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『教えてヒロさん!』特別編(前編) ~なぜEDIって必要なんですか?~

投稿者:藤野裕司

教えてヒロさん!藤野裕司のEDI・データインテグレーション追っかけ塾 データインテグレーション編~データ連携・データ統合の現状と未来~特別編(前編)

本稿では、EDIを中心のテーマとして執筆を続けていますが、みなさんEDIってなぜ必要で、どのように使われているかご存じでしょうか。

もちろん「取引を電子化するために大切なのだ!」とご理解いただいていますよね。
でも、それを生活の中で感じることは少ないのではないでしょうか。

感じているとしたら、Web画面で受発注の入力やデータのアップロード/ダウンロードをしているご担当者だけでしょう。
EDI業務に直接触れている人でも、なかなか自分の生活でEDIの存在を意識する機会は少ないかと思います。

そこで、今日はヒロから、EDIをより身近に感じていただけるようなエピソードをいくつかご紹介しましょう。

1.スーパーマーケットでのできごと

みなさん、スーパーやコンビニでいろんな商品をいくつも購入なさってますよね。
ほかにも、ドラッグストアやホームセンター、家電量販店、衣料品の専門店やショッピングセンターなど、お買い物をするところはたくさんあります。

え? 最近はオンラインショップばかりで、買い物に出かけることは少ないって?
いえいえ、商品を購入して自分のものとするという点では同じことなんですよ。

そこで思い返してください、みなさん多くの商品を購入してお店から出てこられますが、そのあと商品棚からものがなくなっていることってあるでしょうか?
ほとんど見たことがないでしょう。
テレビで有名人が、ふと商品名を口にした時以外は。。。

つまり、どんなお店でも、どんなにお客様が商品をご購入になっても、つねに在庫が補充され、棚は商品で満たされています。

いま、日本には、

  • ショッピングセンター(SC):約4,000店舗
  • GMS(総合スーパー) :約1,000店舗
  • 食品スーパー :約21,000店舗
  • コンビニエンスストア :約55,000店舗
  • 百貨店 :約200店舗
  • ホームセンター :約5,000店舗
  • ドラッグストア :約22,000店舗
  • 家電量販店 :約6,000店舗
  • 大手衣料品専門店 :約4000店舗

も、あるんです。

ほかにも、自動車部品専門店、外食チェーン、オンラインショップなど、普段から目的をもって商品を購入するところはたくさんあります。

そしてみなさんの手に渡るまでに、
原材料メーカー・生産者 → 製造メーカー → 卸や代理店 → 小売や販売店
を通してお手元に届いています。
その商品を運び届けてくださる物流会社も、、、
これらすべての関係者が、その取引を手でやることができるでしょうか?

例えば、年商5千億の中堅スーパーでは、年間の伝票発行枚数は1億枚相当です。
中堅1社でこの数字ですから、日本全国ではどれだけの枚数になるのでしょう!

要は、そのほとんどがコンピュータ経由で取引が行われているのです。

2.素敵な自動車に乗っておられますね

みなさんの中でも、多くの方が自動車を所有しておられると思います。
もちろん、国産車でも多くのブランドがあり、プリウス、オデッセイ、セレナ、など聞き覚えのある車種名はすぐに出てきます。

「ボクはシルバーのカローラに乗っています」
「あ、じゃぁ、私と同じですね」

え? それって本当ですか?
どこを探しても、全く同じ自動車って1台もないことをご存じでしょうか?

自動車を購入するとき、車種、排気量、内装・外装、電子機器・安全設備、オプションなど、すべてひとり一人の好みに応じた仕様を選びます。
つまり100%同じ仕様の車って、どこにもないわけです。

日本で1年間に作られる自動車は、大型、中型、小型を合わせて、およそ1000万台。
1日に3万台がコンスタントに作られている計算です。

工場のラインで、何台も何台も作られ流れていく様子を、テレビでご覧になったことがあると思うのですが、あの車たち1台とて同じものがないんです!

それらの自動車って、どのくらいの部品点数で構成されているのでしょうか。

  • 大型自動車(トラックやバスなど) :約30,000点から50,000点
  • 中型自動車(普通乗用車など) :約25,000点から30,000点
  • 小型自動車(軽自動車やコンパクトカーなど):約20,000点から25,000点

最近は、電子機器や安全装備の数が格段に増えているので、もっと部品点数の多い車もあるでしょう。
このように多数の部品で構成される車のほとんどが全く違う仕様で作られているのです。

これらの部品が、多くの取引先から届けられ、多くの工場で、1日に3万台が精密に組み立てられています。

とてもじゃないですが人間技ではできません。
コンピュータがネットワークでつながり、電子的なデータ連携でコントロールされているのです。

3.おうちの中は家電だらけ

みなさんのご自宅の中を、ぐるりと見渡してください、数えきれないほどの家電製品がそろっています。
テレビやステレオ、エアコンに照明、キッチンには電子調理器具がいっぱい。パソコン・スマートフォン・家庭内LANにインターネット設備、風呂もトイレも最近は家電ですよね。そして健康美容機器、安心安全設備まで、何から何まで家電製品なんです。

それらの機器は、製造メーカー1社の部品でできているのでしょうか?
とんでもない! 多くの関連メーカーの部品はもちろんのこと、ライバル会社や世界中のメーカーの部品も含めて構成されているのです。
しかも各部品は日に日に進化し続けています。これらを管理・選択・組み立てるのは、決して人手ではできません。

企画・設計・調達・生産・販売・物流・管理・金融・メンテナンス・マーケティング、、、
原材料調達から部品・製品製造、管理・販売会社に至るまで、関係するすべての会社でほとんど同じような工程を、コンピュータとコンピュータがネットワークでつながれ、漏れやミスがないよう高速で安全確実に処理をつないでいっているんです。


このように、どのようなものが求められ、どのような製品が作られ、どのようにして店舗や消費者に届けられるか、関連するすべてのデータが通信でつながったコンピュータで処理されています。

その中の非常に重要な機能として「データを届ける役目」、それがEDIなのです。

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