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Looker新機能「タブ付きダッシュボード」検証:複数ダッシュボードを1つに統合してUXを劇的に改善する

投稿者:鈴木

目次

1.はじめに
2.検証:統合運用のための5つのチェックポイント
3.統合によって得られた大きなメリット
4.まとめ

1.はじめに

こんにちは、鈴木です。

Lookerを利用していて、こんな悩みを持ったことはありませんか?

  • 「売上概要」「商品詳細」「顧客分析」……関連するデータなのに、ダッシュボードが別々に分かれていてブラウザのタブを行ったり来たりしている
  • ダッシュボードを切り替えるたびに、同じ期間フィルタを選び直すのが面倒
  • 閲覧者に共有すべきURLが多すぎて、どれを見ればいいのか混乱を招いている

今回プレビュー版としてリリースされたタブ付きダッシュボード(Tabbed Dashboards)は、この問題を解決する待望の機能です。
実際に以下の観点で検証を行い、複数ダッシュボードを1つに集約した際の有用性を確認した結果をレポートします。

2.検証:統合運用のための5つのチェックポイント

バラバラのダッシュボードを1つにまとめるにあたり、実務上の懸念となるポイントを重点的に検証しました。
※このラボ機能はデフォルトで有効です。利用するためのインスタンスの要件等詳細は公式ドキュメントをご確認ください。

① 基本操作:既存資産の移行コスト

既存の別々のダッシュボードにあるタイルを、新しいタブ付きダッシュボードへ集約する操作を確認しました。

結果

  • 編集モードでタブを追加し、タイルを指定のタブに移動する操作は非常に直感的です。タイルをいちから作り直す必要がなく、小規模な移行であれば心理的ハードルは低いと言えます。

補足

  • 統合対象が複数のダッシュボード・タイルに及ぶ場合、UIでタイルを一つずつ移行するのは手間だなと感じました。現時点の機能では、LookMLダッシュボードの構造をある程度理解している必要はありますが、LookMLダッシュボードを活用した一括移行が有力な回避策になると考えています。

② フィルタの挙動:一貫性のある分析

初めのタブで絞り込んだ条件が、他のタブに遷移したときにどう反映されるか、またタブごとの制御が可能かを検証しました。

結果

  • 共通フィルタの同期:ダッシュボード全体の共通フィルタとして設定することで、1回の操作で全タブのデータが同期されます。別々のダッシュボードだった頃の「移動するたびにフィルタを選び直す」ストレスが解消されました。
  • タブ専用フィルタの配置:特定のタブにのみ関連するフィルタ(例:「Drug store商圏分析タブ」だけで使いたい「店舗エリア」フィルタなど)を設定した際、そのタブを開いている時だけフィルタを表示させることが可能です。
  • すべてのフィルタを上部に並べて煩雑にするのではなく、必要な時だけ必要なフィルタを出す「情報の出し分け」ができるため、画面がスッキリと整理されます。

③ パフォーマンス:ロード時間の変化とキャッシュの仕様

情報を1つのダッシュボードに集約した際、表示速度が低下しないかを検証しました。

結果

  • Lookerのタブ機能は「現在表示しているタブのタイルのみをロードする」仕様です。非表示タブのクエリはクリックされるまで実行されないため、初期表示の軽さを維持したまま情報の集約が可能です。

補足

  • タブ切り替え時に一瞬ローディングが表示されることがありますが、これはおそらくブラウザのメモリ負荷を抑えるための再描画(レンダリング)によるものです。きちんとキャッシュが効いているのかは今後検証したいと思いますが、ページ全体のリロードを伴う遷移より高速です。

④ エクスポートと共有:報告業務への影響

統合後のダッシュボードをPDFなどで出力する際の挙動を確認しました。

結果

  • URL共有時は「特定のタブを開いた状態」を維持して共有できるため、特定の視点を見せたい時にも便利です。
  • PDF出力については、PDF出力(またはスケジュール配信)を行うと、すべてのタブの内容が1つのファイルに集約されて出力されます。

補足

  • PDF出力時、全タブのフィルターが上部に集約されて表示されます。結果には影響はありませんが、特定のタブ専用のフィルターをセットしている場合は誤解を招きやすいため作成方針等に注意が必要です。
  • 全タブの結果が縦積みで表示され、かつ上記事象も発生するため、出力時意図した結果になっているか、レイアウトが崩れていないかは要確認です。

⑤タブ間遷移の設定:linkによるナビゲーション

LookMLのlinkパラメータを利用した遷移が、タブ構造の中でどう機能するかを検証しました。

結果

  • URLパラメータ(tab_name=タブ名)を利用することで、タイル内のリンクから特定のタブへ直接ジャンプさせることが可能です。

補足

  • 記載例)url: “https://{インスタンス名}/dashboards/564?tab_name=Drug+store商圏分析&店舗エリア={{ value | encode_uri }}”
  • 「サマリータブ」の特定項目をクリックすると「詳細タブ」へ切り替わるといった、アプリのようなナビゲーションが1つのダッシュボード内で完結します。既存の外部遷移リンクもそのまま継承できるため、移行時の手戻りもなく有用です。

3.統合によって得られた大きなメリット

  1. シームレスな分析体験:ページ遷移なしで「全体」から「詳細」へ、あるいはリンクによって「タブ間」を自在に行き来でき、ユーザーの思考を分断させません。
  2. 管理・共有コストの削減:「このURLさえ見ればOK」という環境を作れるため、権限管理やスケジュール設定も一箇所で完結します。
  3. フィルタ操作の最適化:全体同期による「一貫性」と、タブ専用表示による「利便性」を両立できます。

4.まとめ:ダッシュボードを「物語」に変えよう

いかがでしたでしょうか。Lookerのタブ機能は、単なる整理整頓のツールではなく、「バラバラだった情報を一つの文脈(ストーリー)に編み直すための機能」です。

タブ設定はシンプルであり、linkパラメータを用いたナビゲーション設定も可能です。まだまだ検証すべきところやかゆいところに手が届かない部分もありますが、もし、みなさまのLooker環境に似たようなダッシュボードが乱立しているなら、この機能を活用して、ユーザーにとって最高に使い勝手の良い「統合ダッシュボード」への再構築を検討してみてはいかがでしょうか。

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