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アプリケーション・リソース管理(Turbonomic) の効果を最大化する組合せ 3選

投稿者:AIOps担当(森)

こんにちは。
私たちAIOps担当は、システム運用を効率化・高度化するため、機械学習(AI)の技術を採用した「AIOps」や、アプリケーションパフォーマンス管理「APM」、アプリケーション・リソース管理、といったソリューションのご提案から構築・導入後の支援まで担当しています。

アプリケーション・リソース管理ソリューションである、IBM Turbonomic Application Resource Management(以下、Turbonomic)による、システムのリソース・コストの最適化についてご紹介しています。
第5回では、Turbonomicと他の製品・サービスと組み合わせて利用することで、より高度にリソース管理やシステム運用ができることをご紹介します。

・過去の連載
第1回:AIでシステムのパフォーマンス監視・リソース調整を自動化するTurbonomic ARMとは?
第2回:IBM Turbonomicを利用したリソースの最適化
第3回:Turbonomic の無料トライアルを使ってみる
第4回:Turbonomic お客様の関心が高い機能 4選

ケース1. APM(IBM Instanaなど)と組み合わせて使用する

Turbonomicをクラウド環境の管理に使用する場合、クラウドの管理アカウント(同等の権限をもつユーザーやロール)と連携することですぐに利用開始ができることは、第3回の「Turbonomic の無料トライアルを使ってみる」でもご紹介した通りです。この利用方法では、TurbonomicはCPU・メモリ・ストレージといったサーバのリソース使用状況を収集し、最適化を提示します。

加えてAPM(アプリケーションパフォーマンス管理)製品と連携することで、サーバのリソースだけでなくアプリケーションの利用状況(処理量・応答時間)を収集し、アプリケーションのリソース調整も実現します。
たとえば、Javaで実行されているアプリケーションのヒープサイズや、DBのメモリ割り当て・許可する接続数などが該当します。サーバのメモリ使用率が高いためメモリを増設・追加割り当てしたが、アプリケーション側のメモリに関するパラメータを適切に設定されていなかった・・・といったことを避けることができます。

【補足】 Turbonomicはアプリケーションのパラメータについて推奨を提示してくれますが、パラメータの設定変更作業は運用担当者が実施する必要があります。

APM製品との連携はTurbonomic標準機能のターゲット設定で実施できるため、APMが稼動しているURL・IPアドレスや認証用のAPI TOKEN(API KEY)を設定するだけです。APM製品側での準備は、認証に使うAPI TOKEN(API KEY)の作成と許可する操作(権限)の割り当てといった内容になります。

2024年7月現時点でTurbonomicが連携をサポートしているAPMは、IBM Instanaをはじめ、Cisco AppDynamics、Datadog、Dynatrace、New Relicといった主要なAPMをサポートしています。

ケース2. ライセンス管理(Flexera one)と組み合わせて使用する

Turbonomicはシステムの状況に応じて、サーバのリソースを調整しますが、利用しているソフトウェアによっては、リソース量の変更がライセンスに影響する場合があります。

  • CPUのコア数に応じてライセンスが必要なソフトウェア
  • 仮想サーバが稼動する(移動する)可能性のある物理サーバに対してライセンスが必要なソフトウェア

こういったケースにおいて、TurbonomicがCPUなどのリソースを追加・削除したり、仮想サーバが稼動する物理サーバを移動させるといった動作に対し、保有しているソフトウェアライセンスの範囲内で実行するという制限をかける場合に、ライセンス管理製品であるFlexera oneとの連携は有効です。Flexera oneが収集したITに関するインベントリ情報や、保有・割り当て済みのライセンス情報に基づいてリソースの最適化を行います。またライセンス範囲外の利用があった場合は、Turbonomicで検出・提示します。

※ 下図における矢印部分に赤字で記載した項目が、Turbonomic+Flexera oneで実現される機能です。

Flexera oneとの連携はTurbonomic標準機能のターゲット設定で実施できるため、Flexera oneが稼動しているリージョン・組織IDや認証用のAPI TOKENを設定するだけです。Flexera one側での準備は、認証に使うAPI TOKEN(API の作成と許可する操作(権限)の割り当てといった内容になります。

ケース3. ITサービス管理(ServiceNow)と組み合わせて使用する

Turbonomicはリソース調整を、人の手を介さずTurbonomic自身が変更を実行する「完全自動」で行うこともできますし、調整すべきリソースの「推奨の提示」までをTurbonomicが行い、リソース変更の実行は運用担当者が実施するという運用も可能です。
実際のお客様の利用状況は、開発やテスト用の環境はコスト削減を優先しTurbonomicでリソースの変更を実施(完全自動)、本番環境はTurbonomicが提示した推奨を確認し、運用責任者やシステムオーナーの「承認・了承」を得てから、運用担当者が手動でリソース変更を実行するというケースが多いと思います。

このようにTurbonomicによる本番環境などに対するリソース変更に、ワークフローを組み込みたいという場合に、ITサービス管理製品であるServiceNowを組み合わせることで簡単に実現することができます。
最適化アクション1件ごとに変更要求(チケット)を作成し、変更要求を承認、承認された変更要求に基づき処理を実行・・・といったように、リソースの最適化処理のワークフローが実装されます。またリソース最適化について1件ごとにチケットが作成されるため、誰が承認したか、アクションがいつ実行されたか、といったトラッキングも容易となります。

ServiceNowとの連携については、ServiceNowの環境にServiceNow Storeから「Turbonomic Action」という無償利用可能なアプリを組み込みます。これによりServiceNow側にワークフローが実装されます。
ServieNow Store 「Turbonomic Action」
またTurbonomicに設定する認証用のユーザーを作成し、Turbonomicとの連携用ロールを付与します。
Turbonomicは標準機能のターゲット設定で実施できるため、ServiceNowが稼動しているURLと認証用のユーザーIDとパスワードを設定するだけです。

まとめ

Turbonomic単体でもリソースの最適化・クラウドのコスト管理に寄与することは、以前から紹介させて頂いておりますが、今回ご紹介したようにAPM・ライセンス管理・ITサービス管理といった製品と組み合わせることで、Turbonomicの機能を強化して利用いただけます。またこれらの製品との連携機能は、Turbonomicの標準機能として備わっているため簡単な設定で利用可能です。

Turbonomic の製品紹介やデモ、PoCのご検討など、お気軽にお問い合わせください。
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