『教えてヒロさん!』~世の中みんなつながれば「エコシステム経済圏」が構築される~
投稿者:藤野裕司

今回は、データインテグレーションがより広くつながっていく姿を考えてみましょう。
復習としてこれまでの流れを振り返ってみます。
国や世界のIT動向からみてみましょう。日本では、これまでバラバラだったシステムがSociety5.0やウラノスエコシステムのような、システムをひとつにつなぐ社会が提言されました。、欧州では、GAIA-XやCatena-Xという概念のもと、どんどんつながり広がる社会を理解しました。
● データインテグレーションに至るまでのつながり
その概念の中で、
- システムをひとつの大きな仕組みとして作るのではなく、優れた機能や有益なデータをうまくつないで、簡単・シンプル・スピードを意識した仕組みとして開発は進みます。
- それにより、企業内・企業間・クラウド間がシームレスに、かつリアルタイムで高速大容量同時多接続に連携でき、それらの機能やデータを統合したものがデータインテグレーションとして活用が広がります。

●「エコシステム経済圏」とは
- そして、データインテグレーション環境の整った企業やサービスが互いにつながり合い、同じような志を持つ企業やサービスが集まったところにコミュニティが形成されます。
- そのうえでコミュニティ同士、その先に公共機関や政府機関がつながり合えれば、そこには確立された「エコシステム経済圏」が構築されるのです。

●「エコシステム経済圏」に続く未来の世界
今、世の中には「スマート〇〇」という言葉が多くみられるようになりました。
スマートフォン、スマートウォッチはその一番身近な例で、それらはお互いに強く結びついています。利用者には、どこまでがスマートフォン・スマートウォッチの機能で、どこからがクラウドサービスなのか区別がつかない利用形態になっています。
その他にも、さまざまなスマート〇〇が登場しています。
スマートホーム(ハウス)、スマートビルディング、スマートシティ、スマートグリッド、スマートモビリティ、スマートトランスポート、スマートファクトリー、スマートポータル、スマートヘルスケア、スマートファイナンス、スマートガバメント、スマート物流、スマート農業(アグリカルチャー)、など。(各用語の意味は後述)
今後これらはますます増えていく様相です。
そして、それらはスマートフォンとスマートウォッチのように、互いにシームレスにつながっていくのです。
このように関連ある機能が有機的につながり、どこからでも自在に利用できるような社会、これがエコシステム経済圏に続く未来のカタチになるのかもしれません。
● 未来を見据えてまずできるところから
では、そのような世界は一気に現れるのでしょうか。
いいえ、過去の歴史を見てもわかるように、新しい仕組みが一瞬にして世の中に登場することはありません。
これまで培われたEDI・ファイル転送・EAI・ETLなどがすぐになくなるわけではないのです。
従来の機能のうち安定した部分を生かしつつ、次世代システムではこれまで実現できなかった機能や、より強化されした機能が展開できるようになります。
それらは徐々に、少しずつ現れ始め、一時的に旧システムと併存しながら、やがて入れ替わっていくはずです。
そのためには、日頃からの備えが必要です。
ここで注目すべきは、それら一つひとつの機能がどのようにつながっているか。
それがまさにこのシリーズで解説してきたWeb APIなのです。
全く知らなかったでは済まされません。
Web APIの活用はまさに早い者勝ちの世界なのです。
みなさん、準備を進めてください。
まずは、身近なところから始めましょう。
次回からは、1つの記事につき1つの想定事例という形で、Web APIの活用事例を紹介していきます。
すでに実現できている事例や、仮説段階の事例もありますが、ここからは皆さんと一緒に考えていきたいと思います。
こんなこともできる、あんなことはできないか、というようなご意見をお待ちしています。
私たちと一緒に考え、同じ未来を目指していきましょう。
データインテグレーション編の本編は今回で終了です。
ありがとうございました。
- スマートフォン:
高度なコンピュータ機能を持つ携帯電話。 - スマートウォッチ:
インターネットと接続された時計で、健康管理や通知機能などを提供。 - スマートホーム(ハウス)
家庭内のデバイスをネットワークでつなぎ、効率的で便利な生活を実現するシステム。 - スマートビルディング:
建物のエネルギー効率を高めるための自動化システムを持つ建物。 - スマートシティ:
都市全体をネットワークでつなぎ、資源の効率的な使用や生活の質の向上を図るプロジェクト。 - スマートグリッド:
電力供給のための高度な制御システム。エネルギーの供給と需要をリアルタイムで均衡させる。 - スマートモビリティ:
自動運転車やネットワーク化された交通システムなど、移動を効率化する技術。 - スマートトランスポート:
公共交通システムを効率化する技術。例えばリアルタイムの交通情報提供システムなど。 - スマートファクトリー:
生産ラインを自動化し、効率を最大化する工場のこと。 - スマートポータル:
製造現場にある装置や機器のネットワークとオフィスの生産管理ネットワークを安全につなぐゲートウェイ端末 - スマートヘルスケア:
医療機器やウェアラブルデバイスを用いて健康状態をリアルタイムでモニターし、管理する。 - スマートリテール:
社会的なトレンドを予測し、需要に応じた供給を行うための技術。 - スマートフードチェーン:
生産から流通、消費までをデータ連携し、流通過程を可視化するこ とができる。 - スマートエデュケーション:
教育におけるIT技術の利用。例えばオンライン授業や自動化された試験システムなど。 - スマートエンタテイメント:
個人の好みに応じたコンテンツを提供するシステム。 - スマートセキュリティ:
高度なセキュリティシステム。例えば顔認識技術を使用した防犯システムなど。 - スマートファイナンス:
モバイル端末を活用した利便性の高いキャッシュレスサービス等顧客体験、AI・データ解析を活用した効果的・効率的なアドバイスや金融取引 - スマートガバメント:
ICTの積極的導入により、利便性を向上させ、コストを削減し、さらに活発な市民参加を促す政府。 - スマート物流:
AI技術やIoT技術を物流業務に取り入れて、作業効率を向上させた新たな物流形態。 - スマート農業(アグリカルチャー):
センサーやドローンを用いて農作物の成長を管理し、収穫量を最大化する農業。
このように、「スマート〇〇」という概念は非常に多岐にわたります。新しい技術やアイデアが出てくるたびに、新しい「スマート〇〇」が生まれることでしょう。