは分かりにくい」「この機能は不要だ」といったネガティブなフィードバックこそが、MVPを真に価値あるものにするための「良質なデータ」です。失敗を恐れず、率直な意見を出し合う文化が生まれます。
- 「共創」の楽しさを体験してもらう 自分たちの「困った」が、目の前で「解決した」に変わる瞬間。この体験こそが、プロジェクト全体への強力な推進力(熱意)へと変わります。
Step4 熱意を継続させる「仕組みづくり」と変革の担い手へ
DXは一度きりのイベントではありません。発見した「課題の核」を解決した後も、現場の熱意を組織の文化として定着させ、継続的に改善を続ける仕組みが必要です。
ポイント1 変化を生む「組織の代謝」を促す
現場の熱意を継続させるためには、「自分が動けば変化を起こせる」という体験を組織全体に広げることが重要です。
- 課題解決のヒーローを称賛する どんな小さな改善であっても、MVPによって現場の課題を解決したメンバーを全社的に称賛し、成功事例として共有しましょう。「自分も課題を見つけて解決すれば評価される」という動機付けが、次のアクションを生みます。
- 「デザイン思考の道具」を現場に渡す ワークショップで学んだ「共感マップ」や「HMW(How Might We)の問い」といったツールを、日々の業務改善にも使える「共通言語」として展開します。プロジェクト終了後も、現場自身が自律的に課題発見と改善を続けられるようになります。
ポイント2 社会人3〜7年目のあなたこそが「変革の触媒」である
このコラムを読んでいる社会人3〜7年目の皆さん。実は皆さんこそが、組織のDXにおける「キーマン」です。
- 経営層:組織全体を見る視点はあるが、現場の生の声(インサイト)が届きにくい。
- 新入社員:フレッシュな視点はあるが、組織の歴史や力学が見えにくい。
- ベテラン層:深い業務知識はあるが、過去の成功体験に囚われやすい。
対して皆さんは、現場の業務を熟知し、組織のルールも理解しつつ、新しい技術や考え方への柔軟性も持っています。 「現場の痛み」と「技術の可能性」の接点を見つけ出す「触媒(Catalyst)」こそが、皆さんの役割なのです。
デザイン思考で「課題の核」を見つけ、MVP思考で小さな成功を積み重ねる。その成功体験を通じて現場の熱意を引き出し続けてください。その熱意こそが、組織全体を動かし、真のDXを実現するエネルギー源となります。
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弊社が提供する「danect⁺ 課題解決ワークショップ」は、今回ご紹介したデザイン思考とMVP思考に基づき設計されています。
単なる座学ではなく、短期間で「課題の核」を見つけ出し、実証用のプロトタイプ作成までを行う実践的なプロセスを提供します。
もし、自社内で以下のようなお悩みをお持ちなら、ぜひ一度ご相談ください。
- 「どうすれば現場の熱意を引き出せるのか分からない」
- 「真の課題が見つからず、DXが形骸化している」
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