通信の可視化とAI分析で考える、Illumio Insightsの必要性
投稿者:セキュリティ&ネットワーク事業本部 川崎
はじめに
こんにちは。セキュリティ担当の川崎です。
IT環境の分散が進むにつれて、システムはオンプレミスだけで完結せず、複数のクラウドサービスやSaaSをまたいで構成されることが当たり前になってきました。
その結果、通信経路や接続先が複雑化し、環境全体で「何が起きているのか」を把握し続けることが難しくなっています。
特に、ハイブリッド環境やマルチクラウド環境では、監視対象が分散しやすく、異常の兆候を早い段階で見つけることが簡単ではありません。
ログを取得していても、そこから本当に重要な変化を見つけ出し、次の判断につなげるまでには時間がかかることも少なくありません。
こうした背景を踏まえ、本記事では Illumio Insights の概要と必要性にフォーカスし、どのような課題に対して有効なのか、どのような流れで活用できるのかを整理していきます。
目次
1. IT環境で“見える化”が難しくなっている理由
現在のIT環境では、システムの配置先や通信経路、外部との接続先が多様化しやすく、全体像をつかむこと自体が難しくなりがちです。
たとえば、次のような状況に心当たりがある企業も多いのではないでしょうか。
- オンプレミスと複数のクラウド、SaaSが混在し、通信を横断的に追いづらい
- ネットワークや接続先が動的に変わるため、静的な構成図だけでは実態を把握しにくい
- 各環境でログの形式や管理画面が異なり、一元的に状況を見渡しにくい
- シャドーITや把握しきれていない想定外の通信・利用が増えている
オンプレミス中心の時代であれば、「境界」となるネットワーク機器やそのログを見ていれば、大まかな状況を把握しやすい面がありました。
しかし現在は、クラウド、端末、SaaSを含めて接続先や通信経路が分散・動的化しており、従来のような見方だけでは全体像を捉えにくくなっています。
このように、守るべき環境が分散し、常に変化するようになったことで、そもそも「全体で何が起きているのか」をリアルタイムに視覚化すること自体のハードルが高くなっています。
2. なぜ今、通信の可視化とAI分析が必要なのか
通信の可視化は重要です。
ただし、たとえ全体像がある程度見えるようになったとしても、それだけで課題が解決するわけではありません。
本当に難しいのは、見えた情報の中から
- 何が通常と違うのか
- どの通信がリスクとして優先度が高いのか
- どこから確認を始めるべきか
- 次にどのような対応を検討すべきか
を判断することです。
情報量が多いほど、かえって判断は難しくなります。
特にセキュリティ運用では、アラートや通信ログが大量に存在する中で、重要な兆候を見逃さず、かつ過剰に反応しすぎないバランスが求められます。
だからこそ、今求められているのは、単なる“可視化”ではなく、可視化した情報をもとに状況整理や判断を進めやすくする仕組み です。
3. Illumio Insights でできること
Illumio Insights は、IT環境全体の通信や関連情報をもとに、リスクの高い挙動や気になる通信を可視化し、状況整理や判断を支援するための製品です。
クラウド、オンプレミスの混在するハイブリッド環境や分散したIT環境では、通信経路や接続先が複雑になりやすく、ログやイベントを取得していても、環境全体で何が起きているのかを把握し続けることは簡単ではありません。
Illumio Insights は、そうした見えにくい通信や利用状況を整理し、IT環境全体の中で注意すべきポイントを見つけやすくすることに強みがあります。
特長としては、環境全体を俯瞰しながら、リスクの高いトラフィックや不審なアクセス、利用状況の傾向などを確認しやすいことです。
単にログや通信一覧を並べるのではなく、運用担当者が「どこを優先して見るべきか」を判断しやすい形で情報を整理してくれるため、初動判断の助けになります。
Illumio Insights でできることを大きく整理すると、次の3つです。
まず、環境全体を俯瞰しながら、どこに気になる兆候があるのかを見つけやすくなります。
3.1. 通信やリスクの全体像を把握する
分散したIT環境では、個別のログやイベントだけでは全体像が埋もれがちであるため、全体像を把握できること自体が大きな価値になります。
3.2. 優先的に見るべきポイントを絞る
可視化された情報の中から、リスクの高い通信や注意すべきアクセスを見つけ、優先的に確認すべき対象を絞り込めます。
「何が起きているか分からない」状態から、「まずここを見るべき」という状態に進めることは、運用効率の面でも重要です。
3.3. AI分析で状況整理と次の判断を支援する
さらに、AI分析機能を活用することで、観測された情報をもとに、何が起きているのか、どのような観点で次の確認を進めるべきかを整理しやすくなります。
ここで重要なのは、AIがすべてを自動で決めることではなく、運用担当者が判断しやすい状態をつくることにあります。
活用イメージとしては、次のような流れになります。
- まず、環境全体の通信やリスクを可視化する
- その中から、気になる通信や不審な挙動を見つける
- AI分析によって状況を整理する
- 次の確認ポイントや対応方針を考える
つまり、Illumio Insights の価値は、単に情報を集めることではなく、
「見る → 気づく → 分析する → 判断する」
という流れを支援するところにあります。
この流れによって、従来であればログやアラートを個別に追いかけながら時間をかけて整理していた作業を、よりスムーズに進めやすくなります。
特に、次のような課題を持つ組織では、有効なアプローチになりそうです。
- IT環境全体の通信やリスクをもっと把握しやすくしたい
- ランサムウェアなどの脅威につながる兆候を早めに捉えたい
- 異常検知後の初動判断を速くしたい
- AIを活用して、調査や状況整理の負荷を下げたい
今回は全体像の紹介にとどめていますが、
次回は実際の画面をもとに、Insights Hub やダッシュボード、AI分析機能をどのように活用できるのかを詳しく見ていく予定です。
4. おわりに
IT環境が複雑化するほど、環境内で発生している通信やリスクを把握し続けることは難しくなります。
そして難しいのは、単に“見える”ことではなく、その情報をもとに判断できること です。
Illumio Insights は、通信の可視化に加えて、リスクの高い挙動の把握やAI分析による状況整理を支援することで、セキュリティ運用の初動判断を進めやすくする製品です。
まずは「なぜ今、こうした可視化と分析が必要なのか」を理解することが、導入検討の第一歩になります。
Illumio Insights の実際の画面や具体的な機能については、次回の記事で詳しく紹介します。
ご不明点や、自社環境での確認ポイントについて知りたい場合は、
ぜひ、以下のリンクからお気軽にお問い合わせください。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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