『教えてヒロさん!』~活用事例03 様々なデータの公開・提供~
投稿者:藤野裕司

3回目の事例は、画像を含む様々なデータを、効率的にかつセキュアに提供・活用する仕組を考えてみましょう。
ここでは、データ保有者がデータ利用者の要請に従い、個別にデータを配布する現状の課題を解決し、データ利用者も必要な情報を容易に取得できる例を考えてみます。
【概要】
画像を含む様々な公開可能データをIRIS Connect上のデータベース(DB)に集約し、一元的に保管・管理・公開します。データ利用者は、サービス上で必要な情報を検索し、目的のデータを自社システムからの要求に応じてDBからダウンロードできます。このサービスは万全のセキュリティを確保しています。
【現状】
データ利用者は、必要なデータを個々の保有者に連絡し、保有者は要求されたデータを探し出し、メール添付などの方法で個別に提供しています。利用者が大企業の場合、自社独自に各方面からデータを集めて巨大なDBを構築しているため、あちこちに同じようなDBが存在することになり、データ保有者は個々の要求の都度対応しなくてはならないという非効率が生じています。
【効果】
様々なデータが公開可能な形でサービスに集約されることで、利用者は個別にデータ保有者と交渉したり、独自に巨大なDBを構築したりする必要がなくなります。これにより、データ保有者、データ利用者双方の対応工数が大幅に削減されます。また、このサービスを利用すると、画像データだけでなく様々なデータを同時並行して蓄積・管理・公開・提供できるようになります。

【ポイント】
- IRIS Connectの中に様々なデータを集約するDBを構築することで、データ保有者は個々の利用者ごとの対応が不要になり、利用者も必要なデータを一覧で参照しそのまま入手できます。
- 従来は、利用者が自社で必要なDBを個別に開発していたため、大規模な開発やデータ収集作業が発生していました。
- DBをサービスに集約することにより、データ保有者・データ利用者ともに大幅な開発・運用工数を削減できます。
【運用】
〇データ保有者
提供するデータには、画像や図面、諸元など、様々な種類が考えられます。保有者は、データが発生するたびに、公開すべきデータを作成し、自社システムからサービスに向けて送信します。
データを受信したサービスは、登録に必要な形式にデータを加工・編集し、付帯情報をつけて公開・配布DBに投入します。
〇データ利用者
利用者は、サービスに登録されているデータの中から必要なものを選択し、ダウンロードする内容を指定します。
サービスは、利用者が指定した内容でデータを抽出・加工・編集し、配布用DBに格納します。
利用者は、配布DBに格納されたことを確認した上で、自社システムの取り込みを起動します。自社システムは、指定された内容でWeb APIクライアントを起動し、ダウンロードしたデータを自社システムに取り込みます。
【特徴】
- 自律分散の概念に基づいています。
- クライアント側がWeb APIを使うと、自社システムで起動したあとは自動で業務につなぐことができます。
一方、Web画面のみでのダウンロードを利用すると、サービスへの指示・ダウンロード・自社業務への取り込みが、別の操作となってしまいます。 - 様々なデータが、相手先に係ることなくサービスで一括整理でき、利用者は必要なデータを自在に選択でき、かかる手間を最小限に抑えた上で自社システムに取り込むことができます。
【データ保有者・利用者のメリット】
- データ保有者は、利用者に対する個別対応を削減することができます。
- データ利用者は、必要なデータを一覧で参照し、直接入手できるため、煩雑なやり取りが不要になります。また、自社独自の巨大なDBを構築する手間とコストが削減されます。
- Web API連携により、データの送信・受信、途中のデータ変換、後続処理への連係等、多くの処理を自動化することができます。
- IRIS Connect上に共通化する業務を集約することで、各企業の業務を簡略化することが可能となります。
【まとめ】
IRIS Connect上で稼働するデータ公開・提供機能は、共通化できる機能を集約することができるため、各企業の業務のコンパクト化を実現します。また、Web APIを活用することによりサービスと自社業務の連携自動化を促進することが可能となります。
この流れで、今後は自社で個別システムを開発するより、共通機能を持つサービスを利用することが「システムのいいとこどり」というトレンドとなるように思われます。