『教えてヒロさん!』~活用事例02 EDIが難しい中小企業とのデータ連携~
投稿者:藤野裕司

2回目の事例は、EDIが難しい中小企業のデータ連携を考えてみます。
● 小規模工務店A社の発注業務の課題
ご紹介するのは建築業の事例で、主役の発注者は小規模の工務店A社。
【概要】
取引先への電話やFAX・メールでの発注業務を、業務サービスとNI+C IRIS Connectと取引先のデータ連携により、手作業だった業務を自動化する。
【現状】
業務はクラウドサービスを利用しているものの、発注は電話・FAX・メールを利用している。
中小企業にとっては自社で取引先とのデータ連携を実施するのは容易ではない。
【効果】
人間系の作業をなくすことにより、人為的ミスや処理の遅延等をなくし、EDIより安価にかつ同等の業務を実施でき、拡張性も期待できる
【ポイント】
今回は、前回の事例をより具体的にご説明いたします。
あくまで想定事例であるため、取引先がEDIやWeb APIによる受注が可能であることが前提になります。
業務のシステム化は少しずつ進んでおり、建設業向けクラウドサービスを利用しています。
しかし、外部に発注する方法は、取引先のサイトに手入力するか、システムからアウトプットされた書類をもとに、電話・FAX・メール送信で対応しています。
この発注作業は手作業で行われているため、人的コストの増加やミス、タイムロス、電話代・郵送代・用紙代などさまざまな問題が発生しています。
せっかくシステム化が進みデータができているので、発注作業から支払いに至るまでの自動化ができないかと検討を進めていました。
● IRIS Connectを活用したデータ連携
その結果、NI+CのIRIS Connectを活用すれば、手作業で行っている業務の大部分の効率化が可能だとわかりました。
取引先の一部はEDIやWeb API接続が可能だということが判明し、その相手先だけでも自動化を進めることにします。
発注先は、次のような業者です。
総合建材卸業者:
多岐にわたる建材を扱っており、工務店が必要とするほとんどの建材を一括で調達できる業者。コンクリート、鉄鋼、木材、ガラス、セメントなどの基本的な材料から、内装・外装、厨房・水回り、電気設備等幅広く取り扱う。
専門工事業者:
電気工事、水道工事、空調工事、内装工事など、特定の工事を専門とする業者。
リース会社・レンタル業者:
建設機械や仮設資材(足場など)をリース又はレンタルする業者。
物流業者:
建材や機材の運搬を行う業者。特に大型の資材や重機などの搬入出に利用される。
これらの取引先に対して、見積依頼・見積回答・発注・納品・受領・請求などのデータを送受信することにより、業務の効率化・高精度化・コスト削減を目指します。
取引先とのデータ連携は、建設業クラウドとNI+CのIRIS Connectにまかせて、A社に必要な対応は結果の確認だけとなりました。
これにより、業務の大幅な効率化と高精度化を実現することができました。
【Before】

A社は、業務クラウドを利用することにより、自社システムを個別に持つことなく、手入力と端末操作で結果の確認までは行えています。
しかし、取引先への見積依頼~請求までは相手先ごとに異なるため、データをそのまま相手先の送ることはできませんでした。
【After】

業務クラウドと取引先とをIRIS Connectで接続し、業務クラウドからデータを抜き出し、取引先ごとのデータにIRIS Connectで変換したのち、相手先に応じた通信手段(Web APIかEDI)でデータ連携を行い、最終結果だけをAの端末で確認、もしくはプリントアウトして保管することができるようになります。
取引先ごとに異なる煩雑な作業は、NI+Cが一貫して行い、A社は高効率、高精度、低コストで安心安全な取引の電子化を実現できました。
今回は、業務クラウドを利用しても取引先ごとに異なる発注方式・データ形式を、間に入ったIRIS Connectが変換からサポートまですべてを行い、中小企業にとって導入しやすいデータ連携の事例を紹介しました。
次回は、もう少し複雑な、工事現場への画像配布の事例をご紹介します。