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脱・スプレッドシート!HubSpot Data Hubによるデータ統合と品質維持

投稿者:大友

NI+Cマーケティングソリューションチームです!
本ブログでは、HubSpotの機能の紹介や活用例についてご説明いたします。

顧客データが、MA(マーケティングオートメーション)ツール、データウェアハウス、広告プラットフォーム、スプレッドシートなど、複数の場所に分散したまま放置されていないでしょうか。HubSpotのData Hubを活用すれば、バラバラだったデータを一箇所にまとめて綺麗に整えられるため、さまざまな施策へスムーズに活かせるようになります。

さらに近年は、AI活用を前提としてデータ品質が問われる場面が増えました。重複レコード、表記ゆれ、欠損項目が残ったままでは、どれほど高度な仕組みを導入しても期待した成果につながりにくくなります。手作業によるクレンジングも、データ量が増えるほど現実的ではなくなっていきます。

本記事では、HubSpotの「Data Hub」について、製品としての位置づけ、必要とされる背景、主要な機能、そして代表的なユースケースまでを順に整理して解説します。

Data Hubとは

HubSpot Data Hubは、社内のさまざまなシステムや外部ツールに点在する顧客データを、一元管理・統合するためのデータ管理ソフトウェアです。HubSpot製品群のなかでは、Marketing Hub、Sales Hub、Service Hub、Content Hubといった各領域を下支えする「土台」として位置づけられています。

集客からリード獲得、商談創出、営業対応、契約後の継続支援まで、業務プロセスは複数のチームとツールにまたがります。Data Hubは、その各段階で生まれるデータを整理し、CRMに集約する役割を担います。単体で完結する分析ツールというより、CRMを中心とした業務全体のデータ基盤を整えるための製品と捉えると理解しやすくなります。

ポイント: Data Hubの役割は、大きく「データを集めて統合する」ことと「データを使える品質に保つ」ことの2つに整理できます。この2軸を意識すると、個々の機能の位置づけがつかみやすくなります。

なぜData Hubが必要なのか

Data Hubが求められる背景には、顧客データを取り巻く環境の変化があります。かつてはデータの種類も量も限られており、手作業での管理が成立していました。しかし現在は、データがあちこちに散らばり、実際に活用したい場所には存在しないという状態が生じやすくなっています。

分散したデータが生む課題

データの分散や不整合がもたらす影響として、以下のような点が挙げられています。いずれも、日々の業務のなかで実感されやすい課題です。

施策精度の低下

重要なコンテキスト情報が欠けていると、ターゲティングや個別最適化の精度が上がらず、広告費やマーケティング投資の効率が落ちます。

AIの効果が限定される

データが準備されていない状態では、AIは本領を発揮できません。分断されたデータでは、自動化やパーソナライズの成果も限定的になります。

意思決定の遅れ

入力漏れや表記のゆれがあるダッシュボードは、集計結果が現場の実感とずれるため信頼されにくく、判断が後手に回りやすくなります。手作業の整理に時間を取られる点も課題です。

こうした課題は、単なる業務上の不便にとどまりません。営業サイクルの長期化、顧客獲得費用の増加、チーム間の連携不足といった形で、事業成果にも影響します。HubSpot社の調査によると、AIを効果的に機能させるにはクリーンで構造化されたデータが不可欠だと回答した割合が90%であるという調査結果もあります。

機能一覧

Data Hubには、データの取り込みから加工、品質維持、自動化までを担う複数の機能が用意されています。まずは代表的な機能とその用途を一覧で整理します。

機能 概要 主な用途
データスタジオ 外部ソースとHubSpotのデータを結合し、データセットを作成・加工する 分析・レポートの土台づくり
データ品質 重複の検出・統合、書式に関する問題の修正、プロパティーの整理 CRMデータのクレンジング
ワークフロー JavaScriptやPythonのカスタムコードアクションによる柔軟な自動化 複雑なデータ加工・外部連携
データエンリッチメント ドメインやメールアドレスを基に会社情報や連絡先情報を自動補完する 顧客プロファイルの充実
データエージェント プロンプト入力により、AIがスマートプロパティーや分析結果を生成する 情報収集・項目生成の効率化
データ同期 100以上のアプリと双方向で同期し、プラットフォーム間の一貫性を保つ ツール間のデータ連携

 

データスタジオ

HubSpotのデータを外部ソースと組み合わせ、セグメント、ワークフロー、レポートに活用できる形へ整える機能です。連携元から取り込んだデータはソースライブラリーに格納され、そこからデータセットを作成することで加工やCRM連携が可能になります。

データセットでは、複数テーブルの紐づけや必要な列の選択に加え、列の結合、データ型の変換、大文字小文字の修正、空白のトリミング、検索と置換といった操作が行えます。さらにカスタム式を用いることで、独自の列を新たに作成することも可能です。CONCAT、DATEDIFF、IF、SUBSTRINGなど多数の関数が用意されており、スプレッドシートに近い感覚で加工を進められる点が特徴です。

データ品質

CRMデータをモニタリングし、健全性を維持するための中心的な機能です。管理画面では、重複の問題、書式に関する問題、エンリッチメントギャップといった指標を一覧で確認できます。

「重複を管理」では、重複しているコンタクトや会社をレビューし、プロパティーごとに採用したいデータを選んでマージできます。両方のレコードから必要な情報を残せるため、統合による情報の欠落を抑えられます。「書式に関する問題」では、名や姓の大文字化、メールアドレスの小文字化、複合フィールドの整理、不要なスペースや句読点の削除といった修正に対応し、修正の自動化も可能です。

ワークフロー

ワークフロー上で既存データを基に新しいプロパティーを作成したり、データを加工したりできる機能です。JavaScriptやPythonを用いた「カスタムコードアクション」を利用できるため、データスタジオやデータ品質では対応しきれない複雑な処理も柔軟に組めます。

電話番号の表記統一やリード割り当てのロジック、外部システムとの連携などが具体例です。設定したアクションはテスト実行で動作を確認できます。ただし高度な加工にはプログラミングの知識が必要となるため、実装体制を事前に検討しておくことが必要です。

データエンリッチメント

企業のドメインやメールアドレスを手がかりに、業種、従業員数、売上、役職といった詳細情報を自動で追加し、顧客データを最新の状態に保つ機能です。手入力の手間を減らしながら、見込み度の高い顧客を見極めやすくなります。

実行方法は複数あり、セグメントを選択してまとめて情報強化する方法のほか、コンタクトや会社レコードの「インテリジェンス」タブから個別に実行する方法もあります。

データエージェント

WebサイトやCRMデータを基にスマートプロパティーを作成し、プロンプトを入力するだけで必要な情報項目や分析結果をAIが自動生成する機能です。CRMデータとWeb上の最新情報をAIが調査・分析する、いわば「AIアナリスト」のような役割を担います。

実務で使えるプロンプトのテンプレート集である「プロンプトライブラリー」が用意されているほか、レコードに関する独自の質問を設定して、自分でスマートプロパティーを作成することもできます。ワークフローと組み合わせれば、日付の表記ゆれの統一のような処理をプロンプトの指示だけで自動化することも可能です。

データ同期

100以上のアプリとHubSpotを簡単に連携できる機能です。ノーコードまたはローコードで設定できるため、開発者のサポートがなくても既存ツールとの接続を進めやすくなっています。

双方向の自動更新に対応しており、プラットフォーム間でデータの一貫性を保てる点が特徴です。同期方法はカスタマイズでき、アプリをデータスタジオと直接連携させることで、HubSpot全体でデータを活用可能な状態に整えられます。

ユースケース

Data Hubには、大きく分けて「データの統合」と、「データ品質の向上」という2つの役割があります。それぞれの具体的な進め方を分かりやすく解説します。

ユースケース①:データの統合

プログラミングなどの難しい知識を使わずに、他のツールやファイルに保存された顧客データをHubSpotへ集める方法です。データを一箇所に集めることで、お客様一人ひとりに合わせた案内や分析がしやすくなります。ここでは、GoogleドライブなどのクラウドにあるデータをHubSpotへ読み込む手順を紹介します。

  1. STEP 1:外部のツールとつなぐ
    データを保存しているクラウドサービスとHubSpotを接続します。一度つなげてしまえば、あとは自動で最新データに更新されます。
  2. STEP 2:使えるデータのかたちにする(データセット作成)
    取り込んだデータは、そのままでは使えないことがあるため「データセット」を作ります。複数の表を組み合わせたり、必要な情報だけを抜き出したりします。
  3. STEP 3:データを加工する・計算する
    名字と名前をくっつけたり、余計な空白を消したりします。Excelの関数の(IFやCONCATなど)を使って、新しい項目を自動計算して作ることもできます。
  4. STEP 4:HubSpotの顧客リストへ反映する
    整理したデータを、HubSpot内のどの場所にどんなルール(上書きするのか、新しく追加するのか等)で入れるかを設定して送信します。
  5. STEP 5:メール送信や分析で活用する
    きれいになったデータを使って、「特定のお客様グループだけにメールを送る」「レポートを作る」といったマーケティング活動がスタートできます。

ユースケース②:データ品質の向上

集めたデータの中に「二重登録」や「入力ミス」があると、正しく連絡ができなかったり分析に影響を及ぼします。手作業で1つずつ直す手間を減らし、自動でキレイな状態を保つための3つのステップです。

①重複の統合

同じ人や会社が2つ以上登録されている場合、どちらの情報を残すかを確認しながら1つにマージできます。

② 書式の標準化

「全角・半角のバラつき」「小文字にすべきメールアドレス」「余計なスペース」などを整えて扱えるようにします。

③情報の補完

会社のホームページアドレスやメールアドレスを元に、業種や会社規模などの足りない情報をAIなどが自動で穴埋めしてくれます。

※ただし、重複統合はレコードごとに手作業で確認する運用が前提となる場面もあります。また、データエンリッチメントで補完される値の表記や更新範囲には制約が生じる可能性があるため、実データでの検証を経てから本格運用に移すのがおすすめです。

ポイント: 「統合」と「品質向上」は片方だけでは効果が限定的です。データを集めたうえで、クレンジングの運用ルールまで設計して、はじめて活用可能なデータ基盤になります。

まとめ

HubSpot Data Hubは、複数のシステムに散在した顧客データを統合し、CRMを中心とした業務全体で使える品質に保つためのデータ管理ソフトウェアです。データスタジオによる統合と加工、データ品質によるクレンジング、ワークフローやデータエージェントによる自動化が、その中心を担います。

重要なのは、ツールを導入すること自体ではなく、どのデータをどの粒度で統合し、誰がどのルールで品質を維持するのかを先に決めておくことです。

まずは自社で扱っているデータソースを棚卸し、統合が必要な範囲と、現時点で品質上の問題が生じている箇所を洗い出すところから始めてみてはいかがでしょうか。機能の詳細や料金体系については、HubSpotの公式ドキュメントや、「こちら」からお問い合わせください。

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