『教えてヒロさん!』~身近なところから自律分散を~
投稿者:藤野裕司

今回は、Web APIを身近で使いやすいところから活用するためのヒントをお話しします。
目指すところは、自律分散です。
つまり、いろいろなところに分散された有益なデータやアプリケーションを、極力手をかけずに利用することを目指します。
● Web APIで業務系クラウドサービスを有効に使うには
昨今、業務系クラウドサービスが数多く登場し、すでに多くの企業で利用されるようになってきました。
日本では、もう1000近くのサービスが立ち上がっているそうです。
経費精算や就業管理、SFA(Sales Force Automation:営業支援システム )など、便利なサービスが数多く提供されており、社内業務の効率化が随分進んできています。
従来はソフトウェアパッケージをオンプレミスのサイトに個別導入で進められていました。
それがクラウドサービスになり、より使いやすいようにサポートが充実してきているのです。
各自が社内業務として画面に入力し、結果をまた同じ画面で確認できる。
本当に便利になったものです。
しかし、データはクラウド上に集まるため、自社システムで活用するためには、都度サービスから手操作でデータをダウンロードしなくてはなりません。
これは、そのデータを社内業務に活用する担当部門にとっては、結構面倒な作業になります。
そこで、Web APIの出番になりました
これらのサービスの多くは、データ授受についての受口を、Web APIで公開するようになってきています。
この受口に対して、こちら側もWeb APIでアクセスすることによって、手操作でのやり取りを自動化できるようになるのです。
もちろん、世の中Web APIの活用が進みつつあるわけですが、前回ご説明したように、実際には気を付けなければならない課題も多いのです。
そこで、これら課題を解決してくれるのが、データ連携基盤であり、データ連携をサポートしてくれるサービスです。
このデータ連携サービスにゆだねることで、業務系クラウドサービスや取引先から要請されるWeb APIのアクセスも比較的簡単に対応することができるのです。
必要な情報は、クラウド事業者や取引先から提供されます。
それをデータ連携サービス(NI+C等)にお知らせください。
丁寧にサポートしてくれることでしょう。
そのようなニーズがあるときは、一番にNI+Cにご連絡くださいね。
● クラウドサービスをWeb APIで利用する場合のデータの流れ
クラウドサービスへは、お客様に代わってNI+CのIRIS Connectがアクセスします。
そのうえで、サービスから必要なデータを受け取り、お客様が利用可能となるデータに変換したのち、一括してお客様にお届けします。

お客様は、そのデータを自社の業務システムに送り込み、あたかもそのデータが自社システムで作られたかのように業務に活用できます。
本来なら、手操作でクラウドサービスにデータを取りに行ったり、社内システムでデータ変換したりする作業をNI+CのIRIS Connectが代わりに担ってくれるのです 。
もちろん、サービス事業者との調整や設定関係、日々の運用、データ変換やトラブルに関するご相談、その他困ったときのヘルプデスクなど、面倒なことはデータ連携サービス(NI+C等)が担当してくれます。
EDIやデータインテグレーション等、自社ですべてをまかなうのはかなり手間のかかることが多いです。そんなときは、気軽に専門家に相談しましょう。何かきっとヒントが見つかるはずです。
● 業務系クラウドサービス以外での利用例
このWeb APIですが、これ以外にもいろいろ活躍する場面は多く、例えば、次のようなものが挙げられます。
- Web EDIで、手操作による不都合が多い場合、EDIを提供する側がWeb APIの受口を用意すると、操作側は簡単なコマンドアプリケーションでEDI側にアクセスし、アップロード/ダウンロードの自動化を図ることができる。
- 上記の応用で、EDI実施のお願いをしたいが、実施するにはハードルが高い中小の企業様にも、比較的簡単にデータの受け渡しを依頼できる。
(すでに稼働している標準EDIは、あくまで「標準」を遵守)
- データは保有しているのにお客様には紙で提供している場合、Web APIの窓口を作ることにより、紙ではなくデータとしてご利用いただくことができる。
[各種月末報告]など ⇒ これなどは紙や手間の削減になるので、業務の効率化は大!
また、月末のみならず随時のデータ提供も可能。
- 政府統計の総合窓口e-Stat(日本の統計データを取得できる政府公式のAPI)や多くの金融機関でも銀行口座情報や取引情報にアクセスできるAPIを提供している。
このように、すでに利用できるAPIも多くそろってきましたので、いろいろ活用してみたいですね。
このシリーズの最後にも、さまざまな活用事例を紹介しますので、参考にしてください。
今回は、比較的身近に活用しているクラウドサービスで、Web APIによる業務自動化を考えてみました。
次回は、その他周辺システムともつなぐことを考えてみたいと思います。