Technical Blog テクニカルブログ
  1. HOME
  2. テクニカルブログ
  3. 『教えてヒロさん!』~活用事例04 クラウドサービスと自社業務との連携~

『教えてヒロさん!』~活用事例04 クラウドサービスと自社業務との連携~

投稿者:藤野裕司

第4回目の事例として、世の中に多数公開されている業務系クラウドサービスと自社業務の連携について深く掘り下げて考察します。現代のビジネス環境において、クラウドサービスの利用はもはや不可欠な要素となっていますが、その運用方法には改善の余地が多く見られます。

現状の課題:データの取り込みの手動運用による非効率性

現在のクラウドサービスは、社員が各サービスにそれぞれ自分でデータ入力し、その結果を担当部署では月末もしくは必要の都度、Webから手操作でダウンロード取込みをするような運用が一般的です。この手動によるデータ取得・業務連携プロセスは、以下のような様々な課題を抱えています。

  • 人的コストの増大: データのダウンロード、そしてその後の加工編集、後続業務への連携といった一連の作業に、多くの時間と労力が費やされています。特に企業規模が大きくなり連携業務が増えてくると、このコストは無視できないものとなります。
  • ヒューマンエラーのリスク: 手動によるデータ操作は、人為的なミスを誘発しやすく、データの整合性や正確性を損なう可能性があります。誤ったデータは、その後の業務プロセス全体に悪影響を及ぼし、誤った意思決定につながることもあります。
  • 処理の遅延: 必要なデータの取得が手動で行われるため、特に月末などデータが集中する時期には、処理の遅延が発生しやすくなります。これは業務全体のボトルネックとなり、迅速な意思決定や対応を妨げます。
  • 非効率なデータ共有:現在社内のデータ共有が十分整備できていない企業もあり、そのような場合、業務連携の不備がデータの一元管理と共有において不整合をもたらすことにつながり、大きな問題となることもあります。

解決策:Web APIを活用した自動連携

これらの課題を解決し、業務の効率化と精緻化を図るための鍵となるのが、クラウドサービスが提供するWeb APIの活用です。
多くのクラウドサービスには、外部からのアクセスを受けるためのWeb APIサーバの受口が用意されています。このWeb APIを活用し、自社システムがWeb APIクライアントとしてサービスにアクセスすることで、手操作によるデータのダウンロードや入力から、Web APIを経由した自動連携に切り替えることが可能となります。

自動連携による効果

Web APIを通じた自動連携は、以下のような多大な効果をもたらします。

  • 人的コストの削減とヒューマンエラーの排除: データのダウンロードや業務の連携プロセスが自動化されるため、これまで手動で行っていた作業が不要となり、人為的な入力ミスやダウンロードミスがなくなります。あわせて、データの正確性と信頼性が飛躍的に向上します。また、従業員は付加価値の高い業務に集中できるようになります。
  • 処理の精緻化と迅速化: 定期的な自動連携を設定することで、必要なデータを常に最新の状態で取得・更新することが可能になります。これにより、リアルタイムに近いデータに基づいた意思決定が可能となり、業務処理全体の迅速化が図れます。
  • 拡張性の確保: 一度Web APIによる連携基盤を構築すれば、新たなクラウドサービスや自社システムとの連携も容易になります。これにより、ビジネスの変化に柔軟に対応できる拡張性の高いシステムを構築できます。

IRIS Connectを活用した自動化の発展的イメージ

本文では、具体的な自動化の処理の流れとして、複数のサービスにアクセスし、得られたデータをIRIS Connectで加工編集し、自社の業務に取り込み自動化するモデルを提示しました。

その発展的イメージとしては

  1. データ取得: 各種サービスに保存されているデータを自動取得できます。あわせてEDIとの連携も可能で、企業内外・クラウド間のデータを一元管理し、多くのシステムがシームレスに連携できるようになります。
  2. データ集約・加工編集: 取得したデータは、自社が必要とする形に加工編集します。これは、データの標準化、クレンジング、統合など、後の業務システムで利用しやすい形式に整える作業となります。
  3. データレイクへの取り込み: 加工編集されたデータは、データレイクに取り込まれます。データレイクは、構造化データ、非構造化データ、半構造化データなど、あらゆる形式のデータをそのままの形で保存できる集中型リポジトリであり、将来的なデータ分析や活用に向けた基盤となります。
  4. 自社業務システムとの連動: データレイクに取り込まれたデータは、自社業務システムに一括して取り込むことができます。このとき、自社固有のDBにセキュリティを高く取り込むことも可能で、必要に応じて公開することもできるようになります。これまで個社のみではなかなか管理できなかったグラウドサービスや関連企業と連携する業務も、自動的かつ統合的に処理されるようになります。

効果の総括

この自動連携の仕組みにより、多くのサービスのデータを自動で一括して受け取ることが可能になります。その結果、人為的ミスや処理の遅延等をなくし、業務自動化はもちろんのこと、将来的な業務拡張性も期待できます。

理想のデータ管理と利用

最終的な目標は、画像を含む様々な公開可能データをIRIS Connect上のDBに集約し、一元的に保管・管理・公開することです。データ利用者は、サービス上で必要な情報を検索し、目的のデータを自社システムからの要求に応じてDBからダウンロードできるようになります。このサービスは万全のセキュリティを確保しており、企業全体のデータガバナンスを強化し、データの価値を最大限に引き出すことを目指します。
このように、クラウドサービスのWeb APIを活用し、IRIS Connectの、企業は現在の手動による非効率なデータ運用から脱却し、よりスマートで効率的な業務環境を実現することができます。これは、デジタル変革時代における企業の競争力強化に不可欠なステップとなるでしょう。

ページのトップへ