『教えてヒロさん!』~VPN依存からの脱却!EDIサービスが実現するサプライチェーンセキュリティの「構造的優位性」とは~
投稿者:藤野裕司

みなさま、こんにちは! NTTインテグレーションのエグゼクティブコンサルタント、ヒロです。
デジタルトランスフォーメーション(DX)が加速する中、企業間の連携はかつてないほど重要になっています。しかし、そこで必ず直面するのが「セキュリティをどう担保するか」という大きな壁ですよね。
今回は、皆さんの会社の根幹を守る「サプライチェーンセキュリティ」について、少し視点を変えた本質的なお話をしようと思います。テーマはずばり、「VPN接続 vs EDIサービス」です!
その「安全対策」、実は危険かもしれません
皆さんは、「インターネットは危険だから、協力会社やサプライヤーとの通信には自社のVPNを使ってもらおう」と考えてはいませんか?一見、非常に理にかなった安全対策に思えますよね。
しかし、現実は非常に厳しい状況です。警察庁の統計によれば、令和5年のランサムウェア被害のうち、感染経路が判明したものの63%がVPN機器経由でした(※1) 。VPN機器の脆弱性が放置され、そこから侵入されるケースが後を絶たないのです 。

※1 出典:
警察庁「令和5年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」
VPNの本質的なリスクは、「一度認証を通ってしまうと、社内ネットワークを自由に動き回れてしまう(ラテラルムーブメント)」という構造にあります 。
- 攻撃者はVPN経由で侵入すると、平均約2時間でネットワーク内の横展開を開始します 。
- 結果として、サプライヤーを踏み台にして親会社の工場が全停止するといった、甚大な被害(推定被害額500億円の事例も)が発生しているのです 。
ネットワークを「つなぐ」からデータを「送る」へのパラダイムシフト
では、私たちはどうすればいいのでしょうか?ここで注目していただきたいのが、「EDIサービス」の構造的な優位性です。
VPNが「ネットワークを接続する」仕組みであるのに対し、EDIは「ビジネスデータを交換する」仕組みです 。このアーキテクチャの違いが、セキュリティにおいて雲泥の差を生み出します。

VAN型のEDIサービスを利用した場合、次のような圧倒的なメリットがあります。
- 自社ネットワークへの侵入経路を遮断: 中間サービスがデータを中継するため、サプライヤーと自社ネットワークが直接つながることはありません 。
- 横展開(ラテラルムーブメント)が構造的に不可能: 送受信できるのは定型データのみであり、攻撃者が内部のサーバーにアクセスしてマルウェアをばらまくといった操作は技術的にできない仕組みになっています 。
- 厳格なデータ検証: EDIフォーマットに準拠しない不正なファイルは、システム側で自動的に弾かれます 。
実際、VPNの脆弱性によるトラブルの報告は、数多く提示されていますし、米国CISAやNIST、経済産業省のガイドラインでも、VPNのような「境界型防御」から脱却し、ゼロトラストの原則へ移行することが強く推奨されています(※2) 。今後は、単にネットワークをつなぐのではなく、「データそのものを安全に送受し、アプリケーションを連携させること」がサプライチェーン高度化の要になるというわけです。
※2 出展:
CISA「Modern Approaches to Network Access Security」(2024年6月)
NIST SP 800-207「ネットワーク上の位置のみに基づく暗黙の信頼を排除する」
経済産業省「サイバーセキュリティ経営ガイドラインVer 3.0」(2023年3月)
自律分散型の「エコシステム経済圏」を見据えて
EDIサービスがもたらす価値は、単なる「防御」にとどまりません。私たちが目指すべき未来、Society 5.0の実現に向けて、これは大きな布石となります。
NI+Cは今後、複数の企業や業界がシームレスにつながり、共に価値を創出する「エコシステム経済圏構想」を展開していきます。この巨大なエコシステムの中では、特定の親会社がすべてを中央集権的に管理するのではなく、各企業が安全にデータを共有し合う「自律分散」の概念が不可欠になります。
サプライチェーンがより高度化・精緻化していく未来において、この自律分散型のデータ連携は「あれば便利」なものではなく「必須のインフラ」です。その時、単なるVPN接続の延長ではなく、データの意味を理解し、セキュアかつ確実に連携させるEDIの仕組み——そして、40年以上のEDI運用実績を持つNI+Cの知見が、必ず皆様の強力な武器になるはずです。
共に次世代のサプライチェーンを創りましょう!
「ネットワークを接続する」ことから、「データのみを交換する」ことへの思考の転換。これこそが、皆さんの大切なビジネスとサプライチェーンを守る構造的な最適解です 。
日本の産業基盤を守り、さらに強固なエコシステムを築き上げるという、国を挙げての大きな取り組み。ぜひ、皆さん自身の企業から変革の一歩を踏み出し、私たちNI+Cと一緒に実現しようではありませんか!
共に未来を創りましょう!
(藤野裕司)